10年、20年と安定して資産を育てるには、長期的に増えそうなものにコツコツと投資することが大切です。その代表例が「長期・積立・分散」の資産運用です。

  • 転職や副業によって収入が増減。資産運用にどう取り組むべき?

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将来に向けた資産運用では「長期で増えるもの」に投資する

「長期・積立・分散」の資産運用は、

  • 世界中の株や債券など、幅広く「分散」する
  • 10年以上、できれば20年、30年の「長期」で考える
  • 毎月コツコツと「積立」を行う

という手法です。

収入が変化したり、投資にまわせる金額が増減しても、「長期・積立・分散」の資産運用を行う、という大原則は変わりません。

3つのポイント
・将来に向けた資産運用では「長期で増えるもの」に投資する
・収入が増えたなら、今の支出を増やすよりも、積立額を増やすことを考える
・収入が減ったなら、生活費は投資にまわさず、積立額を減らすことも考える

「すぐに使わないお金」を将来の資産運用にまわす

では、資産運用にどれくらいのお金をまわせばよいでしょうか。

ここでは、自分のお金を3つに分けて考えます。「近いうちに使うお金」「予想外に備えるお金(生活防衛資金)」「将来のためのお金(余裕資金)」の3つです。この3つのうち、資産運用にまわしてよいのは「将来のためのお金(余裕資金)」だけです。

「近いうちに使うお金」は、生活費に加え、住宅の頭金や入学金など近々使うことが決まっているお金です。「予想外に備えるお金(生活防衛資金)」は病気や失業などに備えるお金で、生活費の数カ月分から2年分程度と言われています。これらは、資産運用にまわさないのが賢明です。

資産運用にまわしてよいのは、「将来のためのお金(余裕資金)」です。目的をはっきり定めずに置いている定期預金や普通預金の一部が該当するでしょう。

次に、余裕資金のうち、どのくらい投資するかを考えます。働く世代の方であれば、預金や収入の一部から、毎月コツコツと積み立てる方法がおススメです。相場は上がったり下がったりするので、投資のタイミングを分けることで、高値で買ってしまうリスクを減らせます。

毎月の積立額に決まりはありませんが、相場が大きく動いてもなるべく動揺せず資産運用を続けられそうな金額から始めると、心理的な負担を減らせます。相場の動きになれてきたら、積立額を少しずつ増やしてもよいでしょう。

収入増なら支出より積立額を増やす、収入減なら無理をしない

昇進や転職などで収入が増えたという方は、毎月の積立額を増やすのも一案です。

手取りが増えると、欲しかったものを買いすぎたり、食事やレジャーにこれまで以上にお金をかけたりと、つい支出を増やしてしまいがちです。生活水準を上げるのは簡単ですが、一度上げてしまうとなかなか下げられないものです。

足下の生活費などに使ってしまうのではなく、資産運用の積立額を少しでも増やしておけば、10年後、20年後に資産がより大きく育っていく可能性が高まります。また、「自分」という資産への投資、つまりスキルアップのための自己投資にまわすのもよいかもしれません。

一方、コロナ禍で収入が減っているという方もいらっしゃいます。

収入が減った場合、生活費や緊急時に備えるお金を投資にまわすことは、お勧めできません。「長期・積立・分散」の資産運用はあくまで将来に向けた備えであり、足下の生活費を切り崩してまで行うものではないからです。

もし無理をして積立投資を続けているという方がいれば、一時的に積立額を減らすか、余裕が出るまで積立を止めることも検討していただきたいです。収入が増えたときに、積立額を元に戻していただければよいと思います。

「長期・積立・分散」の資産運用は10年、20年と長い目で続けていくことが大切です。毎月の積立額は、将来のことを考え、ご自身にとって適切な金額を設定することをおすすめします。