米Appleは3月2日(現地時間)、2022年最初のスペシャルイベントの開催スケジュールを発表した。オンライン配信するバーチャルイベントになり、キーノートの配信開始はPST(太平洋標準時)の3月8日午前10時(日本時間:3月9日午前3時)。apple.com、またはApple TVアプリで視聴できるほか、YouTubeのAppleチャンネルでもライブ配信が用意されている。
昨年の春のスペシャルイベント(2021年4月20日開催)は、M1搭載のカラフルな「iMac」、M1搭載「iPad Pro」、新世代の「Apple TV 4K」、「AirTag」、「Apple Podcastサブスクリプション」などが発表される盛りだくさんの発表会だった。今年はアップデート中心の発表になるという予想が多い。
発表が有力視されているのはiPhone SEとiPad Airの2つ。iPhone SEは、最新のSoCにアップデートされ、5Gに対応すると見られている。昨年の第4四半期に米国のAndroid携帯電話市場のSoCシェアで、ミッドレンジ下位から廉価帯のデバイスで存在感を高めるMediaTekがQualcommを抑えてトップになった。米スマートフォン市場では5G対応スマートフォンへの買い換えの波が普及価格帯に押し寄せており、5G対応端末が大多数になる普及期が見えてきている。新しいiPhone SEは現行世代のデザインを引き継ぐと予想されているが、このタイミングでiPhone SEが5Gに対応するインパクトは大きい。また、空間認識のための超広帯域チップを搭載する可能性もあり、実現すれば、同チップの搭載がiPhoneのラインナップ全体に広がる。
iPad Airもデザインはそのままで、SoCやカメラのアップデート、セルラーモデルの5G対応などが予想されている。Appleは2月に、マーチャントがiPhoneのみでApple Payや非接触型クレジットカード/デビットカードによる支払いを受け取れる「Tap to Pay on iPhone」を発表した。2022年後半に米国で決済に利用できるようにする。追加のハードウェアでiOS/iPadOSデバイスを決済端末にする従来のソリューションでは、実店舗において画面の大きいiPadがよく用いられている。現時点で「Tap to Pay」はiPhoneのみだが、iPadへの拡大を見据えてiPadでもNFCのサポートが始まる可能性が指摘されている。
今回のスペシャルイベントの告知に付けられたキャッチフレーズは「Peek performance.」(日本語版は「最高峰を解禁。」)だ。「peak(最高の)」ではなく、「peek(のぞき見る)」である。M2の登場とMac miniや13インチMacBook Proの新製品を期待する声も上がっているが、iPhone SEやiPad Airへの最新SoC搭載を指しているようにも読み取れる。Macの新製品については予想が割れている。