米Googleは3月10日(現地時間)、Androidの「メッセージ」アプリの新機能を公開した。Appleの「iMessage」から送られきたリアクションを絵文字変換して表現する機能、SMSユーザーと高画質な写真やビデオを共有するソリューションを含む。
iMessageのリアクションを絵文字に変換する機能は、2月からベータテストされていた機能の1つ。Appleの「メッセージ」アプリは、Appleデバイスのユーザー間ではiMessageによる会話になり、タップバック(Tapback)によるリアクション機能などリッチなコミュニケーションが可能だが、AndroidなどiMessageを使えないユーザーとはSMS(ショートメッセージ)でのメッセージのやり取りになる。例えば、AndroidユーザーからのメッセージにiPhoneユーザーがサムアップの絵文字でリアクションした場合、そのリアクションはAndroidの「メッセージ」では「…に"いいね"と応答」というようにテキストで表示される。分かりづらく、テキスト化によってリアクション本来の表現の意味が失われて誤解を招く例も多数報告されていた。AndroidとiPhoneの間の会話の大きな問題の1つになっているという。
欧米の携帯キャリアを中心に、SMSをよりリッチなRCS(リッチコミュニケーションサービス)に進化させる動きが進んでおり、Androidの「メッセージ」はRCSをサポートしている。AppleがRCSに対応すれば、Androidユーザーとの間でリアクションや、高品質な写真やビデオの共有といったことが可能になるが、AppleはRCSのサポートに積極的ではない。そこでAndroidの「メッセージ」に、iMessageからのリアクションを絵文字に置き換える機能を用意した。iPhoneユーザーから送られてきたサムアップのリアクションが、Androidではサムアップの絵文字で表示される。
Androidの「メッセージ」からiPhoneのようなRCS非対応の携帯電話に写真を送ると低解像度のぼやけた表示になる。そこでGoogleフォトのリンクを会話に組み込んで、会話の相手が高解像度の写真やビデオにアクセスできるようにした。
リアクションの絵文字変換は英語ユーザーから提供を開始し、他の言語にも拡大していく計画。画像やビデオのGoogleフォトのリンク組み込みは間もなく提供を開始する。GoogleはiPhoneとAndroidの間でスムースな会話を可能にする新機能を提供する一方で、同社はAppleにSMSよりも機能的で安全なRCSをサポートするように呼びかけている。
これらのほか、以下のような会話を向上させるアップデートを提供する。
- 個人用とビジネス用のタブにメッセージを自動分類(インドから米国に提供を拡大)
- 一時的なパスワードを24時間後に自動削除するオプション
- 見落としたメッセージやフォローアップが必要なメッセージをリマインド(英語から提供)
- 友達の誕生日のリマインド