横浜市交通局は30日、市営地下鉄ブルーラインに導入する新型車両4000形のプレス撮影会を実施した。「海辺の先進的な都会感」をコンセプトに、凛とした佇まいとスピード感を感じさせるデザインとし、快適性・安全性の向上も図った。5月2日の運行開始を予定している。
横浜市営地下鉄ブルーライン(横浜市高速鉄道1・3号線)では、1992(平成4)年に製造された3000A形(3000形1次車)以来、3000N形(3000形2次車)、3000R形(3000形3次車)、3000S形(3000形4次車)、3000V形(3000形5次車)と、20年以上にわたって同一形式をマイナーチェンジしながら新造・導入してきた。新型車両4000形は、ブルーラインの現行車両で最も古い形式となっている3000A形の置換えを目的に、30年ぶりの新形式として導入される。
4000形のエクステリア(外観)は、従来のブルーラインの面影を残しつつ、全体的に平面や直線のエッジを際立たせた構成に。「様々な方向を向いた面が、見る角度とともに先頭形状の表情を変化させ、躍動感を感じさせるデザイン」になっているという。今回公開された編成では、車体前面・側面に「4000 DEBUT」の装飾も行われている。
インテリアは、床面をブルーラインのシンボルカラーであるブルー、壁面をグレーのカラーリングとし、出入口に注意喚起色であるイエローを配色。着座位置のわかりやすいバケットシートはそのままに、座席幅を従来の470mmから480mmに拡大し、座面の材質を見直すことで座り心地を向上させている。シート端部の袖仕切りも大型化。車両間の貫通扉はガラス製とし、衝突防止対策として横浜をイメージしたパターンを施した。
「ゆずりあいシート」部は床面を赤、壁面を白とし、識別しやすいカラーリングに。ドア開閉予告灯や車いす固定具といった既存のバリアフリー機能に加え、車いす・ベビーカーエリアに2段手すりと床面表示を新たに設けるなど、さらなるバリアフリー向上を図った。セキュリティ向上のため、車内防犯カメラは1両あたり3台設置。車内抗菌も実施し、より安心して利用できるようにしている。なお、4000形の定員は先頭車121人(座席39人、立席82人)、中間車131人(座席45人、立席86人)。電車性能として、加速度3.2km/h/s、減速度(常用)3.5km/h/s・(非常)4.5km/h/sとのこと。
新型車両4000形は5月2日に1編成を運行開始。これに先立ち、5月1日に「4000形試乗と市営交通施設見学ツアー」を実施する。4000形の運行時刻など、横浜市交通局のウェブサイトに後日掲載予定。2023年度までに全8編成を順次導入し、既存の3000A形を置き換える計画となっている。