NTTドコモは、3月18日から4月5日までの期間限定で、三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY(船橋市)に、スマートトイを中心に取り扱うポップアップストア「NEW POINT×THE-ST」を展開します。関係者は「親子にうれしい、おもちゃ選びの新体験をお届けできたら」とアピールしています。
どんなストア? その狙いは?
今回のポップアップストアは、消費者にまだ知られていないニッチなブランドを世に紹介していく三井不動産のブランド支援プロジェクト「NEW POINT」と、生活者により深い商品体験を提供して購買行動につなげていくドコモのDXソリューション「THE-ST」(ザスト)のコラボで生まれたもの。ショッピングモールの一角にもうけられた特設ブースには、全7種類のスマートトイが用意されていました。
対象は5歳以上の子どもとその保護者で、入場は無料。完全予約制となっており、予約者はメールで届くQRコードを店内の端末で読み取ることで約30分間、気になる商品で遊ぶことができる仕組みです。
メディア向け内覧会では、ザストのプロジェクトリーダーを務めるドコモの石川雅意氏が概要を説明しました。
小売のサービス化、Raas(ラース:Retail as a Service)の開発を進めているドコモとしても、初めての試みとなった今回のポップアップストア。そのイチバンの特徴は、天井に設置された約50台のカメラと各テーブルに設置された小型カメラを使って、スマートトイで遊ぶ子どもの情報を取得し、データ化することにありました。
石川氏は「どんな世代の親子が、どういう商品を予約して、どの時間帯に来場して、どのくらいの時間遊んだか。またお子さんは、どんな遊び方をして、どんな部分に魅力を感じたのか、楽しめたのか楽しめなかったのか。これらの情報を映像からAIが解析し、得られたデータを出店ブランドにフィードバックすることを考えています」と説明します。
「従来、おもちゃメーカーは消費者から寄せられるアンケートで反応を知るしかありませんでした。でも、ひょっとしたら遊び方を間違えていたために、お子さんの反応が良くなかったのかもしれない。今回のソリューションなら、メーカーはお子さんの遊び方まで知ることができます。フィードバックを次の商品開発に活かしてもらえたら」と石川氏。ただ、ここで計測したデータがどのくらいメーカーの役に立つのかは未知数のため、「そこも含めての検証になります」と説明します。
一方で消費者の立場で考えると、商品を実際に体験してから購入を検討できる利点があります。
会場で遊ぶことのできるスマートトイは、バンダイの「ドラえもん ラーニングパソコン」(18,150円)、ソースネクストの「Osmo ジーニアススターターキット」(12,980円)、Qbiの「Qbi Explorer Kids」(22,000円)、セガトイズの「鬼滅の刃POD(ポッド)」(10,780円)、タカラトミーの「ドキドキちょうしんき!リカちゃん病院」(6,578円)、コクヨの「しゅくだいやる気ペン」(6,980円)、ほぼ日の「ほぼ日のアースボール」(3,960円)の全7種類です。
石川氏は「スマートトイはやや高めの価格設定のため、親御さんはお子さんが遊んでいるところを見てから購入の判断をしたいでしょう。また、今回は知育をテーマにしたスマートトイを集めたので、お子さんがどんなことに興味を持っているか発見できるメリットもあります」と説明。ブースでは、子どもと親が一緒になって遊ぶことができるほか、親はリラックススペースから子どもの姿を眺めることも可能です。
ちなみに対象年齢は5~10歳を見込んでいますが、もっと小さな子どもでも来場が可能。年齢に制限はかけておらず、石川氏は「知育に興味のある親御さんと一緒に来てらもえたら。親御さんだけで来場して、ご希望のスマートトイで遊んでみることも可能です」と説明します。
実証実験の意味合いの強い、今回の取り組み。ドコモでは得られた結果を検証して、2023年度以降に具体的なビジネスとして立ち上げていきたい考えです。
数値目標としては、1商品あたり消費者からのフィードバックを少なくとも100件以上、取得していきたいと説明。石川氏は「開催期間中、利用者の消費行動がどれだけ変化したか、検証していきます」と話していました。