「猫は人間よりも早いスピードで成長する」という話を聞いたことがありますか? 聞いたことはあっても、実際にどれくらいのスピードなのか知らないという人も多いかもしれません。
今回は、猫の年齢の計算方法や平均寿命、見分け方などをくわしく解説。また、猫と長く一緒にいるためのポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
猫の年齢とは
飼い主であれば気になる愛猫の年齢。猫は人間の5〜6倍の早さで成長していると言われており、たったの1ヶ月で人間年齢に換算すると1歳程度まで成長します。
生後1年〜1年半ぐらいで成猫に、7歳以上からはいわゆるシニアの年代となります。個体差はあるものの、人間と比べるとあっという間に成長することを覚えておきましょう。
猫の年齢を人間に換算した場合
人間の5〜6倍の早さで成長する猫は、1年で人間年齢の18歳程度になります。2年で約24歳になり、その後は1年間にだいたい4歳ずつ年を取るようです。
品種などによって差はありますが、だいたい下記の表のように年齢換算ができるので、参考にしてみましょう。
【猫と人間の年齢換算表】
猫 | 人間 | 猫 | 人間 | 猫 | 人間 |
1ヶ月 | 1歳 | 5年 | 36歳 | 13年 | 68歳 |
2ヶ月 | 3歳 | 6年 | 40歳 | 14年 | 72歳 |
3ヶ月 | 5歳 | 7年 | 44歳 | 15年 | 76歳 |
6ヶ月 | 9歳 | 8年 | 48歳 | 16年 | 80歳 |
1年 | 18歳 | 9年 | 52歳 | 17年 | 84歳 |
2年 | 24歳 | 10年 | 56歳 | 18年 | 88歳 |
3年 | 28歳 | 11年 | 60歳 | 19年 | 92歳 |
4年 | 32歳 | 12年 | 64歳 | 20年 | 96歳 |
猫の平均寿命
猫の平均寿命がどれくらいなのか知りたいという人も多いでしょう。品種によって差はありますが、一般的に猫の平均寿命は15歳前後です。
生活環境によっても寿命は異なり、感染症や交通事故などのリスクが少ないことから、野良猫より室内飼育の猫の方が平均寿命は長いと言われています。
一方、猫の平均寿命は昔と比べて伸びているといい、近年では20歳以上生きる長寿猫も少なくありません。
ギネス認定の最長寿猫
平均すると15歳前後が寿命となる猫ですが、ギネスブックによる猫の最長寿記録は38歳と3日です。これは、人間の年齢に換算すると約170歳にあたります。
クリーム・パフという名前を持つこの猫はアメリカのテキサス州で育ち、1967年8月3日から2005年8月6日まで生きたと言います。
猫の年齢の見分け方
人間とは違うスピードで年を取る猫は、誕生日がわからないと年齢を予測するのが難しいです。特に、野良猫や保護猫の場合はまったく年齢がわからず、困ってしまうこともあるでしょう。
そこでここからは、見た目から猫の年齢を見分ける方法を紹介します。
歯で見分ける
猫は生後約1ヶ月で歯が生え始め、生後2ヶ月で乳歯が揃い、生後6ヶ月になると永久歯が生え揃います。したがって、子猫の時期であれば歯に注目することで年齢を推測しやすくなるでしょう。
また、歯の色も年齢を見分けるための一つのポイント。一般的に3歳ぐらいを過ぎると歯に歯石がつき始め、黄ばんだ歯となります。
さらに年齢を重ねていくと、歯がすり減ったり茶色っぽく変化したりするため、そこも判断ポイントとなるでしょう。
目で見分ける
子猫の場合は目に注目することでも、ある程度見分けられると言います。
猫はだいたい生後1週間で目が開き、2週間である程度視力がついてくるので、子猫の面倒を見ることになった場合などは参考にするといいでしょう。
また、生後2ヶ月ぐらいまでの子猫は虹彩の表面にしか色素沈着がないため、「キトンブルー」と呼ばれる青い目をしています。6ヶ月ごろまでには本来の目の色に定着するので、目の色の変化を見分けることで生後何か月程度かを判断できるでしょう。
猫と長く一緒にいるためのポイント
人間の5〜6倍の早さで成長し、わずか1年で人間の18歳程度まで年を取る猫。
中には長寿の猫もいますが、それでも人間よりはずっと寿命が短い生き物です。少しでも長生きできるようにサポートしてあげたいと思う人は多いでしょう。
そこでここからは、猫と長く一緒にいるために注意したいポイントを紹介します。
日々の健康管理を怠らない
まず大切なのは日々の健康管理です。定期的な健康診断はもちろん、ワクチンやノミ・ダニの予防なども必要となってきます。
また、猫は体調がすぐれないことを隠そうとする習性があると言われているため、飼い主が変化を見逃さないようにするのも重要なポイント。食欲や排泄の様子を確認したり、毎日体に触り状態を把握したりすることが大切です。
ライフステージごとの特徴を知る
猫は、ライフステージによってかかりやすい病気や注意すべきポイントが異なるため、それぞれの期間における特徴をよく理解しておく必要があります。
例えば、子猫のうちはまだ十分な免疫が備わっていないため、感染症や下痢・嘔吐などの消化器疾患に注意しなければなりません。
成猫になると子猫の時に比べて体調が安定してきますが、膀胱炎などの泌尿器疾患に注意が必要です。トイレの回数やおしっこの色などをよく確認するようにしましょう。
一方、高齢猫になると腎不全の発症リスクが高まります。また、動かない時間が増えることで肥満になる恐れもあるでしょう。
年齢を重ねるにしたがって、食事管理をしたり運動できるようサポートしたりするなど、さまざまな配慮が必要になるのは猫も人間と同じです。
快適な生活環境を維持する
猫と長く一緒にいるためには、ストレスを与えない快適な生活環境を作ることも意識する必要があります。
休息の場所や食事の場所、トイレなどの環境を整えることはもちろん、高い場所にのぼったり狭い所に入り込んだりできるスペースなど、猫が好きなことをできる環境を用意することも重要です。
また、多頭飼いの場合、十分なスペースがないと猫がストレスを抱えてしまう可能性があります。猫はもともと単独行動を好む生き物と言われており、子猫の頃は仲が良くても成長してから仲が悪くなるというケースもあるようです。多頭飼いする時には、それぞれの猫がストレスを抱えないよう最大限配慮しましょう。
猫は人間よりも早く成長する!
猫は人間の5〜6倍の早さで成長し、1年で人間年齢の18歳程度まで育ちます。
猫の寿命は品種や生活環境によって変わりますが、平均寿命とされているのは15歳前後。しかし、昔と比べて平均寿命は延びていると言い、近年は20歳を超える長寿猫も増えているようです。
また、猫は歯や目などを見ることでもおおよその年齢を推測することができます。野良猫などで年齢がよくわからないという場合は、見分け方のポイントを参考にしてみてください。
すでに猫を飼っている、あるいはこれから飼うという人は、今回紹介した猫と長く一緒にいるためのポイントを踏まえて、愛猫が長生きできるようサポートしてあげましょう。