パナソニックは3月9日、メディア向けに「実家ケアセミナー」を実施。離れて暮らす年老いた両親をサポートできる家電群を紹介しました。高齢の両親のいるユーザーにはぜひ参考にしてほしい内容です。セミナーの様子をレポートします。
実家ケアは両親だけでなく「住まい」にも注意を払うべし
セミナーでは最初に介護ジャーナリストの小山朝子さんによる講演があり、実家をケアするときは両親のことはもちろん、住まいのことにも留意するよう呼びかけがありました。
小山さんは、親とのコミュニケーションができているかや、親の変化に気付いているか計る目安を紹介。
さらに住まいのことを把握できているかチェックする目安なども紹介しました。
老いの変化は、一緒に住んでいないとなかなか気が付かないもの。実際に介護が必要になったときには、保険証などの親の情報が必要になります。小山さんは「そうした情報を確認できるのは、親が元気なうちです」と語りました。
もちろん、親子の間柄と言えども互いのプライバシーは尊重したいもの。収入や資産、保険証や通帳の保管場所などは聞きづらいというケースもあるでしょう。
小山さんが提案する「住まいについて把握する」という切り口は、親の情報を聞きやすいところから確認していく第一歩として、普段親とのコミュニケーションが上手く取れていない人ほど活用できそうだと感じました。
小山さんは3月17日20時から、実家ケアについてより詳しく語る無料のオンライン講座を企画しています。気になる人はチェックしてみてください。お役立ち家電のプレゼントもあるそうですよ。
高齢者には若者の1.5倍から2倍の明るさが必要
セミナーの後半では、パナソニックが販売する実家ケアに役立つ商品として、照明、火災警報器、テーブルタップ(電源タップ)、ワイヤレスネックスピーカー、モニター付きドアホン、迷惑防止機能付き電話機を紹介しました。
高齢になると若い人なら十分な明るさでも暗いと感じたり、物がよく見えなくなったりします。個人差はありますが、一般的に高齢者は若者の1.5倍~2倍の明るさが必要と言われています。読書や手芸といった老人性痴呆症の対策に有効な趣味は視力を必要とするため、照明の明るさには気を付けたいところです。
パナソニックは、10月21日の明かりの日から、LED電球とLED照明器具を新たに「パルックLED」というブランドで展開しています。そして、パルックLEDのLEDシーリングやデスクスタンドライトは文字の見やすい色温度と明るさで照らす「文字くっきり光」を搭載しています。
LED照明が一般家庭に普及し始めて約10年。まだLEDに変えていない家庭はもちろん、いち早くLEDに切り替えた家庭も最新のLEDに切り替えることで、より高齢者にとって快適な照明環境が整えられるでしょう。
古い火災警報器やテーブルタップの利用は危険!
火災警報器やテーブルタップについては、古い製品をそのまま使い続けるリスクがあります。どちらも経年劣化によって本来の性能を発揮できなかったり、煙が出たり、テーブルタップは火災や感電の原因になることもあります。火災警報器は10年程度が交換目安。テーブルタップは3~4年が交換目安といいます。
火災警報器の交換には資格が要らず、ドライバー一本で誰でも簡単に交換できるものです。パナソニックの製品には、火災検知時に出火元を把握して、音声で通知するものもあります。
火災警報器の交換が非常に難しくて専門知識や資格がないと取り替えられないかのように装う詐欺も発生しています。実家が被害に遭わないように古い警報器は交換し、「うちは取り替えたから大丈夫」と言えるように気配りしたいところです。
テレビの音量上げすぎ問題を解決
歳を重ねると、耳も遠くなってきます。パナソニックの調査によると、日常会話の聞き取りの不自由によるストレスは年齢による差があまりにないのに対し、テレビの音が聞こえないことにストレスを感じる人は高齢になるほど増える傾向があるそうです。70歳以上では実に3分の1以上がテレビの音が聞こえづらいことにストレスを感じているとか。
テレビの音が聞き取りづらいと、ボリュームを上げなければ聞き取れないため、同居者や近隣とのトラブルに発展することもあります。
そんな不安を解消するのが、ワイヤレスネックスピーカー。首掛け式で首元から音が聞こえてくるため、周囲に大音量を響かせなくても、テレビの音がよく聞き取れるようになります。
同居者が3人以上の場合、ネックスピーカーの数が足りず、音声が聞こえない人が出てしまいそうですが、テレビ側がスピーカーとヘッドホンの音声を同時に出力できるタイプなら大丈夫。エントリーのモデルでは対応していない場合もあるので、世帯人数が多い場合は事前に調べておきたいですね。
不審な訪問者から身を守るモニター付きドアホン
マンションやアパートなどの集合住宅では、玄関にモニター付きのドアホンを設置するところがかなり増えてきました。しかし、パナソニックの調査では、戸建住宅ではまだ4割弱がモニターのないベルやチャイム、音声インターホンを使用しているそうです。
訪問詐欺の手口は年々多様化しており、玄関に備え付けられたドアホンにカメラが付いていない家庭はセキュリティが甘いと見られてターゲットにされる可能性があります。
パナソニックではそんな世帯に、スマートフォンで外出先からでも訪問者を確認できる「外でもドアホン」を提案しています。見やすい約5型ワイドタッチパネル液晶を備え、来訪者の映像を録画・録音可能。実家と離れて暮らす子供の家と両方に導入することで両家で顔を見ながら会話したり、スマホからビデオメッセージを送ったりできることも訴求しています。
熱中症対策機能も備えた迷惑防止機能付きの電話機
警視庁の調べでは、振り込め詐欺などの特殊詐欺は狡猾さを増しており、啓蒙を続けているにも関わらず年間15,000件前後で推移しています。
一方、熱中症は約6割が高齢者によるもので、熱中症の発生場所は約45%が住居であり、仕事場や教育機関なども含めると半数以上が屋内で倒れています。
パナソニックが2月24日にリリースしたばかりのデジタルコードレス電話機「VE-GD78」シリーズは、特殊詐欺対策のための迷惑防止機能と、熱中症への警戒を呼びかける対策機能が備わった、家族に安心を提供する電話機。
迷惑防止は着信音が鳴る前に発信側に自動録音を知らせ、録音されても大丈夫な人からの発信のみを鳴らします。着信中はディスプレイに注意喚起のメッセージを表示し、さらに電話に出ると通話内容を自動で録音。不審に感じた電話であれば、通話を切ったあとで第三者に相談の電話を掛け、そこで不審な電話の通話内容をワンボタンで再生して相談相手に聞かせることができます。
熱中症対策は、本体に内蔵した温度・湿度センサーで、室内が熱中症の恐れのある状態になったときに音声とディスプレイ表示で注意喚起を行います。湿度は高くなったときだけでなく、40%未満になったときにも乾燥を警戒するアラートを出します。
実家が気になりながらも、何から始めれば良いのかわからなくなりがちな実家ケア。両親とのコミュニケーションがいまいち上手く取れないという人ほど、まずは住まいの点検や家電の交換から手を付け、ゆとりのある生活ともしものときにも慌てない環境を整えましょう。