ヤマハ発動機は3月24日、カーボンニュートラルの実現に「楽しさ」でアプローチする電動トライアルバイク「TY-E 2.0」を開発について発表した。2022年FIM(国際モーターサイクリズム連盟)トライアル世界選手権に、「TY-E 2.0」でのスポット参戦を計画している。

  • 電動トライアルバイク「TY-E 2.0」

同社は2021年に、2018年に策定した「環境計画2050」を見直し、2050年までに事業活動を含む製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指す目標を新たに設定した。電動トライアルバイク「TY-E 2.0」(以下、同モデル)は、ヤマハ発動機らしいカーボンニュートラルの実現に向けたアプローチの一つとして取り組むプロジェクト。開発コンセプトを「FUN×EV」とし、EVならではの力強い低速トルクや加速性能などの魅力を活かして"内燃機関を上回る楽しさ"を目指している。

  • 新開発の軽量バッテリー

同モデルは、2018年発表の初代「TY-E」をベースに開発。コンポジット(積層材)モノコックフレームを採用して、パワーユニットやバッテリーのレイアウトを見直したことで、大幅な低重心化を実現した。新開発の軽量バッテリーの搭載で、前モデル比約2.5倍の容量を達成。クラッチやフライホイールなどのメカニズムと、微妙なグリップの変化を読み取る電動モーター制御を組み合わせて、トラクション性能を向上させた。

6月以降は、FIMトライアル世界選手権への参戦を計画。開発ライダーも務める黒山健一選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)の出場を予定している。3月25~27日開催の「第49回東京モーターサイクルショー」にも展示予定とのこと。