「お彼岸に何もしないと不幸になる」「お墓参りをしないとバチがあたる」などといわれることもありますが、実際には何もしなくても問題はありません。お彼岸だからといって、絶対にしてはいけないこともありません。ただし、お墓参りをする人などの迷惑にならないように、マナーを守ることは大切です。

本記事では、お墓参りをする意味や、お彼岸にしてはいけないとされていることなどについて、詳しく解説していきます。

  • お彼岸とは

    お彼岸に何もしないとどうなるのかについて、詳しく解説していきます

お彼岸に何もしないとどうなる? 墓参りに行かないとだめ?

「お彼岸にお墓参りに行かないと悪いことが起こる」「バチがあたる」などいう話もありますが、実際は、お彼岸に何もしなくても特に変わりはありません。

信仰の深さによっても、考え方は変わります。お彼岸にお墓参りに行かなかった後に悪いことが起これば、バチや呪いと捉える人もいるでしょう。しかし、信心深くない人であれば、「お彼岸にお墓参りに行かなかったこと」と「悪いことが起きたこと」に因果関係はないと冷静に判断できるはずです。

星の並びから手のシワにまで意味を見いだそうするのが人間ですが、お彼岸も「霊」や「魂」などを信じているかどうかによって、起きた出来事に対する解釈は異なります。

  • お彼岸に何もしないとどうなる?

    それぞれの信仰の深さによっても、お彼岸に対する考え方は変わります

お経をあげてもらわない人も多い

お彼岸では、お坊さんにお経をあげてもらう家庭や地域もありますが、近年では、その数も減少傾向にあるようです。

全日本仏教会の「仏教に関する実態把握調査(2020年度 臨時調査)報告書」によると、例年のお彼岸について、毎年または節目でお経をあげてもらっている人は21.1%、以前はお経をあげてもらっていた人を含めて30.4%ということです。

また今年のお彼岸にお経をあげてもらっていない人にその理由を聞いたところ、「毎年お坊さんにお経をお願いする必要はないと思っていたから」がトップで27.6%、「不要不急の外出を控えようと思った」が16.4%、「家族・親戚がナーバスになっている」が16.3%と続きました。

この調査時は新型コロナウイルス感染症の影響もあるものの、お彼岸だからと言って、毎年特別なことをしなくてもいい、という考えの人が一定数存在することがわかります。

  • お墓参りをする人の数は減っている

    お彼岸に何もしなくてもバチがあたるなどということはありません

お彼岸にやってはいけないことはある?

お彼岸に何もしないことについて説明しましたが、次にやってはいけないことについてお話します。

基本的に、お彼岸だからといって「絶対にしてはいけないこと」はありません。昔はお彼岸に「仏事」と「神事」を一緒にしてはいけないとされていましたが、科学文明が発達した現在では「言い伝え」として頭に入れておく程度で問題はないでしょう。

しかし下記のようなことは、マナーなどの関係で、してはいけないといわれるケースが多いようです。

  • 結婚式
  • 引っ越し、新築祝い
  • お見舞い
  • 納車

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

結婚式

お彼岸は「喪」の期間ではないため、縁起が悪いわけではありません。しかし、この時期に結婚式をすると「先祖を軽く見ている」などと感じる人がいる可能性はあります。

お彼岸はお墓参りや法要、各家庭でのお供えや料理の準備などで忙しい時期でもあるため、現実問題として避けた方がよいと考えることもできます。

いずれにしても、お彼岸に結婚式をする場合は、親族に対してきちんと説明をするなどの配慮を忘れないようにしたいところです。

引っ越し、新築祝い

お彼岸の期間に新築祝いや引っ越しをしても問題はありませんが、先祖や故人の供養をする時間が取れなくなることに抵抗を感じる人もいるでしょう。そのため、新築祝いや引っ越しは、お彼岸と別日にした方がいいケースもあります。

お見舞い

お彼岸は先祖や故人の供養をする期間であるため、ケガをした方や病気の方へのお見舞いは「故人として扱っている」「亡くなると思っている」などと思われる可能性があります。人によっては大変失礼な行為と受け取られるので、できるだけ控えた方がいいでしょう。

納車

自分や大切な人の命を乗せて走る車は、大安吉日などの縁起のよい日を選んで納車するのが一般的です。そのため、納車日はお彼岸を避けた方がよいと考える人は少なくないようです。しかし、お彼岸は「喪」の期間ではありません。

  • お彼岸にしてはいけないことはある?

    お彼岸だからといってしてはいけないことなどありませんが、周囲に迷惑が掛からないように気を配りたいところです

そもそもお彼岸とは

お彼岸は、先祖に感謝をしてお墓参りやお供えをする時期です。お彼岸の期間は春分の日と秋分の日の当日と、それぞれの前後3日間になります。

本来「彼岸」とは、仏教の言葉で「煩悩を脱した悟りの境地」という意味ですが、やがて日本独自の解釈が含まれ、先祖や故人を偲び、感謝をしてお墓参りをする時期になりました。

2024年(令和6年)の春/秋のお彼岸の時期はいつからいつまで?

2024年の春のお彼岸は、3月17日(日)から3月23日(土)までの7日間です。

彼岸入り 3月17日(日)
春分の日(中日) 3月20日(水・祝)
彼岸明け 3月23日(土)

2024年の秋のお彼岸は、9月19日(木)から9月25日(水)までの7日間です。

彼岸入り 9月19日(木)
秋分の日(中日) 9月22日(日・祝)
彼岸明け 9月25日(水)
  • お彼岸とは

    お彼岸は、故人や先祖を偲び・感謝をしてお墓参りをする期間として定着しています

お彼岸に何もしないでいても不幸になることはない

今回は、お彼岸に何もしないとどうなるのかについて、詳しく解説しました。お彼岸に何もしないでいても、特に問題はありません。お彼岸は縁起の悪い時期や「喪」に服す時期でもありません。

ただし、お墓参りや法要で先祖に感謝をして故人を偲ぶ人も多いので、周囲に迷惑を掛けないように引っ越しや新築祝いなどを別日にするといった配慮は必要でしょう。

近年ではお彼岸に対する考え方も変わってきていますが、改めて先祖に感謝をして偲ぶ時期として過ごしてみてはいかがでしょうか。