東武鉄道は、東武大師線における鉄道の自動運転(GoA3)の実現に向けた検証として、南栗橋車両管区訓練線にて、夜間における前方障害物検知システムの検証試験を2月1日に実施したと発表した。
鉄道は一般の交通と隔てられた専用敷地内の運行が前提であるものの、安全運行を行う上で総合的な安全性の確保が必要とされる。東武鉄道では、線路脇の防護柵の強化等に加え、車両に車上カメラ・検知センサ「LiDAR」を統合した前方障害物検知システムの搭載を検討している。
今回、三菱電機と共同で、視認が難しくなる夜間において前方障害物検知システムを使用した検証試験を実施したという。このシステムは、車両に搭載した車上カメラの画像データおよび検知センサによる3次元点群データの情報を統合し、前方の障害物を判定することが可能となっている。
その結果、車両の前照灯の光源のみで、昼間とほぼ同等の検知性能を確認できたとのこと。これまでの訓練線における検証(昼の検証試験、夜の検証試験、装置のユニット化)を踏まえ、2022年度にこのシステムを仮設搭載した営業運転車両で検証試験を実施するとしている。
今後も各種検証試験を進めるとともに、「鉄道における自動運転技術検討会(国土交通省鉄道局)」での議論を踏まえつつ、その他の課題解決に向けて検証を進めていくとのこと。