新型スポーツ電動アシスト自転車(e-Bike)「WABASH RT(ワバッシュRT)」「CROSSCORE RC(クロスコアRC)」のメディア向けの試乗会が2月24日に開催された。
街乗りの快適さに加えレジャーでも楽しめるモデルとして1月13日に発表された2つの新型モデル。神奈川県横浜市の緑山スタジオ・シティに設けられた試乗コースで、実際にそのアシスト性能などの魅力や特徴を体感した。
新型モデルに共通する特徴は
ヤマハ発動機が2015年より発売するe-Bike「YPJシリーズ」。新感覚のスポーツ自転車として通勤などでの実用シーンから、中・長距離サイクリングやマウンテンライドといったレジャーまで、快適なライドを楽しみたい人たちから幅広い支持を得てきた。
近年、スポーツ系自転車市場ではオンロードからオフロードまで幅広い路面に対応するグラベルバイクがトレンドに。また、コロナ禍における健康意識や環境意識への高まり、アウトドア人気などを背景にクロスバイク市場も成長を続けている。 そんな注目度の高い市場に、YPJシリーズは未舗装路を楽しめるクラベルバイク「WABASH RT(ワバッシュRT)」と、これまでのYPJシリーズが得意領域としていたクロスバイク「CROSSCORE RC(クロスコアRC)」の2車種を新たに投入する。
両モデルとも、世界的に高い評価を得ているドライブニット「PWseries ST」をYPJに初めて採用。傾斜角センサーを新たに搭載することでオートマチックアシストモードを追加した。
バッテリーをフレームダウンチューブに内蔵した「ハイドロフォームドフレーム」も両モデルに共通する仕様となっている。「YPJ-MP Pro」の設計思想を踏襲し、円筒形状の筐体のバッテリーを挟み込む形で、閉断面のチューブを配置。外観性と剛性を両立した設計だ。
コンセプトによるパーツや機能の違い
今回、「ワバッシュRT」の試乗コースは未舗装の上り坂、細かいコーナーが続く林道、平地の砂利道など大きく3つのシチュエーションを用意。「クロスコアRC」の試乗コースでは舗装路でのコーナリングや坂道などを体感できた。
「ワバッシュRT」の特徴はオフロードライドでの様々な場面での安定感。路面コンディションが不安定で振動が続くオフロードでも信頼性の高いブレーキとシフト、サスペンション機能付きドロッパーシートポストなどにより、路面変化の多い未舗装路でも高い走行性能を発揮する。
ブレーキレバーと変速レバーが一体になっており、漕ぎながらスムーズに変速を行える。ブレーキレバーを横に押し込むようにするとギアが軽く、ブレーキレバー内側の小さいレバーを同じように操作すると重くなる。
ハの字に広がったハンドルバーでオフロードの走行時もしっかりと掴みやすく、サドルの高さはハンドルバーにあるレバーで走りながら調整可能。オフィスチェアの塩梅で体重をかけた状態でレバーを押すとサドルが沈み、体重をかけない状態でレバーを押すと上がる仕組みだ。
一方、通勤や通学を中心に街中での扱いやすさと快適性を高めた「クロスコアRC」は、ちょっとした買い物時に便利なサイドスタンドや夜間も安心のヘッドライトを標準装備。アクセサリーマウントを使用し、必要に応じてキャリアなども装着可能だ。
ワイドでクッション性の高いセミスリックパターンのタイヤを採用。フロントのサスペンションは、平らなアスファルトや坂道などで力を逃したくない場合はロックをかけ、凸凹が多い路面ではサスペンションを生かすというように任意で切り替えられる。
シフト操作は右手側のレバーを使用。親指で押すとギアが軽く、人差し指で手前に押すとギアが重くなる。
一般向け試乗体験イベントも開催予定
また、スピードメーター、バッテリー残量、アシストモード、モーター出力などのメーター表示部と操作スイッチが一体化した「ディスプレイAD」も、YPJとして初めて採用されている。
大きい数字は時速を表し、その下の数字は下側のカーソルボタンを押すことで切り替わり、その日の走行距離を示すトリップメーター、積算走行距離を示すオドメーター、残りのアシスト走行可能距離を表示する。
また、上のカーソルボタンを長押しすることでオン/オフができるオートマチックアシストモードは、状況に応じて「ECO(エコ)」「STD(スタンダード)」「HIGH(ハイ)」の3つのアシストモードを自動選択。平坦な路面ではモーター出力を抑え、登坂路に入るとモーター出力を高めるというように、強中弱のモードを自動でコントロールするきめ細かいアシストで、より走りに集中できる機能だ。なお「ワバッシュRT」「クロスコアRC」ともに1充電あたりの走行距離は「HIGH(ハイ)」モード85km、「STD(スタンダード)」モード101km、「ECO(エコ)」モード137km、「+ECO(プラスエコ)」モード200km。オートマチックアシストモードでは96kmの走行ができる。
ヤマハ発動機では4月16日10時〜15時に静岡県富士宮市「あさぎりフードパーク」でYPJのファンミーティングを開催。新型モデル以外のYPJシリーズの車種も含め、総数150台規模という大掛かりなイベントで、YPJオーナーだけでなく、YPJに興味がある人など多くの人が参加できる。YPJオーナー限定の観光スポットガイドツアーなどのコンテンツを用意するなど、自然の中でYPJシリーズの魅力や楽しさを体感できる機会だ。
ヤマハ発動機は日本最大規模のサイクルイベント『CYCLE MODE』(大阪3月5・6日、東京4月2・3日)、静岡県湖西市で行われる『浜名湖サイクルツーリング』(3月12・13日)、名古屋での『NAGOYA Cycle Sports Days』(3月19・20日)にも出展予定
両モデルの発売日3月10日以降は、「ワバッシュRT」「クロスコアRC」それぞれ製品ページから試乗車設置店の検索も行える。こちらは順次情報が更新されるので、ぜひ活用してみてほしい。