日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’22』(毎週日曜24:55~)では、30年前の漫画に込められたメッセージを守り続ける人々を追った『愛華さんの望み ~地球を救う一冊~』(日本海テレビ制作)を3日に放送する。
島根県で30年近く続く地球の環境保護と平和をテーマにしたミュージカル『あいと地球と競売人』。これは、出雲市斐川町の小学6年生・坪田愛華さんが1991年に描いた漫画『地球の秘密』をもとに生まれた作品だ。
愛華さんが『地球の秘密』を描いた1991年は湾岸戦争が勃発。愛華さんは「地球が壊れてしまう」と胸を痛めて、この漫画を描き上げたが、その数日後に突然の小脳出血で倒れ、帰らぬ人となった。
『地球の秘密』は国内にとどまらず世界でも反響を呼び、ニューヨークの国連本部で展示されたほか、ブラジルで開催された地球子どもサミットで紹介された。“環境のシンボル”となった愛華さん。地元でもその思いを伝え継いでいこうという動きが広がり、ミュージカル『あいと地球と競売人』が出来上がった。
主役は愛華さんをモデルにした女の子“あいちゃん”。地球を汚そうとする妖怪たちにあいちゃんと子どもたちが立ち向かうストーリーで、1994年の初公演以降、関わった県民は約4,000人。みんなで協力して地球を守ることの大切さを伝えてきた。
30年前に描かれた作品にもかかわらず今、世界中で広がるSDGsで掲げられている目標が盛り込まれた『地球の秘密』。母親の揚子さん(80)も、娘が遺したメッセージを引き継ぎいできた。『地球の秘密』や『あいと地球と競売人』が今も引き継がれていることに感謝する半面、まだ「時代は変わっていない」と感じているという。