マセラティの新型SUV「グレカーレ」が日本初公開となったので、実車を確認してきた。競合ひしめくSUV市場に遅れて登場したマセラティの新顔は、何が強みなのか。マセラティジャパン担当者によればこの1台、子育てファミリーにオススメのクルマに仕上がっているそうだ。
後席スペースが強み?
「グレカーレ」(Grecale)はマセラティで2台目となるSUV。「レヴァンテ」よりはコンパクトな車体を持ち、ポルシェ「マカン」やメルセデス・ベンツ「GLCクーペ」など強豪ぞろいのセグメントに勝負をかける。
日本での納車開始は2023年初春となる見通し。2022年6月上旬ごろからマセラティ正規ディーラーでオーダー受け付けを開始する予定だ。当初のグレード展開は「GT」「モデナ」「トロフェオ」の3種類。そのうち電気自動車(EV)の「グレカーレ フォルゴーレ」が加わり、ラインアップが完成するそうだ。
GTは300馬力の4気筒マイルドハイブリッドエンジンを搭載。モデナは出力が330馬力にアップする。「トロフェオ」は「ネットゥーノエンジン」をベースとする3.0LのV型6気筒ガソリンエンジンを積んでおり、動力性能は530馬力と強力だ。日本での価格はGTで800万円台後半からとなるそう。
- 展示車両「グレカーレ トロフェオ」(欧州仕様、参考値)
ボディサイズ | 全長4,859mm、全幅1,979mm、全高1,659mm |
エンジン型式 | ネットゥーノ V6 ターボチャージャー |
総排気量 | 3,000cc |
最高出力 | 530PS(6,500rpm) |
最大トルク | 620Nm(3,000~5,500rpm) |
最高速度 | 285km/h |
0-100km/h加速 | 3.8秒 |
トランスミッション | DCT8速ギアボックス |
グレカーレが挑む市場は激戦区だが、マセラティジャパンの担当者は「最後発とはなりますが、十分に戦っていける仕様、価格にしています」を自信ありげ。というのも、グレカーレには競合に対する強みがあるのだという。
「マカンやGLCのいるセグメントのお客様は、とちらかというと『子育て終了世代』の方が多いんです。なぜかといえば、それらのクルマは後ろのスペースが、子育てをするには少し狭いのかな、というのが理由のひとつです。子育て中は奥さまとお子さまが後席に乗ったり、荷物が多かったりして、スペース的に厳しい。グレカーレは後席、後ろのスペースを大きく取っていますから、子育て中の方にも、これから子育てをなさる方にもオススメできるのが強みです」
マセラティの購入を検討する人たちは、ポルシェと比べてみることが多いそう。こうした顧客の多くは第1に外観、第2にパフォーマンスを重視するが、3番目に何を求めるかはポルシェとマセラティで異なる。ポルシェには「ファントゥドライブ」(運転して楽しむこと)、マセラティには「プレステージ性」(所有すること自体を楽しむこと)を望む人が多いそうだ。マカンの4気筒エンジン搭載モデルは出力が265PS、価格が754万円から。グレカーレがどんな評価を受けるのか、気になるところだ。
一方で、ジャーマンスリー(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)を購入する顧客は「安全性」や「運転支援技術」を重視する傾向があるそうだが、グレカーレは最新世代の運転支援技術を組み込んであるとのことだった。