オンライン開催となった、今年のCP+2022。さまざまな出展社が関連動画をアップロードし、数多くのライブ配信が行われました。本稿では、OMデジタルソリューションズ(OMDS)が配信したOM SYSTEM OM-1(以下、OM-1)のスペシャルトークステージから、写真家の木村琢磨さんによる「スチルとムービーのハイブリッドシステム」と題したライブ配信の模様を紹介していきます。
写真はハイレゾショットの解像感に圧倒
登壇した木村琢磨さんは、スチール写真もムービーも手掛ける写真家。まずは、OMデジタルソリューションズが3月18日に発売するマイクロフォーサーズ規格の高性能ミラーレス「OM-1」の特徴についておさらいしました。
「OM-1は小型軽量で、レンズも含めてコンパクトでバランスが良い。防塵防滴なので、撮影フィールドを問いません」と木村さん。過酷な環境下、例えば滝に打たれながらでも撮影し続けられる、と紹介します。
ムービー撮影も性能が格段に向上しました。これまでの機種では4K/30p 8bitが限界だったところ、4K/60p 10bitで撮影できるスペックに。H.265のコーデックにも対応し、さらに30分制限も解除されています。「演算処理も速くなりました。これにより、5,000万画素の手持ちハイレゾショットと、8,000万画素の三脚を使ったハイレゾショットを日常的に使えます」と木村さん。風景メインの写真家にとってもかなりの魅力、と続けました。
高速連写は、最高120コマ/秒、AF / AE追従でも最高50コマ/秒に対応。このほか、スペックのうえでは据え置き感のある有効画素2037万画素の画質についても「ダイナミックレンジの向上や高感度画質の向上により、画質が底上げされたのを感じます。写真1枚の質がまったく異なりますね」と評価します。
ここで、鳥取砂丘にて手持ちハイレゾショットで撮影した作例を紹介。木村さん自身、家のPCで拡大して「ここまで鮮明なのか」と驚いたそうです。同様に、三脚ハイレゾショットで紅葉の山を撮影した作例では、岩肌や木々のディテールが細かいところまで再現されているのが分かります。
高感度撮影については、「ISO 1600、ISO 3200あたりで撮影してもノイズ感がなく、色の崩れがない」と木村さん。F4のレンズで表現できる幅が広がった、色の表現力が増した、と話しました。
動画でも本領を発揮、写真から動画を生成するワザも
後半は、動画撮影機能にフォーカス。現行モデルでも高評価だった動画性能ですが、OM-1になってさらに飛躍しており、「動画メインで使いたい人にもかなり魅力的なシステムになった」と強調します。例えば、色数が8bit(1,677万色)から10bit(10億7,374万色)に向上したことで、逆光で空を撮るようなシチュエーションでもトーンジャンプすることなく、グラデーションの階調表現が可能に。また、フレームレートが30fpsから60fpsになったことで、スローモーション映像もより滑らかになった、と説明します。
ムービー撮影のときに心強いのは、ボディー内5軸手ぶれ補正機構。35mm判換算で200mm相当の望遠で手持ち撮影しても「いやなブレを抑えて撮影できる」と木村さん。AFの進化については、「挙動はスチールのときほど速くはありませんが、ピントをゆっくり合わせてくれるので、映像作品にしたときの不快感がありません。モデル撮影では的確に顔にピントを合わせてくれるので、撮影者は画角など他のことに集中できます」とし、撮っていて楽しくなるカメラです、と笑顔を見せました。
この日のライブ配信では、自然のなかでモデルを撮影したムービーのほかに、風景のみのムービーも披露。どちらも驚くほどの解像度の高さでした。
動画紹介のあとに、ちょっとしたタネ明かしがありました。実は、風景のみのムービーは動画として撮影したものではなく、120コマ/秒の連写で得られた写真データをつなぎ合わせて動画にしたものでした。「アスペクト比4:3で動く映像は新鮮味があります。画質は5.2K/120fps。スチールとムービーの境目がなくなってきたOM-1では、このようにスチール目線で動画も撮れるわけです」と木村さん。
雨のなかでもハウジングがいらない、歩きながらでも手ブレなく綺麗に撮れる、「良いな」と思った瞬間にレンズを向けられる気軽さが武器になる、とOM-1の魅力を語った木村さん。「スチールを撮りつつ動画も撮りたいワガママな気持ちに応えてくれるカメラです。これから映像を撮りたいと考える人にもオススメです」とまとめました。配信動画は、現在もOMデジタルソリューションズのYouTube公式チャンネルで視聴が可能です。