MMD研究所は3月9日、スマートフォンの契約手続きやサポートについての調査レポートを発表した。2022年2月にServiceNow Japanと共同で実施したインターネット調査をもとにしている。
4人に1人はスマホをオンラインで契約
調査対象となった18~69歳の男女7,000人のうち、スマートフォン利用者6,106人に、現在主に利用しているスマートフォンを契約した場所を聞いた。キャリアショップでの対面接客が48.1%で最多となり、オンラインショップは27.4%、家電量販店などキャリアショップ以外の店舗での対面接客が13.3%だった。
キャリアショップと家電量販店などを合わせるとまだ半数以上の人が実店舗で購入・契約している一方、4人に1人はオンライン手続きを選んでいるという結果となった。
店舗派の上位理由は「直接説明を聞きたかった」(36.5%)、「実際に端末を見たかった」(27.0%)、「相談や質問をしたかった」(26.5%)。オンライン派の上位理由は「オンラインでも問題なく手続きできるから」(38.1%)、「いつでも手続きできるから」(27.6%)、「店舗よりも短時間で手続きできるから」(22.4%)。
全体的には、店頭でしっかり説明やサポートを受けたいか、問題なくこなせるので都合の良いタイミングで手短に済ませたいかという、理解度や慣れによって選択が分かれている傾向が強い。別の角度では、実際に端末を手に取って確かめてから買いたい、あるいはすぐに受け取りたいという意見も店舗派の上位に入っている。
また、オンライン派の4位にはそもそも「オンラインでしか契約できなかった内容だった」(21.8%)という理由がランクインしている点にも注目したい。ahamo/povo/LINEMOといったオンライン契約限定の格安プランの登場や、一部のキャリアが行っているオンラインショップ限定割引の存在が背景として考えられる。
店舗は待ち時間、オンラインは分かりやすさが課題
店舗で契約した人、オンラインで契約した人それぞれに、満足・不満だったことを聞いた。店舗契約では「スタッフの態度」「説明の分かりやすさ」など丁寧な対応が評価された一方、不満点としては「手続きにかかった時間」が58.3%、「店舗での待ち時間」が44.6%と、半数前後の人が所要時間や待ち時間の長さに不満を抱いている。
オンライン契約で好評だった点は「手続きにかかった時間」「手続き可能な時間の自由度」などで、店舗よりも手短に済ませられる点が評価されている。一方で、説明や手続きの流れの分かりやすさについては評価が分かれ、満足点・不満点の両方にランクイン。誰にとっても分かりやすくスムーズとは言えないようだ。
困りごとがあったら店舗に行く人が4割、チャット/メールの活用も進む
契約手続きや端末などで困りごとがあったらどの窓口に相談しているかを聞いたところ、店舗が40.5%、チャットやメールなどのオンライン窓口が17.4%、電話窓口が14.5%、いずれにも相談したことがない人が40.2%だった。
「何となく店舗が安心だと思ったから」「より自分に合った説明が聞きたかったから」などの理由で実店舗が根強く支持されているものの、契約手続きと同様にオンラインサポートも浸透しており、電話窓口の利用率を上回った。
チャット/メールサポート利用者の主な理由は「オンライン上で解決できると思ったから」「店頭に行く、電話する時間がないから」などで、契約時と同様に、応対時間や待ち時間の長さから店舗や電話を避け、手短に済ませたい人に選ばれていると考えられる。
「スマートフォンの契約やカスタマーサポートに関する意識調査」の概要
- 調査期間:2022年2月9日~2月14日
- 有効回答:予備調査7,000人、本調査5,000人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:予備調査は18歳~69歳の男女、本調査は通信キャリアと契約しているスマートフォン利用者
- 設問数:予備調査16問、本調査12問