ラーニングエージェンシーは3月8日、「組織・チームのあり方の変化に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2021年10月11日~12月13日、ビジネスパーソン5,099人を対象に、インターネットにて実施した。
はじめに、10年前と現在を比較したときに、情報通信業の管理職や一般社員に求められることは変わったか尋ねた。41.8%が「管理職に求められることが変わった」、44.0%が「一般社員に求められることが変わった」と答えている。
10年前に情報通信業で求められていた管理職像について聞くと、74.3%が「トップダウンで物事を進める」、61.9%が「部下に自分の模倣を求める」、60.9%が「前例を踏襲する」と答えた。
一方、現在求められている管理職像では、81.9%が「コンプライアンスやモラルを重視する」、74.5%が「時間内で効率的に終わらせる」、70.5%が「対話を重んじる」と答えた。
特に大きく変化した項目は、「トップダウンで物事を進める(-56.7pt)」「部下に自分の模倣を求める(-55.5pt)」「前例を踏襲する(-45.5pt)」「コンプライアンスやモラルを重視する(+69.7pt)」「時間内で効率的に終わらせる(+59.6pt)」「対話を重んじる(+56.2pt)」「部下に自分とは異なる強みの発揮を求める(+53.4pt)」だった。
情報通信業の管理職像が変化した理由については、「働き方(雇用形態や勤務時間・場所など)が多様化した」(66.8%)が最も多く、次いで「市場環境が変化・複雑化した」(50.4%)と続いた。
顧客の要望に合わせて、常駐先でシステムを納期内に開発することを最優先する働き方から、働き方の柔軟性や社員の満足度を高める方針に重心が移ってきていることがわかったという。
管理職に対して特に重視されるようになってきたスキルや知識で、最も多かったのは「IT・デジタルに関するリテラシー」(54.4%)だった。「マネジメント」(51.7%)は、情報システム業として必須の「プロジェクトマネジメント」(38.7%)よりも多いそう。「コーチング」(42.3%)、「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)」(40.8%)も比較的多く選ばれており、コミュニケーション力の向上も求められていることが明らかに。
10年前に一般社員に期待されていたことのTOP3は、「定型的な業務を確実に遂行する」(81.3%)、「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」(59.6%)、「個人として成果を上げる」(52.6%)だった。現在のTOP3は「チームで協力して成果を上げる」(76.3%)、「非定型的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する」(70.4%)、「自ら現場で判断し、行動する」(69.5%)となっている。
情報通信業の一般社員に求められることが変化した理由について聞くと、「状況の変化が早くなった」(56.9%)が最多だった。一般社員に求められるスキルや知識のうち、10年前と比べて特に重視されるようになってきたものでは「IT・デジタルに関するリテラシー」(65.0%)が最多で、「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)」(57.6%)、「タイムマネジメント」(56.1%)が続いている。