長崎電気軌道は単車型低床式電車6000形(6001号)を導入し、3月24日から運行開始した。バリアフリーのさらなる促進をめざした新型車両で、車輪部分も含め、座席がロングシート配置の単車型全低床電車としての運用は世界初だという。

  • 長崎電気軌道の新型車両6000形(6001号)。3月24日に運行開始した

新型車両6000形の製造所はアルナ車両。外観は直線基調のシャープなデザインとしつつ、先頭部を傾斜させることで躍動感を与えている。長崎電気軌道の伝統色である緑色を継承していく思いとともに、若葉をイメージしたスプリンググリーンを採用し、街に映えるカラーリングとした。車内は壁面のライトグレーを基調に、腰掛のブルーと相まって明るく爽快な空間に。出入口をノンステップとすることで、車いす・ベビーカー利用者がスムーズに乗降りできるようにした。車いすスペースは出入口付近に2カ所設置されている。

ドア間のロングシートはステップを設けた段差のある構造だが、通路の床面が緩やかに傾斜しており、段差に対する負担を軽減させるための工夫も感じられる。車内のステップについては賛否両論あるとのことだが、SNSでは「かえって足の収まりが良い」などの意見も見られた。長崎電気軌道はTwitter公式アカウントにて、「実車に乗った際のご感想をお待ちしてます。ステップに限らず何でも結構です。2次車を入れる際の改善にご協力お願いします」とコメントしている。

  • この日は午後の時間帯に3号系統(赤迫~蛍茶屋間)で運用されていた

新型車両6000形は、走行時にCO2を排出せず、制動時に電力をつくる回生・発電ブレンディングブレーキをはじめ、軽量化やLED室内灯の採用など省エネを図った「人に、地球にやさしい電車」とのこと。3月24日に運行開始した6001号は、デビュー記念のヘッドマークを掲げて運行している。