Clubhouseが開拓した音声サービス市場に米Amazonが参入した。同社は3月8日(米国時間)、ソーシャルオーディオサービス「Amp」を発表、米国で限定ベータサービスの提供を開始した。音楽に軸足を置いており、クリエイターが数千万の音楽を自由に使えるのを特徴としている。

Ampは完全無料。スマートフォンを使って手軽にオーディオショーを提供できる。追加のハードウェアや編集作業は必要ない。アプリで番組のタイトルやスケジュールを決め、プレイリストを作成し、簡単にクリエイターがコミュニティと関わることができる。Ampの提供にあたって、Amazonは3大レーベルと呼ばれるUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Groupのほか、Beggars Group、Believe、CD Baby、PIASといった数多くの独立系音楽事業会社とライセンス契約を結び、クリエイターが数千万曲の楽曲カタログにアクセスできるようにした。好きな音楽を共有したり、「2010年代のトップ50」というようなテーマを決めたカウントダウンなど、音楽DJになって音楽番組を提供することもできる。

リスナーはホーム画面で、自分の関心をベースにしたお勧めからショーやクリエイターを見つけられる。気に入ったクリエイターはフォローと通知機能でショーのスケジュールを確認可能。ホストがコールイン機能をオンにしていたら、最大5人のリスナーがコーラーとしてショーに参加できる。今後、Alexaとの連携、ソーシャルシェアリング、検索・ディスカバリー機能など、コンテンツを探すリスナーとそれを配信しているクリエイターを結びつける機能を強化していく予定。

米国での限定ベータはiOSアプリのみの提供になっているが、将来的にAndroid版とデスクトップ版も提供する。誰でも簡単にオーディオショーをホストできるのがAmpの特徴であり、限定ベータではアーティストによるショーが計画されている。ニッキー・ミナージュのラジオ番組「Queen Radio」がAmpに登場。プシャ・T、ティナーシェ、リンジー・スターリング、トラヴィス・バーカー、リル・ヨッティー、ビッグ・ボーイらも近々ショーを開催する予定。他にも、著名なラジオ番組ホスト、音楽カルチャー雑誌のライターによる番組が計画されている。