米Amazonは3月17日(現地時間)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』などの制作・配給で知られる映画会社「MGM(Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.)」の買収を完了したと発表した。買収額は84億5,000ドル(約1兆円)。
MGMは、『007シリーズ』『トムとジェリー』などで知られる1924年創業の映画会社。買収によって、Amazon Prime VideoやAmazon Studiosに統合されることになる。Amazonは発表に寄せて、「1世紀近い歴史を持ち、4,000以上の映画タイトル、17,000以上のTVエピソード、180のアカデミー賞、100のエミー賞を受賞している由緒あるスタジオは、お客様に多様なエンターテインメントの選択肢を提供するPrime VideoとAmazon Studiosの業務を補完することになるでしょう」と述べている。
なお、米AmazonによるMGMの買収は2021年5月に発表されており、今回EUの規制当局による認可を受けて完了した形。EUの規制当局は「両社の事業の重複は限定的で、この取引が競争上の懸念を生じることはない」と判断している。なお、海外ニュースサイト「The Verge」によると米FTC(Federal Trade Commission、連邦取引委員会)はまだ決定を保留しており、「委員会は取引を承認することはなく、取引内容が法律に違反すると判断した場合は、いつでも異議を申し立てることができることを改めて表明する」とThe Vergeにコメントしている。