自分自身、親元を離れて一人暮らしを始めたのは大学進学時。ワンルームのマンションに引っ越した当時、真っ先に親が買ってくれた家電は電子レンジと洗濯機、そして懐かしい「テレビデオ」だったと記憶しています。冷蔵庫はマンションに備え付けで、そのほかの家電は後から少しずつ買い足していったものです。それから数十年の歳月が経ち、当時は存在しなかった便利な家電が今ではたくさん登場しています。
現在、我が子は春から高校に進学する男子学生。一人暮らしにはまだ少し早いのですが、近い将来、一人暮らしを始めるとしたら……という前提で、マストではないけれどあると便利&快適になる「プラスα」な家電も含めてセレクトしてみました。狭いワンルームでもコンパクトで場所を取らず、一石●鳥のマルチに活躍してくれるでしょう(メーカー希望小売価格および実勢価格は2022年4月上旬のもの。編集部調べ)。
■アイリスオーヤマ「かんたん両面焼きレンジ IMGY-F181-B」(13,000円前後)
初めての一人暮らしにマストアイテムと言えるのは、「衣食住」の食生活を支える電子レンジ。ファミリー向けでは、スチームやオーブン、グリルといった多機能タイプが主流ですが、一人暮らしの部屋には本体サイズが大きく、機能的にもオーバースペックだったりします。
アイリスオーヤマの「かんたん両面焼きレンジ」は、機能的には電子レンジのみ。でも、専用容器を組み合わせて使うと、フライパンで焼いたような焦げ目のついたグリル調理もこなせるユニークな1台です。
専用容器は、上下に搭載した発熱プレートが電子レンジのマイクロ波を吸収して食材を加熱。食材を裏返さなくても両面を加熱できるため、手間が省けるだけでなく、時短調理にもなります。例えば、フライパンで約18分の加熱が必要なハンバーグの場合、約7分で完成です。
また、専用容器のフタは2段階で高さ調整が可能。ハムエッグといった片面の焼き料理にも対応します。焼き魚、しょうが焼き、お好み焼きなど10種類の両面焼きと、焼きそばや餃子、焼きおにぎりなど8種類の片面焼きの自動メニューも装備。ボタン1つで簡単に調理できます。
■シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW10G」(40,000円前後)
現代はインスタントやレトルト、コンビニフードなども豊富。一人暮らしでも食事が手軽に済むとはいえ、母親としては子どもの食生活で栄養が偏るのはやはり気がかり。また、たくさん食べる人だと、ある程度は自炊しないと経済的にも大変です。
自炊生活の相棒として用意してあげたいのが電気調理鍋。食材を投入してスイッチを入れれば、調理の時間や火加減はすべてお任せです。煮物や汁物などの温かい料理ができあがることから、主婦の欲しい家電としても上位に並びます。
シャープの「ヘルシオ ホットクック」(以下、ホットクック)シリーズは、「かき混ぜ機能」が特徴的。Wi-Fi接続に対応したモデルはスマホアプリとも連動し、調理メニューのダウンロードや設定、予約時間の変更といった遠隔操作まで可能なハイテク調理家電です。
KN-HW10Gは、ホットクックの中でも一人暮らしにぴったりな容量1Lのコンパクトモデル。付属品(蒸しカゴ)を併用すれば、2品同時調理や低温調理もできて、一気に自炊メニューのレパートリーが増えます。ホットクック向けの食材宅配サービスもあり、たまに親元から送ってあげるのもアリでしょう。
■シャークニンジャ「EVOPOWER EX WV406JGG」(28,000円前後)
快適な一人暮らしの居住空間を保つために、掃除機も必須家電のひとつ。とはいえ、ワンルームなどあまり広くない部屋なら、掃除するスペースも限られているものです。ホコリや髪の毛といった小さなゴミはフローリングワイパーでも十分。テーブルや家具の上を掃除したり、大きめのゴミをササっと吸い取りたいときのために、場所を取らないハンディ掃除機が1台あると便利です。
シャークニンジャの「EVOPOWER EX(WV406JGG)」は、充電式ハンディクリーナー「EVOPOWER」シリーズ」のプレミアムモデル。使用時の本体サイズは幅62×奥行き69×高さ390mm、重量が約680gと軽量コンパクトです。収納時でも幅104×奥行き276×高さ374mmと省スペース。シャンパンボトルのような洗練された外観で、生活感なく空間にたたずみます。
吸引力は下位モデルの「EVOPOWER W35」と比較して2倍のパワーがあり、標準モードのほかブーストモードとエコモードを搭載。吸引力が必要なときや急ぎのときはブーストモード、音が気になるようならエコモードと、シーンによって使い分けられます。
充電も本体をスタンドに置くだけ。約3.5時間のフル充電で、エコモードで約35分、標準モードで約20分、ブーストモードで約8分の連続運転ができます。別売の交換バッテリーを用意すれば、運転時間を延ばせます。
ハンディ用の隙間ノズル、マルチノズル、ミニモーターヘッドというアタッチメントに加えて、フローリング用延長ノズルも付属。フロア掃除にも使えて、ミニモーターヘッドを付ければふとんや毛足の長いラグなども効果的に掃除できます。ハンディ用のアクセサリー類(3点)を充電ドックに収納しておけるのも秀逸です。
■東芝ライフスタイル「La・Coo S TAS-X6」(12,000円前後)
自分の一人暮らしを振り返って、後から必ず欲しくなるのがアイロン。近年は衣類をハンガーにかけたままシワを伸ばせる衣類スチーマーが人気ですが、ズボンに折り目をつけたり、ピシッとシワを伸ばしたいときには力不足。とはいえ、プレスアイロンと衣類スチーマーの両方を用意するのは、収納スペースが限られる一人暮らしには得策ではないでしょう。
そこで2Wayタイプの製品がオススメですが、「帯に短しタスキに長し」になりがちなのが正直なところ。そんな中、2021年に発売された「La・Coo S TAS-X6」は、衣類スチーマーとプレスアイロンの二刀流に加えて、コードレス、非コードレスのハイブリッド仕様というスグレモノ。2018年に初代モデル、2019年に2代目、そして2年ぶりに3代目として大幅リニューアルされました。歴代モデルでは若干もの足りなさを感じていた性能に加えて、使い勝手も改良され、完成度が高まったと感じた製品です。
ユニークなのは、ワンタッチでコードレスと電源コードありに切り替えられるハイブリッド仕様。コードレスといってもバッテリー駆動ではなく、蓄熱を利用します。1回の連続使用は1~2分程度と短いものの、給電のタイミングをブザーとランプで知らせてくれる機能があり、その都度、充電台で蓄熱すれば復活も早く、それほどストレスを感じずに使えるでしょう。もちろん、電源コードを接続すれば、長時間の連続使用が可能です。
衣類スチーマーとしてのスチーム量は、電源コード使用で最大約20g/分、コードレス使用で最大約14g/分。タンク容量は約115mlと、衣類スチーマーとしてはトップクラスの性能です。
プレスアイロンとしての使い勝手も良好で、かけ面温度設定は高(約200℃)、中(約160℃)、低(約120℃)の3段階。かけ面にはシルバーセラミックコートを施しており、かけ心地もとても快適、スムーズです。
■アイリスオーヤマ「カラリエ FK-D1」(12,000円前後)
ふとん乾燥機は必須とまでは言えないものの、親心としてできれば用意してあげたい家電の1つです。質の良い睡眠には、寝具が快適であることが重要。しかし一人暮らしでは、住居環境や日中外出が多いといった理由から、なかなかふとんを干しづらいもの。そこで活用したいのがふとん乾燥機です。
カラリエ FK-D1は、性能と機能、使い勝手に定評あるアイリスオーヤマの「カラリエ」シリーズにあって、インテリア性を重視したデザインモデルと位置付けられる製品。木目パネルの家具調デザインで、見た目はマガジンラックのよう。インテリアのジャマをせず、ベッドサイドに常設しておくのにぴったりです。
デザインだけでなく、定格出力780Wのヒーターは、ふとん乾燥機の中でも高性能。引き出すと現れるノズルの先端が左右と上に開く構造で、掛け布団を持ち上げることで空間を作り、温風を効果的に拡散するなど機能性にも優れています。
■popIn「Aladdin Vase」(69,800円)
物の置き場所や収納スペースが限られる一人暮らしの部屋では、家具や家電は厳選したいところ。最近はYouTube動画をスマホやパソコンで視聴する若者が多く、テレビはマストアイテムとは言えなくなってきました。もし、映画やスポーツ映像を大画面で楽しみたいときがあるとしたら、持っておくとうれしいのがプロジェクターです。
popInの「Aladdin Vase」は、プロジェクターとスピーカー、シーリングライトを一体化した天井設置型「popIn Aladdin」が大好評のpopInが発売した据え置き型の新製品。花瓶をモチーフとしたコンパクトで洗練されたデザインが特長です。シーリングタイプは天井の高さや壁との距離で使いにくいことがありますが、据え置き型なら部屋のどこでも使えるのがメリット(もちろん投映先の問題はありますが)。使わないときは、ベッドサイドなどの間接照明として利用できます。
Wi-Fiに対応し、内蔵アプリでYoutubeやAmazon Prime、Netflixといった動画配信サービスの視聴をはじめ、さまざまなコンテンツを楽しめます(住居にインターネット回線とWi-Fi環境が必要)。別売のコネクターを追加すれば、ゲーム機やブルーレイコーダーともWi-Fiで通信して、ワイヤレスで投映できるようになります。