雪国に住む人にとって、雪は特別なものではないだろう。むしろ今年は積雪量も多く、もう勘弁してくれ!と嘆いている人も少なくないはず。しかし、雪国“以外”に住む人から見れば、やはり雪には特別な魅力を感じざるを得ない。
そんな雪国へ憧れを抱く人にぜひともオススメしたい限定品を発見した。それが津南醸造がつくる「GO&雪(ごうせつ)セット」である。
世界有数の豪雪地といわれる新潟県津南町の雪と日本酒3本が詰め合わせになったユニークなセットで、当然、冬季限定だから今しか味わうことができない。これは雪好き、または日本酒好きは試すしかないでしょ!
新潟の本物の雪が届く! 津南醸造「GO&雪セット」を買ってみた
ということで、津南醸造のホームページからさっそく注文。日本酒はさておき、雪を通販で買うのは初めての経験である。一体、どんな展開が待ち受けているのだろうか。
ワクワクしながらクロネコヤマトさんの到着を待つこと数日……ついにその日がきた。
なるほど、この発泡スチロールの中に津南町の雪が詰まっているのか。無事、溶けずに届いただろうか。ドキドキしながら開封してみると……
うおおぉぉ……マジだ!マジで雪だ!本当に津南町の雪が届いた!かなりどっさりと詰め込まれている。
うわ~、冷たい!めちゃくちゃ冷たいぞ!それにふわっふわだ!いや、マジで冷てぇ~!
……ハッ!本物の雪を前につい興奮してしまったが、日本酒はどこだ?
かじかむ手で雪をかき分けてみると……
あったあった。しっかりと3本の日本酒が雪の中に詰められていた。これはニクい演出だなぁ。
ちなみに、津南町は世界屈指の豪雪地で、積雪はなんと4メートルを超えることもあるそうだ。雪に覆われた環境下で日本酒を仕込むと、低温多湿を一定に保つことができ、かつ微生物のコントロールもしやすいようで、とても質のいいお酒ができあがるのだとか。
日本酒はいずれも津南産の酒米「五百万石」で造られており、仕込み水は標高2,000メートル級の山々に降り積もった雪が水源となっているそう。津南の水はコンビニでミネラルウォーターとしても販売されており、その事実からも水質の良さは推し量ることができる。
いざ、3種の日本酒を飲み比べ!
では、実際にそれぞれ飲み比べてみよう。
まずは純米酒の「郷(GO)STANDARD」から一口いただくとしよう。スタンダードというからには、この中ではもっともベーシックなお酒なのだと推察できる。それではさっそく、グイッ。
ほうほう……これはスッキリした飲み口が特徴の淡麗辛口系。すごく透き通っているというか、クリアで綺麗な味わいでありながらまろやかさもあって、とても美味しい。スッキリしているので、淡白な白身系の刺身などとの相性もバッチリ。ぬる燗や熱燗で飲めば、また香りが引き立って美味しく飲めそうだ。
続いては純米吟醸酒である「郷(GO)DINER」を開けてみよう。これは食中酒として食事と一緒に楽しむことをメーカー側は推奨しているので、素直に従うことにする。そもそも新潟県は、食中酒が美味しい地域としても知られているらしい。これはますます期待が膨らむ。
一口飲んでみたところ、こちらもやはり美味。ふくよかな旨みとコク、そしてほのかな甘みが感じられる。香りも華やかで素晴らしい。この日はエビチリや角煮など、まさに夕食メニューらしい食事と合わせてみたが、どれも文句なしに合う。食事の邪魔をしないどころか、一層引き立ててくれるイメージとでも言おうか。もちろん、日本酒だけを飲んでも美味しいので、食後にゆっくり飲むのもオススメできそうだ。
それでは最後に、「郷(GO)DOLCE」を味わいたい。ドルチェの名の通り甘めのお酒らしいので、デザート酒として抹茶アイスに合わせてみた。どれどれ……。
あっ、思ったよりは甘くない。味わいはみずみずしくフルーティー。確かに甘みはあるし、食後のデザート酒にもピッタリだが、舌に残るほどの強い甘みはなく、想像よりもスッキリしている。ああ〜、美味しい。抹茶アイスの苦みとも絶妙にマッチしているではないか。これは我ながらいいペアリングを発見できた気がする。
3本ともハズレなしのクオリティだったが、最後に製造元である津南醸造にも少し触れておこう。
津南醸造は、津南町で生産する酒米のブランド的価値を未来に受け継ぐため、地域の生産者と農業協同組合、そして津南町が共同で出資して設立した、全国的にも珍しいタイプの酒蔵。地域を持続させていくため、サスティナブルな酒づくりにもこだわっているようだ。
美味しい日本酒を味わうだけでなく、津南町のリアルな雪に触れることができ、かつ津南町の地域創生に一役買うこともできる……このいいことずくめの「GO&雪(ごうせつ)セット」、ゲットできるのは冬のうちだけなので、季節が変わってしまう前にぜひ一度味わってみてはどうだろう?