多くのサラリーマンにとって、年収1,000万円というのは夢の数字であり、また達成すべきリアルな目標でもあるだろう。中には転職をすることによって、この年収1,000万円超という目標をクリアすることができた、というケースもあるかもしれない。
そこで今回は、転職経験のある年収1,000万円以上のマイナビニュース男女会員を対象にアンケート調査を実施。「転職をしたきっかけや理由」などを聞いた。
年収1000万プレイヤーたちが転職をした理由とは?
Q.これまでに転職をしたことはありますか? ※起業、フリーランスへの転向も転職に含みます
「はい」(51.0%)
「いいえ」(49.0%)
Q.何回転職をしたことがありますか?
「1社」(39.3%)
「2社」(23.2%)
「3社」(16.1%)
「4社」(9.0%)
「5社」(6.2%)
「6社」(0.9%)
「7社」(0.5%)
「8社」(0.5%)
「9社」(0.5%)
「10社」(0.5%)
「11社以上」(3.3%)
Q.転職をして何社目で年収1,000万を超えましたか?
「1社目」(42.2%)
「2社目」(23.2%)
「3社目」(16.6%)
「4社目」(8.1%)
「5社目」(3.3%)
「6社目」(0.5%)
「7社目」(0.5%)
「8社目」(0.9%)
「9社目」(0.5%)
「10社目」(0.5%)
「11社目以上」(3.8%)
Q.年収1,000万を超えたときにいた会社の業種を教えてください
1位「ソフトウェア・情報処理・インターネット関連」(21.3%)
2位「その他」(19.9%)
3位「建設・土木・住宅関連」(14.2%)
4位「銀行・金融機関」(7.1%)
5位「医療・福祉・介護サービス」(6.2%)
6位「保険」(3.8%)
7位「海運・鉄道・空輸・陸運」(3.3%)
7位「不動産」(3.3%)
7位「教育関連」(3.3%)
10位「食品」(2.8%)
11位「商社」(2.4%)
11位「公益・特殊・独立行政法人」(2.4%)
13位「農林・水産関連」(1.9%)
13位「広告・出版・放送・新聞などのメディア関連」(1.9%)
15位「百貨店・コンビニエンスストアなどのサービス業」(1.4%)
15位「官公庁」(1.4%)
15位「電力・ガス・エネルギー関連」(1.4%)
15位「ホテル・旅館旅行・観光」(1.4%)
19位「ゲーム・アミューズメント関連」(0.5%)
転職をしたきっかけや理由は?
■「独立や起業を目指して」
・「独立資金に目処が立ち、挑戦したかったから」(11社目以上/食品/男性/39歳/大阪府)
・「自分で事業を立ち上げてから年収1,000万になりました」(11社目以上/建設・土木・住宅関連/男性/63歳/京都府)
・「フリーランスのほうが収入が高くて効率がいいから」(3社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/39歳/静岡県)
・「自営業で起業したかったから。ITが儲かりそうだと考えたからです」(2社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/45歳/広島県)
・「組織に属するのではなく、自分の裁量で思い通りに仕事がしたかった」(2社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/59歳/福岡県)
・「大手企業からの脱サラが1回目の転職ですが、以降は経営者兼管理者のような転職を繰り返し、数千万円の年収になりました。浮き沈みも多いですが、高収入とやりがいに今更単純労働者に戻れません」(2社目/その他/男性/71歳/東京都)
・「1社目は、家族経営の商店で最初は居心地が良かったが、月日が経つにつれて家族間のゴタゴタを見る機会が増えたのでそれに巻き込まれるのが嫌で辞めた。2社目は全く違う分野の会社に誘われて入社したが、入社前の条件が全く履行されず、長時間就労や賞与なし、社員の大量退職等でこちらにさらに負担がかかったので辞めた。辞める前に得意先にはこちらを支持していただき独立し、現在に至る」(3社目/建設・土木・住宅関連/男性/55歳/大阪府)
■「前職に限界を感じて」
・「職場の人間関係が嫌だったのが大きい理由」(1社目/商社/男性/59歳/千葉県)
・「前職場の雰囲気が合わない。仕事のやり方が古く感じた」(2社目/教育関連/男性/62歳/東京都)
・「前職が、陰りが見えたので、上昇の見込みがあるところに転職した」(2社目/電力・ガス・エネルギー関連/男性/65歳/神奈川県)
・「転職する前から1,000万を超えていたが、社内ポストの数に限りがあるため転職をした」(1社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/63歳/東京都)
・「なんとなく居づらくなったため(営業として数字があがらなくなったため/マネジメントに失敗したため)」(3社目/その他/男性/56歳/東京都)
・「前職を早期退職して、ITセキュリティ業務に専念できる業種を選択した」(2社目/銀行・金融機関/男性/63歳/兵庫県)
・「事業部が分社化され移籍となったため、業種を変えようと考えた」(2社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/58歳/東京都)
・「大きな理由は、労働強化、サービス残業、休日返上、理不尽な飲み会などの社風になじめなかったから。転職3回、現在4社目であるが、だんだん自分らしい働き方のできる職場に着地したと思っている」(4社目/教育関連/女性/51歳/愛知県)
■「家庭環境の変化などを機に」
・「結婚して県外に出ることになったため」(1社目/保険/女性/52歳/兵庫県)
・「結婚による転出のため、通勤できなくなるため」(2社目/医療・福祉・介護サービス/女性/37歳/静岡県)
・「地元に帰って教育関連の業種に就職した。紹介で入ったので中々待遇がよかった」(4社目/教育関連/男性/36歳/福島県)
介護必要な事態になつたから 1社目 建設・土木・住宅関連 男性 63 大阪府
・「家庭環境が変わって、子どもの療育のため」(1社目/医療・福祉・介護サービス/男性/56歳/山口県)
・「子育てや地域との繋がりを重視した」(2社目/公益・特殊・独立行政法人/男性/51歳/神奈川県)
・「家業を継ぐことになったので」(1社目/その他/男性/60歳/茨城県)
■「収入アップのため」
・「昇級の見込みが無いと判断した時」(1社目/電力・ガス・エネルギー関連/男性/38歳/新潟県)
・「給料がよく仕事の規模が大きい会社に行きたかった」(1社目/商社/男性/41歳/神奈川県)
・「以前勤めていた会社の賃金が安かったので、多くもらえる会社に行きたかったから」(3社目/商社/男性/58歳/大阪府)
・「先輩を見ていて、給料があがる職場ではないと思ったから」(3社目/その他/男性/56歳/大阪府)
・「外資系企業に転職して実力次第で給料はいくらでもあがると言われたが、これが全くの大嘘で、いくら頑張っても給料があがらないことが分かった。それよりも、日系企業で給料水準が計算できるほうがましと思って転職した」(2社目/その他/男性/54歳/東京都)
■「キャリアアップ・スキルアップのため」
・「キャリアを考えたときに、1社に留まっていては経験や知識の幅が広がらないため」(8社目/ソフトウェア・情報処理・インターネット関連/男性/59歳/東京都)
・「給料などの待遇ももちろんですが、自分自身がステップアップするため」(2社目/海運・鉄道・空輸・陸運/男性/36歳/大阪府)
■「ヘッドハンティングや紹介で」
・「前職は役人であったが習慣的な要素で自身の考えと合わないし不向きであった。40代で民間企業(先輩)に引き抜かれて転職した」(1社目/建設・土木・住宅関連/男性/59歳/大阪府)
・「ヘッドハンティングで好条件を提示されたから」(1社目/海運・鉄道・空輸・陸運/男性/58歳/熊本県)
・「前の職場に嫌気を感じていた時に、条件の抜群のオファーがあったので」(4社目/建設・土木・住宅関連/男性/59歳/愛知県)
■「定年や解雇、契約終了など」
・「管理職定年」(1社目/銀行・金融機関/男性/56歳/埼玉県)
・「希望退職に応募」(1社目/銀行・金融機関/男性/62歳/大阪府)
・「前職が、契約期間満了となったため」(1社目/その他/女性/59歳/静岡県)
・「期間社員で働いていて、正社員登用制度を利用していて正社員になるつもりでしたが景気が良くなく、しばらくの間正社員登用制度が凍結されたので転職しました」(1社目/その他/男性/52歳/大阪府)
■「企業の経営不振や倒産など」
・「前職の金融機関が経営破綻したため」(2社目/銀行・金融機関/男性/56歳/埼玉県)
・「会社の業績不振により、年収が大幅に下がった」(2社目/その他/男性/53歳/愛知県)
・「勤務先の業績が著しく悪化し、倒産懸念を払拭できなかったため」(1社目/教育関連/男性/56歳/奈良県)
■「その他」
・「前職の上司が亡くなったため、居場所がなくなった」(1社目/公益・特殊・独立行政法人/男性/38歳/神奈川県)
・「前職の仕事がマルマルとある企業に買収され、そのまま転職した」(3社目/その他/男性/48歳/千葉県)
・「何か新しいことにチャレンジしようと思ったからです」(1社目/海運・鉄道・空輸・陸運/男性/58歳/千葉県)
・「転職フェアがやっていたので行ってみたら、いい会社が見つかった」(1社目/銀行・金融機関/女性/53歳/東京都)
・「前職で、顔が悪いので懲戒解雇を受け入れるか、自主退職をするかの選択を迫られたため」(1社目/教育関連/男性/33歳/徳島県)
■総評
調査の結果、年収1,000万円以上のマイナビニュース会員のうち、これまでに転職をしたことはある人は51.0%で、転職経験者が半数を超えるという結果となった。
転職した回数は、「1社」が約4割(39.3%)で最多に。2位は「2社」(23.2%)、3位は「3社」(16.1%)で合わせて78.6%と、8割近くが「3社以下」の転職回数となった。
転職をして何社目で年収1,000万を超えたかについては、「1社目」が42.2%で最多となった。以下、「2社目」(23.2%)、「3社目」(16.6%)、「4社目」(8.1%)、「5社目」(3.3%)と続いた。トップ3を合わせて82.2%の人が、「3社以内」で年収1,000万円超を達成していることが判明した。
年収1,000万を超えたときにいた会社の業種の1位は、「ソフトウェア・情報処理・インターネット関連」(21.3%)となった。以下、2位「その他」(19.9%)を挟んで、3位「建設・土木・住宅関連」(14.2%)、4位「銀行・金融機関」(7.1%)、5位「医療・福祉・介護サービス」(6.2%)と続く。上位には、自分のキャリアやスキルを活かせる業種が多い印象だ。
転職をしたきっかけや理由について聞いた。主な理由として寄せられたのは、「独立や起業を目指して」「前職に限界を感じて」「家庭環境の変化などを機に」「収入アップのため」「キャリアアップ・スキルアップのため」「ヘッドハンティングや紹介」「定年や解雇、契約終了」「企業の経営不振や倒産」など。
やはり、「独立や起業を目指して」というエピソードに印象的なものが目立つ。会社を辞め、サラリーマンという枠組みを離れることで成功を手に入れたという人は、思いのほか多いようだ。
また、年収1,000万円以上の人に対するアンケートであるにも関わらず、「収入アップ」や「キャリアアップ・スキルアップ」だけが理由とはなっていないことも興味深い。動機はそれぞれでも、やる気と信念さえあれば結果は付いてくるということだろうか。
今回のアンケートでは、年収1,000万円以上の人の転職理由にはさまざまなものがあり、その動機は必ずしも「年収1,000万円超え」を求めるものではないことが分かった。今まさに転職を考えている人にとっては、大いに参考になったのではないだろうか。
調査時期: 2022年2月16~24日
調査対象: 年収1,000万円以上のマイナビニュース会員
調査数: 414人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません