山形県山形市にある老舗和菓子屋店「乃し梅本舗 佐藤屋」。190余年もの歴史と技を引き継いだ八代目は、その伝統をしっかりと守りつつ「和菓子をちょっと自由に」という発想のもと、斬新な和菓子作りにも挑戦されています。
そんな佐藤屋さんから、新たな作品が誕生。その製作工程の画像をTwitterに投稿したところ、話題となっていました。
乃し梅本舗佐藤屋八代目 佐藤慎太郎さん(@matsubei8dai)が投稿した画像がこちらです!
ダイヤ型の寒天敷き詰めたとこに、さらに寒天流し込んでたんだが、どえらく幻想的で「ここ和菓子屋だよね?」てなった。
(@matsubei8daiより引用)
これが和菓子だなんて驚きです! 和菓子から放たれる宝石級の輝きがとっても美しく、まぶしいですね。
この投稿に「こ、こ、これが和菓子やと?!」「こんなきれいな寒天、観たことない」「幻想的で神秘的。宝石みたいで綺麗です」「とても美しいですね!」「食べるのが勿体ないくらい」「宇宙だわ!」「うぉおおお、エモい」と、驚きと称賛の声が続々と。
また、「これから、一体どんな和菓子が生み出されるのだろう・・・」「どんな風に仕上がるのか楽しみです」「これを出したところをみたいです」というリクエストも。
この状態の寒天を型抜きすると……、こんな風になるそうです!
万華鏡をイメージし、東の麓さんのお酒「つや姫なんどでも」でほんのり味わいつけたこの菓子。東京の三省堂書店様からの特注品です〜 神保町いちのいち様にて限定販売予定!公式からのお知らせをお待ちくださいっ!?
(@noshiumesatoyaより引用)
なるほど! この輝きは万華鏡をイメージしたものだったんですね。その再現力と表現力に脱帽です。
見れば見るほど魅了されてしまうこの輝き、リプライ欄には「どしたらこんな深い色出ますか?」「どうやって色付けてるんだろう。めっちゃ綺麗…」という声も。ツイ主の八代目・佐藤慎太郎さんにインタビューしてみました。
ツイ主さんに聞いてみた
―― 宝石のように美しいお菓子ですが、どのようにして繊細な色合いや模様ができるのでしょうか?
この菓子は「錦玉羹(きんぎょくかん)」と呼ばれる菓子になります。今回の菓子は、濃いめの青と紫に染めましたダイヤカットの寒天を先につくり、うすい青に染めた、ほんのり日本酒の味わいの寒天を規則的に並べていく事で、グラデーションのある色合いと規則性を生みだしています。
―― この和菓子を作ろうと思ったきっかけやエピソードなどがあれば教えてください。
菓子を作ったきっかけは、神田の三省堂書店様にございます「神保町いちのいち」様からの特注です。これまでにも色々とコラボして、本や漫画、その他のコラボ菓子を作ってきましたが、その中の一つです。
―― 大きな反響がございますが、率直な感想をお聞かせください。
大変な反響をいただきました事は、本当にありがたいことです。和菓子は、従来の冠婚葬祭やその他の行事ごとがすたれていく中で、決して先の明るい業界ではありません。ですが、今の感性をおとしこんだ菓子をつくるお店や職人さんが増えてきておりまして、見直していただくときっと、楽しい世界だと思います。佐藤屋の菓子が、そのきっかけの一つになれば最高だと思います。
新しい和菓子の世界を探求し続ける佐藤屋さん。地元山形県民からは、「推し和菓子屋さんがバズっている…」「佐藤屋がこんなに前衛的になってるのにビックリした」「佐藤屋さん、頑張ってんな〜」といった応援メッセージも寄せられていました。世の中が落ち着いたときには、ぜひ山形にも足を運んでみたいものですね。
ダイヤ型の寒天敷き詰めたとこに、さらに寒天流し込んでたんだが、どえらく幻想的で「ここ和菓子屋だよね?」てなった。 pic.twitter.com/i3x2PgmHUx
— 乃し梅本舗佐藤屋八代目 佐藤慎太郎 (@matsubei8dai) March 5, 2022