MBSのドラマ『あせとせっけん』(毎週木曜24:59~※TELASAで全話配信中)の第8話が24日に放送され、シリアスな展開が話題を呼んでいる。

  • 左から大原優乃、佐藤寛太 (C)MBS

今作は累計440万部を突破する同名コミックを実写ドラマ化したもの。“においフェチ”の男子・名取香太郎を佐藤寛太、汗っかきであることがコンプレックスな女子・八重島麻子を大原優乃が演じている。大きな反響を呼んでいるのは、2人が体当たりで演じるラブシーン。佐藤が狂気さえ感じるにおいフェチぶりを清潔感と誠実さで包んだ絶妙なバランスで熱演し、大原は汗で沸き立つ蒸気の中、濡れたボディを惜しげもなく披露している。

そんなラブシーンを盛り上げているのが、一風変わった挑戦的な演出。ドラマオリジナルとなった第7話では、同僚からプレゼントされた真っ赤なランジェリーとガーターベルトを身に着けた麻子の周囲を、香太郎がキャンドルで取り囲み、行為に及ぼうとする。香太郎のこだわりに「今回は分からないです……全部」と首をかしげる麻子だが、「伝統的な儀式なんです」と押し切られる形に。深夜ドラマ枠の期待に応える官能的なビジュアルを確保しつつも、壮大なサントラに乗せ、コミカルに仕上げることで唯一無二のベッドシーンが毎週のように誕生している。

しかし最終回を前に放送された第8話では、ほのぼのしたストーリーを届けていたこれまでとは打って変わって、麻子のトラウマについてのエピソードがシリアスに描かれた。小学生の頃汗をかきやすい体質をからかわれ「汗子ちゃん」と呼ばれていた麻子。地元で偶然張本人と再会し、「汗子ちゃん、汗っかきなところも相変わらずでしょ、夏なんて大変そう。地獄だよね。頑張ってね」と心ない言葉を矢継ぎ早に投げかけられてしまう。

一部始終を見ていた中学時代の友人・みつき(長井短)は麻子に優しい言葉をかけ、2人は友情を再確認。それでも麻子はすっかり自分に自信をなくしてしまい、落ち込んだまま東京へ帰る。香太郎は異変に気づくが、麻子はなかなか打ち明けようとしない、という展開だ。

SNSでは「心に刺さる話だった」「子どもの頃の経験はずっと尾を引く」「麻子、負けないで幸せになって」「泣いてしまった」「傷つけてきた相手の方は何も気にせず生きていて、傷つけられた方はずっとそれに縛られて生きづらいのが、悔しくてたまらない」と、麻子に感情移入し、心配する声が多数投稿された。

今回は2人のベッドシーンはなく、セクシーな見せ場は風邪を引いた麻子の体を香太郎が優しく拭いてあげる場面のみ。しかし人間ドラマを描いたパートにもしっかりと反応する視聴者が育っているのは、大原と佐藤が繊細な演技で、視聴者に心の内が分かるようなピュアで愛されるキャラクターを真摯に作り込んで来たからではないだろうか。

最終回となる第9話では、香太郎が麻子に一歩踏み込む決断をする。幸せだけじゃなく「悲しさ」「苦しさ」も分け合う2人はついに新たなステップへ。予告映像では2人のウェディングドレスとタキシード姿、そして状況がつかめない下着姿のシーンが。幸せなラストシーンはもちろん、最後を飾るにふさわしいエキセントリックなベッドシーンを望む視聴者の期待が高まっている。