インディーズで活躍するアイドル(地下アイドル)業界を調査・分析し、発信するマーケティング機関「インディーズアイドル研究所」はこのほど、アイドルヲタクが「インディーズアイドルライブで魅力を感じる瞬間」について調査を行い、結果を公表した。
同調査は2021年10月3日〜10月14日、アイドルヲタク366名を対象に、WEB調査(Twitter調査)にて実施した。
インディーズアイドルのライブで「生のパフォーマンスを見る良さ・喜び」を調査したところ、「その日限りのパフォーマンスが楽しめる」と回答した人が約26%で最多に。次いで「生歌が聴ける」で約25%、「ライブハウスならではの音響/照明/雰囲気」で約23%という結果となった。
ヲタクたち主体の目的である「コール&レスポンス」や「ヲタ芸が打てる」は、上位の理由には入らなかった。これはコロナ禍の影響を受けていることも多分にあるものの、アイドルたちにとっては“生ライブだからこそ楽しむことができるダンス・歌・トークを磨くこと"が重要であると言える。
「ステージ上のパフォ―マンスで注目していること」については、第1位は「表情(笑顔がいい/表情豊かである等)」で約23%。第2位は「歌」(約21%)、第3位は「ダンス」(約17%)という結果となった。
一方、「ルックス(顔/スタイル)」は約11%と低い結果にとどまった。ステージ上では「容姿」ということではなく、表情や歌、ダンスなど“パフォーマンス自体が魅力的に感じる"ポイントに注目しているヲタクが多いことがうかがえる。
「ダンスで惹かれるポイント」では、第1位は「一生懸命な感じ/情熱」で約28%が回答。「テクニック/キレ」など“ダンスの上手さ"をポイントとして挙げている人は約19%で第3位となった。この結果からは上手さではなく、「以前より成長がみられる」「表現力」など、本人たちの想いや一生懸命さ、努力の度合いがわかる部分にヲタクたちが惹かれていることがわかる。
また、「ダンスはそんなに注目していない」人は約2%と非常に低い結果となっており、「アイドルパフォーマンスにおけるダンス」は約98%が注目しているポイントだということが判明した。
続いて、インディーズアイドルのライブでの「歌で惹かれるポイント」について調査したところ、第1位は「表現力」で約22%が回答した。注目すべきは第2位の「一生懸命な感じ/情熱」(約19%)。「テクニック」が約9%という低い注目度合いからもわかるように、先の「ダンス」アンケートと同じく、“歌の上手さ"ではない点にヲタクたちが魅力を感じていることがわかる。
また、「歌はそんなに注目していない」と回答した人が0.7%と低い数値となっていることや、「生歌であるかどうか」というポイントが約16%で第4位に挙がっていることを見ると、「歌」は99%のヲタクが注視しており、また「生歌であること」はライブパフォーマンスにおいて重要視されていることがうかがえる。
同研究所では、インディーズアイドルたちはダンス同様、「歌」についてもしっかりと練習を重ね、生歌で届けられるようパフォーマンスを磨いていく必要がありそうだ、としている。
「MC・トークで惹かれるポイント」では、第1位は「キャラ/人間性」で約28%が回答した。また、「その会場でしか聞けない話(話の内容)」(約26%)が第2位に。最初の設問で第1位に挙がった「その日限りのパフォーマンス」からもわかるように、MCの内容もその日しか楽しめない内容を期待しているヲタクが多いことがわかる。
興味深い結果は、第3位に挙がった「グループとしてのMC・トークの面白さ」(約25%)。「キャラ/人間性」が1位となる一方で、「個人のトーク力」は約14%と低い結果になったことから、“グループでキャラ分けし、MCでは役割分担をしてグループとしてのトークカラーを出していく"ことが重要であると言える。
「アイドルグループ」である以上、一人だけが面白い、一人だけがしゃべり倒すということは魅力を感じるポイントとなっていない。同研究所では、インディーズアイドルたちはMCについても、事前にしっかりとグループ内で対話をし、考えてからライブに臨む必要がありそうだ、と分析している。