米AMDは3月15日、既に予告されていたRyzen 7 5800X3Dを含む7製品を新たに投入する事を発表した。まずは3D V-Cacheを搭載するRyzen 7 5800X3Dであるが、価格が$499で、4月20日に出荷開始となることがアナウンスされた(Photo01)。

次がRyzen 5000シリーズ3製品。Ryzen 5500/5600/5700Xの3製品で、価格は$159~$299とかなりお手頃になっている。特にRyzen 7 5700Xは300ドルを切る価格で、しかも倍率アンロック、しかもTDPが65Wとかなり使いやすい構成になっているので、結構狙い目になるかもしれない。

  • Photo02: 今までこれらのSKUが提供されなかった(Ryzen 3000シリーズでカバーされていた)のは、Ryzen 5000シリーズは高価格帯向けという位置づけだったことも関係しているのだろうが、Alder Lakeベースの第12世代Coreの投入でそうも言っていられなくなったのだろう。

更に、より低価格帯向けに新たにRyzen 4100/4500/4600Gが追加された(Photo03)。こちらはZen 2コアベースのプロセッサで、その意味ではあまり新しくは無いのだが、

動作周波数 価格
Ryzen 3 3100 3.6/3.9GHz $99
Ryzen 3 4100 3.8/4.0GHz $99
Ryzen 5 3500 3.6/4.1GHz N/A(日本では\14,680)
Ryzen 5 4500 3.6/4.1GHz $129
  • Photo03: どうせなら全部Renoirベースにしてくれれば、と思わなくもないのだが。

ということで、多少お買い得感を高めた形になっている。なんというか、そろそろZen 2ベース製品の在庫処分? という感じではある。Ryzen 5 4600Gは、やっとOEM向けで無いRenoirが用意された格好だ。Base 3.7GHz/Boost 4.2GHzというスペックはRyzen 5 Pro 4650Gと全く同じで、要するにAMD Proが無効化された以外の違いはない。正直現時点ではCezanneベースのRyzen 5 5600GとかRyzen 5 5700Gに比べるとスペックでは見劣りはするが、その分$154というお手軽価格で入手できるようになった(あと標準でクーラーが付属する)点がメリットだろうか。

またこれに併せて、従来の300シリーズチップセットでも最新のRyzen 3000/4000/5000シリーズCPUを使えるようになったことが発表された(Photo04)。具体的には、AGESA 1.2.0.7で、X370とかB350、A320といったマザーボードでもRyzen 5000シリーズやRyzen 4000シリーズのCPUを利用できるようになったという話だ。既にAGESA 1.2.0.7はマザーボードベンダーに提供されているそうで、後はマザーボードベンダー側の対応を待つだけとなっているそうだ。

  • Photo04: なんでA320だけRyzen 3000シリーズのサポートが無いのかは謎。

今回の発表はRyzen 7 5800X3Dを除くとあまり目新しい話は無いのだが、Zen 4ベースRyzenが登場するまでの中継ぎとして、出来る手は全部打ちますという感じであろうか。とりあえず安価なソリューションが増える事そのものは、悪い事ではないだろう。

なお、Ryzen 7 5800X3D以外の6製品の発売日は4月4日とされている。