広い範囲での値上げが続いています。ここ数年で何度も値上げがされて、直近でも1月に製パン、製粉会社が値上げを発表しました。そして農林水産省は3月9日、4月から国から製粉会社などに売り渡す小麦の価格を前半期(10月期)に比べて平均17.3%引き上げると発表しました。また今回の売り渡し価格の改定で、同省はどれくらい商品に影響が出るのかも試算しました。

  • 小麦粉製品の値上げ見込み額

    小麦粉製品の値上げ見込み額

このことからもわかるように、年内再値上げの可能性が濃厚となっています。今後の状況によっては、さらなる値上げの可能性もあります。小麦製品は生活に根付いているため、値上げが繰り返されることで、家計への影響も強くなるでしょう。

小麦だけではなく、ガソリンはもちろんのこと油脂、大豆製品、魚介類やすり身、冷凍食品といった食品だけではなく、ティッシュやトイレットペーパー、おむつ、洗剤といった日用品、家電製品など多岐にわたります。値上がり時の食品、日用品費のやりくり方法を紹介します。

  • 続く値上げ、できることは?

予算を見直す

家計の優先順位を見直して、生活に欠かせない予算へと振り分けていきましょう。

例えば、スマートフォンなどの契約を見直して、格安プランや格安SIMに乗り換えて通信費を安くしたり、不要なサブスクを解約して浮いた分を生活費に回すことで、値上げ分を補うことができるでしょう。

メモを取る習慣をつける

限られた予算の中でやりくりをするには、必要なもので優先順位が高いものから買うことです。そのためにも、日ごろから買うものはメモに残すようにしましょう。その理由は、買い忘れや買うタイミングを合わせることができるからです。

買い忘れがあると、それを買うついでに別の買い物をして出費が増えてしまいがち。そしてメモを取ることで、楽天市場のお買い物マラソンのように買い回りでポイントをより多く獲得できたり、ウエル活や、5の付く日の割引デーなどタイミングに合わせてお得に買うことができたりするでしょう。

メモは気付いたときにすぐに書きます。スマホのメモ機能や、キッチンなど所定の場所にメモをおくなどの工夫をすることで、書き忘れを防ぐことができます。

買い物をする際はメモにあるものから買い、それでも予算が残ったら、お菓子やジュースなどのし好品を買うようにしましょう。この順番を間違ってしまうと、予算内に収めることが難しくなります。

PB商品を活用する

値上げを発表しているのは、商品を製造するメーカーのブランド、ナショナルブランド(NB)がメインです。一方、小売業者などが開発をしたプライベートブランド(PB)は一時的ではありますが、各社できるだけ値段を上げない方向で調整をしています。プライベートブランドとは言え、製造元を見ればNBであることが多いのも事実です。製造元は商品に記載されている場合もあれば、公式HPで調べることができるものもあります。

こだわりがあるものはそのままで、こだわりがないものはPB商品にするなど切り替えるとよいでしょう。

業務用やケース買いを取り入れる

定番商品は、業務用や箱買いを取り入れるのも一案です。使い慣れた商品なら失敗も少ないでしょう。毎年7月ごろに開催されているAmazonプライムデーは、見逃せません。個人的に洗剤や柔軟剤はこのタイミングで1年分箱買いをしています。

業務用やケースは量が多いので、保管する場所や、詰め替え時にこぼしてしまうなどのリスクもあるので気をつけましょう。

また商品によっては、PB商品や通常商品のセール時に買った方が安い場合もあります。どっちが安いのか、個数単位、グラム単位などで比較したいときは、スマホアプリの「どっちがお得」などの比較アプリを使うと計算が簡単です。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税の人気の返礼品は米、肉、フルーツです。中には、トイレットペーパーやティッシュペーパーといったより実用的な返礼品を選ぶ人も増えてきました。その理由としては、日用品代が浮くことはもちろんですが、かさばる紙製品をまとめて送ってもらえるため普段の買い物がラクになるからだそう。もちろん今まで通り好きな返礼品を選んでもよいですが、このような使い方も家計の助けになりますね。

メリハリをつける

現在の値上がりは、一部商品というよりも全体的な値上がりです。予算内に収めるには優先順位を考えながら買う必要があります。今まで予算内で買えていたお菓子やジュース、お酒といったし好品が減ったり、レジャー費や交際費などが後回しになったりすることで、生活の中の「遊び」や「うるおい」が減ってしまい、やる気も減ってしまいます。

ダラダラと出費をするのはムダにつながりますが、月に1度は外食をしたり、年に一回は家族で宿泊を伴う旅行へ行くなど、メリハリをつけて「遊び」や「うるおい」の部分もしっかりと取り入れてやる気を継続させましょう。