事務職でも作れる純国産RPA「RPA Robo-Pat DX(RPAロボパットDX)」を展開するFCEプロセス&テクノロジーは、RPAロボパット導入企業による事例発表会を2月25日に開催。「RPAロボパットDX」を活用しながらDX推進に注力する八芳園が、DX化の成功のポイントについて紹介した。

  • ※FCEプロセス&テクノロジー提供

RPAを活用できる企業の共通点とは

「RPAロボパットDX」により社内DXを進める企業の共通する取り組みを紹介することで、RPAロボパットDXと社内のDX推進への理解を深めることを目的に実施されているRPAロボパット導入企業の事例発表会。過去に開催した第1回・第2回はともに400人を超える申し込みがあり、今回は3回目の開催となる。

発表会の冒頭、FCEプロセス&テクノロジー社の担当者は、「『RPAロボパッドDX』の継続率は98%以上ですが、2%以下の企業様は何かしらの理由で利用を中止されてしまいます。その理由として上位を占める2つの理由が、『時間が取れなかった』、『担当者が異動、もしくは退職した』というものです」と紹介。RPAを活用できる企業の共通点を以下のように述べた。

「一つ目は個人任せではなく、プロジェクトとして組織でDX化に取り組んでいること。二つ目は通常の他のプロジェクトのように目的・目標を定め、実行計画を立てて共有されていること。最後は導入企業様が使えるさまざまなサポートを使い倒していただくことになります」

DX化を推進する八芳園

事例紹介のプレゼンターを務めたのは八芳園のDX推進部に所属する豊岡氏。エンジニアとして2019年7月に八芳園へ転職し、同社で社内システムの構築や保守・運用、社内の業務効率化やDX推進支援などを担当している。

昭和18年の創業から現在に至るまでウェディング事業を中心にレストラン事業、イベントプロデュース事業を展開している同社は、2021年にメイン事業をブライダル事業から総合プロデュース事業へと進化させた。

職や人の交流を軸としたイベントオンライン配信やフードプロデュースを行うほか、2019年頃から社内DX化にも取り組み、現在はそのノウハウを元にDX推進支援事業なども立ち上げている。

「RPAロボパットDX」を導入したのは2020年10月のこと。豊岡氏はそのメリットについて語った。

「基幹システムの入れ替えに取り組んでいた当時、他部署のメンバーからもっと頻繁にバッチ処理を、自動でスケジュール実行してほしいという要望がありました。ただ、基幹システムに機能を追加したり、変更・修正をしたりすると、開発にお金も時間もかかってしまう。何かいい解決方法はないかとシステム開発会社さんに相談し、『RPAロボパットDX』をおすすめしていただきました。追加費用もかからない『RPAロボパットDX』なら汎用性も高く、現場の『今すぐほしい』という要望にも応えられると考えました」

導入から半年ほどが経過する頃には、ロボパッドは基幹システムのサブ機能的なポジションとなり、2021年8月にメンバーを増員。各種勉強会への参加やヘルプデスクの活用などを通じ、担当者一人の体制から複数人のチーム体制を構築することができたという。

「私1人で担当していたロボパッドの作成が3人体制になり、動作確認後の結果の共有といった情報共有がとても大切になっていきました。在宅勤務中ということもあり、隔週で30分程度のロボパッド社内定例会を実施し、新規ロボットを作る際のアイデアの相談、作成時の疑問点・注意事項、動作確認結果を共有しています」

ブライダル部門にも導入を検討中

導入から1年が経つ頃には要望も落ち着き、1部署だけで「RPAロボパットDX」の活用の幅を広げることに限界を感じ始めたという。

「他部署からの相談を受けるかたちでロボパッドを活用してきましたが、そもそも自分の作業が自動化できると気づいていない他部署の人たちも多い。『RPAロボパットDX』を知ってもらうため、業務改善に意欲がある他部署の社員に声をかけていきました」

結果、ロボパットを作成するメンバーとして営業事務から1名と経理から1名が新たに参加。今後は「RPAロボパットDX」の活用できるメンバーの育成を部署横断で進めていきたいと語る。

「残念ながら費用対効果の面で営業事務では本導入を見送られましたが、今年1月より経理ではトライアルから本運用へ切り替えました。メンバーが増え、作業分担ができるようになったことでロボットの完成スピードも上がり、私自身も余裕ができました。1人の時に思いつかなかったアイデアが他のメンバーから出てきますし、実際に自分が作ったロボットが自動で動くという感動を共有できる。同じ目標に向かって取り組むメンバーがいることで、モチベーションも高く保てています」

他部署に経理部の部署での効果計測も進めながら、社内でも一番の大所帯の部署であるブライダル部門でも現在本導入を検討中とのこと。IT部門に依存せずに、社内全体の作業効率化を実現していくことを最終的な目標としている。

「経理部の導入事例と合わせてブライダル部門で定着させることができれば、他部署でもさらなるメンバーの拡大が見込めます。より効率的に効果的に働ける組織づくり、仕組みづくり進めていくため、他部署へ展開しながらDX推進を進めていければなと思っております」