テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2022』(毎週土曜5:20~)では、ダウン症のファッションモデル・齊藤菜桜さんに密着した「菜桜18歳 “ダウン症のモデル” 未来へ…」を、2日に放送する。このたび、ナレーションを務めた藤田ニコルがコメントを寄せた。

  • 齊藤菜桜さん=テレビ朝日提供

静岡県富士市に住む18歳の菜桜さんは、生まれつき染色体の数が多い「ダウン症候群」。本格的なモデル活動は一昨年から開始した。昨年7月には東京ガールズコレクションがプロデュースする「TGC teen」に出演し、世界中で発行されている雑誌『VOGUE』日本版(コンデナスト・パブリケーションズ)では「SNS時代の新生クリエイター」と紹介された。インスタグラムのフォロワー数は3万8000人を超えている(3月14日現在)。

菜桜さんは2013年、9歳のときに、ダウン症協会が開いたファッションショーで初めてステージに立った。現在はウォーキングレッスンにも通い、重度の知的障がいがありながらも、モデルとして努力を重ねている。菜桜さんは心臓や目などの合併症があり、40回以上の手術を繰り返してきた。今も3カ月に一度、食道拡張手術を受けている。すぐに食道に食べ物が詰まってしまう菜桜さんは食が細く、皮肉にもモデルとしてのスリムな体型維持につながっているという。

菜桜さんのインスタには「なぜ障がいのある子を見なきゃならないのか」「ダウン症だから特別扱いされている」という心ない声も。しかし菜桜さんのマネージャーとして付き添う母の由美さんは「障がいがあってもなくても夢を持つのは自由」と娘の活動を応援する。

菜桜さんは、自身の誕生日でもある3月11日に特別支援学校高等部を卒業。4月からは障がい者が働くB型事業所に勤務しながら、モデル活動を続けていく。20歳を過ぎると身体能力が衰える傾向があるダウン症。それでも夢を追いかけ続ける菜桜さんの姿を、藤田のナレーションで伝える。

藤田は、菜桜さんのモデル活動を「前から知っていました。インスタも見ていました」といい、ナレーションの依頼を快諾。「障がいがある人もない人も関係なく、みんな入り混じってファッションを楽しむ……。そんな未来であってほしいと私も思います」と、自らの思いを映像に重ねた。

報道ドキュメンタリー番組での全編ナレーションという大役に初めて挑んだ藤田は、「自分の言葉やテンションで伝えなきゃいけない使命感はプレッシャーではあったんですけど、すごくいい経験になりました」と話し、「菜桜さんの気持ちと、お母さんの気持ちと両方味わった感じがしました」と明かした。そして菜桜さんへ「本気で『モデルになりたい』という気持ちが伝わってきてうれしかったです。いつか一緒にお仕事してみたいです」と共演を呼びかけた。