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【この記事のエキスパート】
ライター/編集者、[着こなし工学]提唱者:平 格彦
メンズファッションがメインのライター/編集者/コラムニスト。
AllAbout「メンズファッション」ガイド。[着こなし工学]提唱者。
また、メンサ (JAPAN MENSA) 会員。野菜ソムリエの資格も保有。
出版社から独立後、70ほどのメディアに関わり、客観的、横断的、俯瞰的なファッション分析を得意とする。そんな視点を活かした[着こなし工学]を構築中。
また、ライター向けのコミュニティを「DMMオンラインサロン」で運営中。
最近の「マイナビおすすめナビ」の記事においては、商品選びのアドバイスなど、監修者として携わる。
ビジネスシーンから休日のオシャレまで、何かと活躍する機会の多いメンズスラックス。何を基準に選べばいいかわからない方もいらっしゃいますよね。この記事では、メンズファッション誌編集者である平 格彦さんへの取材をもとに、メンズスラックスの選び方とおすすめ商品をご紹介します。
スラックスとはどんなパンツ?
スラックスとは、英語のslack(ゆるい)が由来のパンツです。もともと太ももあたりにゆとりのあるパンツをスラックスとよんでいました。現在ではスリムなシルエットのパンツをスラックスとしているブランドもあります。
一般的に、ロング丈のパンツでスーツや制服のジャケットとあわせるパンツをスラックスとよぶことが多いです。ビジネスやフォーマルシーンにあわせるパンツというイメージがありますが、カジュアルシーンにスラックスと取り入れることも多くなっています。
[着こなし工学]提唱者に聞く
メンズスラックス、どう選ぶ?
[着こなし工学]提唱者であり、メンズファッション誌編集者である平 格彦さんに取材をして、メンズスラックスの選び方のポイントを5つ教えていただきました。素材やシルエットをよくチェックすることが大切です。ぜひメンズスラックス選びの参考にしてください。
【1】素材
【2】丈
【3】シルエット
【4】カラー
【5】センタープレスやタック
上記のポイントを押えることで、あなたに合ったスラックスをさがしてみてください。
【1】スラックスの素材で選ぶ
スラックスにはいろいろな素材が採用されていて、それぞれで風合いやお手入れ方法などが異なります。スラックスの素材による選び方を解説します。
幅広いシーズン活躍するウール
ウールは動物の毛全般を使った素材ですが、9割は羊毛が使われています。ほかはカシミヤやアルパカ、アンゴラなどが使われています。
生地のなかにふんわりとしたふくらみができるので、保温性と弾力性が高いのが特徴です。光沢もでるので、ビジネスやフォーマルシーンにも使えます。水洗いはできずクリーニングに出さなければいけませんが、幅広いシーズンに活用できます。
【エキスパートのコメント】
スラックスの生地は、ウール素材の薄手が王道とされています。上質な生地感がスラックスの品格を強調してくれます。
機能素材のポリエステル
【エキスパートのコメント】
ただし最近は、上品な見た目の機能素材も普及していて、実際にスラックスでも採用されることが増えています。
ストレッチ性にすぐれた機能素材のスラックスは動きやすいので重宝するでしょう。ほかにもさまざまな機能を持った素材が使用されているので、用途や好みに合う高機能素材のスラックスを探してみてください。
ポリエステル素材のメンズスラックスは、機能素材として自宅で洗える、しわになりにくいのがメリットです。一方、見た目がややカジュアルすぎる、むれやすいといったデメリットもあります。
取り扱いしやすいコットン
コットンはスラックスのほかにも、日常的に着用する衣類の半数以上に採用されている素材です。肌当たりがよくて吸湿性が高いため、着心地のよいスラックスならコットン製がよいでしょう。
アイロンを直接あてられる、丸洗いできるなどお手入れのしやすさも魅力です。ただし、しわや縮みが起きやすい、黄ばみができやすいデメリットがありますが、日常的に使えるスラックスの素材として選択肢に入るでしょう。
丈夫な混合タイプ
コットンとポリエステル、レーヨンなど複数の素材を組み合わせて作られた混合素材のスラックスもあります。混合素材は、使用する素材によって特徴が異なりますが丈夫、速乾性がある、しわになりにくいなどそれぞれの素材のよいところを活かしていることが多いです。
ただし、コットンにポリエステルを入れることで本来の肌当たりが失われてしまう、通気性がなくなり熱がこもりやすくなるなどのデメリットもあります。
【2】スラックスの丈で選ぶ
メンズスラックスにはいろいろな丈があります。コーデや着用シーンにあった丈を選びましょう。
ビジネスやフォーマルならフルレングス
フルレングスとは10分丈のメンズスラックスの丈の長さを指します。くるぶしがすっぽりと隠れる長さのため、すっきりかつきちんとした印象を与えられます。
ビジネスやフォーマルシーンなど、きちんとした印象を大切にしたいときのほか、かっちりめのコーディネートをしたいときにも向いています。定番として1本持っておきたい丈です。
カジュアルならアンクル(クロップド)
アンクルパンツとは、英語の足首と言う意味のankleから来ています。くるぶしあたりか、それよりも短めの丈のメンズスラックスは、アンクルパンツとよばれます。また、アンクルパンツよりもさらに短く6~7丈の長さのものを、クロップドパンツとよばれます。
かっちりしたイメージのメンズスラックスを軽やかな印象にしてくれるので、カジュアルにあわせたい丈です。
裾上げがいらないジャストレングス
ジャストレングスとは、裾上げがいらないように仕上げられたスラックスをふくめたパンツを指します。裾上げがいらないので、購入してすぐに履けるのが魅力です。
ジャストレングスのメンズスラックスは、フルレングスからアンクルまたはクロップド丈のものが多くなっています。選びたい丈のジャストレングスを選べば、すぐに履けるので便利です。
夏も使いやすいショート
ショートパンツとは、ひざ丈を指します。ハーフパンツともよばれています。かっちりとしたスラックスでも、ショート丈なら活発でさわやかな印象になるのが魅力です。カジュアルななかにさわやかさを取り入れたいときに向いています。
涼しげな印象なので、夏のコーデにもぴったりです。白いシャツとあわせるとさわやかなコーデが完成します。
【3】スラックスのシルエットで選ぶ
スラックスの太さによっていろいろなシルエットが楽しめます。欲しいシルエットに合ったスラックスを選びましょう。
スタンダードなストレート
直線的なシルエットのメンズスラックスがストレートです。一般的なパンツのシルエットのため、ビジネスやフォーマルシーンにも使いやすくなっています。
また、トレンドに流されない定番のシルエットでもあります。長く使えるメンズスラックスを求めているときにも向いています。1本持っておくと幅広いシーンで使えるでしょう。
履きやすいテーパード
テーパードとは、英語で少しずつ細くなっていくという意味があります。すっきりとしたシルエットで足の形がきれいに見えます。
【エキスパートのコメント】
最近はスラックスの活躍するシーンが拡大。デザインのバリエーションも増えています。ただし、スラックスならではの上品な魅力を活かすなら、オーソドックスなタイプがイチ押しです。
シルエットはやや細身なテーパード型。カラーはグレー、ネイビー、ブラックの無地か控えめな伝統柄。そんな定番的なルックスのスラックスを選べば、幅広いコーディネートにマッチします。
ゆったりとしたシルエットのワイド
ワイドパンツとは、全体的に太めの造りとなっているスラックスを含めたパンツを指します。足回りが太めのため、ゆったりとしたシルエットが楽しめます。
シルエットだけでなく、履き心地もゆったりとしているのがワイドパンツの特徴です。男性らしいシルエットを得たいときや、カジュアルな着回しのときに向いています。
幅細シルエットのスリム
スリムタイプのメンズスラックスは、ストレートよりも細く、スキニーよりはややゆとりのある細さです。同じデザインやカラーのスラックスでも、スリムにするだけでスタイリッシュ、清潔感のある印象になります。
コーデがなかなか決まらないときや、大人っぽい印象を得たいときに、スリムタイプのスラックスは1本持っておきたいアイテムです。
ぴったりとフィットするスキニー
スキニーとは、英語でほっそりした、痩せたという意味があります。その名前のとおり、履いている人の脚にぴったりと沿うほどの細いシルエットが、スキニーです。
スキニータイプのメンズスラックスは、シンプルなデザインのものが多いです。着回しもしやすく、大きめサイズのカットソーやブーツにインするなどのコーデもできます。
【4】カラーもチェックしよう
メンズスラックスはいろいろなカラーがあります。グレーやネイビー、ブラックなどの無地の定番カラーをそろえておけば、いろいろなシーンのコーデに着回しできます。
ジャケットとあわせるなら、カジュアルシーンならジャケットと異なるカラーのスラックスを選びましょう。逆にジャケットとスラックスのカラーを同じものにすると、スーツのようにビジネスライクな印象になります。
【5】センタープレスやタックは好みで選ぶ
【エキスパートのコメント】
シンプルなスラックスですが、ディテールで若干の違いも。センタープレスは脚の中央を縦断する折り目。キチンとした印象に加え、脚が細長く見えるという効果も期待できます。
タックは腰まわりのヒダのこと。本数によってワンタックやツータックなどと呼ばれます。ヒダがあることでウエストまわりに余裕が生まれ、動きやすくなるのがメリットです。
また、ヒダがあるとクラシックな風格が感じられ、ヒダのないノータックはモダンでスタイリッシュな印象になります。センタープレスもタックも定番のディテール。自分の体型を考慮しつつ、仕様の特徴も把握してスラックスを選びましょう。