ポッカサッポロフード&ビバレッジは、2015年より発売している「加賀棒ほうじ茶」を一新。3月14日よりリニューアル発売した。

これに伴い、3月8日には今回のリニューアルで監修を務めた“にほんもの”プロジェクトのプロデューサー・中田英寿さんらが登壇する発表会が開催。“にほんもの”スイーツマイスターの前園真聖さんらと、リニューアルのポイントや開発秘話などを紹介した。

  • 中田英寿監修の「加賀棒ほうじ茶」が発売

本格的な加賀棒ほうじ茶が手軽にペットボトルで

日本各地の素材・製法・伝統・文化を誰もが手軽に楽しめる飲料として広め、地域を応援する「TOCHIとCRAFT」ブランドを展開しているポッカサッポロフード&ビバレッジ。

そんな国産素材とその美味しさをより引き出すための製造工程にこだわる同ブランドから2015年に発売された加賀棒ほうじ茶について、同社の食品飲料事業本部長・三枝裕昭氏は、「加賀棒ほうじ茶はお茶の葉ではなく、茎を焙煎した石川県金沢市発祥のほうじ茶です。金沢のお茶屋さんが捨てていた茎の部分を活用したことで明治35年頃に誕生しました」と説明。

昭和58年には昭和天皇へ加賀棒ほうじ茶が献上され、非常に香りや味わいが認められた歴史背景などもあり、同社では2015年に加賀棒ほうじ茶のペットボトル商品を発売したという。

今回のリニューアルでは、全国各地で見つけた日本文化の素晴らしさを伝える“にほんもの”プロジェクトを率いる中田英寿さんが監修。石川県で大正7年より代々お茶の魅力を伝えてきた老舗・油谷製茶の油谷祐仙氏が水出しによる加賀棒ほうじ茶を開発した。

「ここ数年お茶の産地、お茶の製造をされている方たちをたくさん見てきましたが、棒茶・ほうじ茶は初めてだったので、その火入れの工程などのこだわりには非常に驚くところがありました」と、2年前に初めて油谷氏の工場を訪れた際の印象を述べた中田さん。

急須で入れた本格的な香り・味を手軽に楽しめるペットボトル商品として、リニューアル商品の完成度の高さに太鼓判を押した。

「これまでほうじ茶は熱いお湯で入れるのが前提でしたが、コンビニなどで冷たい飲料が多く並ぶ時代や食文化に合わせ、今回は水出しのほうじ茶を作りたいと、少し無茶な願いを油谷さんにしました。お茶は成分を抽出する飲料なので、なかなか水出しだとその成分がお湯出しよりも出てこないんです。そこをどう引き出すのか。茎の選定から火の入れ方まで、さまざまなご苦労があったと思いますが、素晴らしいものができたと思います」

現代の食生活などを踏まえ、香り高い確かな美味しさと味わいの軽さの両立にはとくにこだわったポイントだという。

「お茶の美味しさを追求すると少し重みが残ってしまう。現代の生活に合わせていくとやはり軽さというものが求められていると考え、こだわった結果がちゃんと出ているなと。お茶の美味しさを追い求めながらも軽さを出すというのは反比例するところもあり、非常に難しいので、実際に作り込んでいく過程でポッカさんでも非常にご苦労されたと思います」

スイーツ好き前園真聖氏のおすすめペアリング

本発表会には“にほんものストア”でスイーツマスターを務める前園真聖さんも登場した。前園さんはとくにサッカー引退後、仕事で全国各地を巡る傍らスイーツを追い求めるほどのスイーツ好き。それが高じて中田さんの活動に参加するようになったそうだ。

  • 中田英寿監修の「加賀棒ほうじ茶」が発売

中田さんは「僕も甘いものが好きで、会うたびによく情報交換していて。ゾノに紹介されたところを1人で食べに行ったりもしていたんです。そんなに全国いろんなところ知っているなら、ぜひとも入ってほしいなと思ってお願いしました」と、前園さんをスイーツマイスターに任命した経緯を紹介。

MCから「スイーツマイスターとしてご期待通りのご活躍をされているんですね」と振られると、「いや、まだちょっと足りない部分はありますね(笑)。もっとたくさん提案してくれると。普段の会話では色々言ってくれるんですけどね」と吐露し、前園さんを苦笑させる場面もあった。

前園さんは「もっと積極的に提案しないといけないんですけど、何しろヒデはこだわりが強いんで。やっぱりしっかり厳選しないと……というプレッシャーがありますね(笑)」と弁明したが、リニューアルした加賀棒ほうじ茶の感想を次のように述べていた。

「すごく飲みやすかったです。香ばしさもありつつ、すっきりしているので、食事に合わせても非常に飲みやすそうな印象でした。スイーツと合わせるなら、例えばあんこもののどら焼きとか。あと、僕はプリン好きなんですけどプリンもちょっと濃いめのカラメルがビターな感じに合いそうだなと思いました。僕は地元が鹿児島なんですが、にほんものストアでも取り扱っている鹿児島の黒糖を使ったナッツともすごく合いましたね」

質疑応答では「もちろん1日を通して美味しいお茶なんですが、僕はとくに食中というところを1番に推していきたいなと。朝昼晩、手軽に飲んでもらうことで食事がより美味しくなると思います」と語った中田さん。

「物作りにはゴールがない。きちんと今の時代を見ながら美味しいものを定義していかなきゃいけないと思うし、歴史が長いものほど明暗が分かれるところもあるのかなと。今回はこれまでの考え方とは少し違うかたちでリニューアルをお願いしたんですが、その点は非常にうまくいったと思います」ともコメントしていた。