米Mozillaは、3月8日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 98」をリリースした。Firefox 97から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 97では、2022年2月17日にマイナーバージョンアップの97.0.1、2022年3月5日には97.0.2がリリースされている。97.0.1では、以下の不具合の修正が行われた。
- ユーザーのプロフィールページから選択した場合に、TikTokのビデオがロードされない問題の修正
- Huluでピクチャーインピクチャーモードを切り替えられない問題の修正
- 一部の状況において、WebRootSecureAnywhereアンチウイルスがFirefoxを使用できなくする問題の修正
- Firefoxの起動時にユーザーに予期せず[セッションの復元]画面が表示される問題の修正
セキュリティアップデートは行われなかった。97.0.2では、以下のセキュリティアップデートが行われた。
- XSLTパラメーター処理でのメモリ解放後使用
- WebGPUIPCフレームワークでのメモリ解放後使用
いずれも深刻度は最高レベルのクリティカルであった。したがって、今回のバージョンアップは、97.0.2からとなる。
Firefox 98のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 98は、図2のようになる。
新規に、Firefox 98をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[今すぐダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能や変更点のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 98の新機能
続いて、新機能であるが、今回のリリースでは、新たなダウンロードフローが実装された。実際にやってみよう。まずは、いずれかのWebサイトから、ファイルのダウンロードを行ってみる(ここでは、Firefoxのダウンロードサイトを利用する)。
ここで、ダウンロードリンクの「Firefox Setup 98.0.exe」をクリックする。従来のバージョンでは、ここで、ダウンロードの可否を確認するダイアログが表示されていた。しかし、Firefox 98では、自動でダウンロードが開始され、進捗状況が表示される。
この画面は、以前と変わらないものだ。ダウンロードしたファイルはTemp(一時)フォルダではなく、ダウンロードフォルダに直接保存されるか、ダウンロードごとに場所を選択するように求められる。
これによりダウンロードパネルでファイルをクリックして、ダウンロードが完了する前でもファイルを開くことができる。Firefoxは、ファイルが利用可能なると(つまりダウンロードが完了するなど)、すぐにファイルを開く。
また。Firefox 98では、Mozillaが特定の検索エンジンを搭載するための正式な許可を得られなかったため、一部のユーザー環境では、デフォルトの検索エンジンが変更されることがある。
また、変更点は以下の通り。
- ファイルタイプごとにデフォルトのアプリケーションが設定可能になった。 設定で特定の種類のファイルを開くために使用するアプリケーションを選択すればよい。
- Firefox 98にアップデートすると、「Alwaysask」ダウンロードアクションがリセットされるように。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で7件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、上から3番目の「Moderate」が3件となっている。
「High」では、
- フルスクリーンモードにおいて、ウィンドウのなりすましの問題
- iframeサンドボックスがバイパスされ、スクリプトが実行される問題
- アドオン署名を検証する際のTime-of-Check-Time-of-Useのバグ
- テキストリフローでのメモリ解放後使用
などが対応された。最高レベルの「Critical」はないが、早めのアップデートをすべきであろう。