米Microsoftは3月14日(現地時間)、DirectX Developer Blogを更新し、その中で高速ストレージ技術「DirectStorage」の提供開始を発表した。同日SDKが公開されており、今後各種ゲームで利用できるようになっていくとしている。

DirectStorageは、データをストレージから直接GPUのVRAMに読み出すことで、CPUやメモリ帯域によるオーバーヘッドを回避して極めて高速なデータアクセスを可能にする機能。特にゲームデータをNVMe SSDにインストールすることで大きなI/Oパフォーマンス向上を見込めるとしており、Windows 11ではさらなる最適化によってその他のストレージでも性能向上を実現。Windows 10(1909以降)にも互換性を備えている。

昨今のゲームでは体感での読み込み速度を短くするため、小さいデータを必要なタイミングで逐次ロードしていく手法が取られていることがある。このため読み込み1回あたりのデータ量が小さくなる一方、ストレージへのI/Oリクエストが莫大な数へと増加。既存のストレージAPIでは大量に発生するI/OリクエストをCPUが1つずつ処理し、パフォーマンスの低下を引き起こしていた。

しかし、DirectStorageを用いることで多数のI/Oリクエストを並行して処理できるようになる。さらにGPUでデータの読み込みや解凍を行うことで、DRAMより圧倒的に高速なVRAMを活用可能。CPUの負荷をGPUやVRAMにオフロードし、パフォーマンス向上を図れるとしている。なお、DirectStorage機能を用いるにはゲーム側での対応が必要だ。

  • 画像はDirectStorageを用いた「NVIDIA RTX IO」についての発表資料。ストレージからGPUを経由してVRAMにデータがロードされており、CPU負荷を極めて小さくできるとのこと

Microsoftは開発者向けにSDKを公開しているほか、「Windows 11: The Best Windows Ever for Gaming(Windows 11はこれまでのWindowsで一番ゲームに向いている)」と題したページでゲーマー向けにさまざまな機能を解説している。