SBIエステートファイナンスは、「老後資金に対する不安」に関する調査結果を発表した。同調査は2021年12月8日~15日、持ち家がある50歳以上の男女200名を対象に、インターネットで実施した。
老後の暮らしに不安があるか尋ねたところ、91.0%が「ある」と答えた。具体的な不安について聞くと、「健康面で不安がある」(51.5%)が最も多く、「老後の生活資金について不安がある」(48.5%)、「介護について不安がある(自身・配偶者・親など)」(41.5%)が続いている。
老後の不安を解消するため、いくらくらいの老後資金があれば安心と考えているか尋ねると、58%が「2,000万円以上」と回答した。価格帯別に見ると、「2,000万円以上~3,000万円未満」が21.0%、「4,000万円以上~5,000万円未満」が12.5%、「3,000万円以上~4,000万円未満」が11.5%だった。
現時点でいくらくらいの老後資金を準備できているのか尋ねたところ、「2,000万円以上」と回答した割合は27.0%だった。14.5%は「500万円未満」、21.0%は「500万円以上1,000万円未満」、10.5%は「1,000万円以上~2,000万円未満」と答えている。「全く準備できていない」という回答は27.0%だった。老後の不安解消として2,000万円以上欲しい人は約6割だったが、実際は約7割が準備できていないことがわかった。
持ち家とその借入を除く、現金、預貯金、有価証券、不動産などの資産(老後資金として準備している金額も含む)はどのくらいか尋ねると、最も多い回答は「わからない」(32.5%)だった。「2,000万円以上の資産を保有している」と回答した人は27.0%にとどまっている。
今後、持ち家をどのように利用する予定か聞くと、66.5%が「住み続ける」と回答した。「売却する」(7.0%)、「生前のうちに子どもに譲る」(5.5%)など、具体的なプランを持っている人もいる一方、13.5%が「考えたことがない」と回答している。
持ち家の今後についてどのような不安を抱いているか尋ねたところ、最も多い回答は「修繕費やリフォーム代、固定資産税など維持をするための費用が心配」(48.5%)だった。そのほか「家は残したいが、誰も継いでくれない」(12.5%)や、「費用以外の問題で、今の家に住み続けるのが難しくなりそう」(11.0%)など、切実な悩みを抱えている人もいた。
持ち家はどのような経緯で取得したか聞くと、19.5%が「住宅ローンで購入し、現在も返済中」と回答した。前問の「持ち家に抱いている不安」では、6.5%が「住宅ローンを完済できるか心配」と答えており、これらを重ね合わせると、住宅ローン返済中の3人に1人が完済に不安を感じていることがわかった。
持ち家の純資産(持ち家の現在価格から住宅ローンの残高を差し引いた金額)はいくらだと思うか尋ねたところ、「資産価値で1,000万円以上ある」(27.5%)という回答を含め、半数以上が持ち家を資産として価値があると答えている。一方、「わからない」という回答も46.5%とおよそ半数を占めた。「住宅ローン残高のほうが多い」は2.5%とわずかだった。
持ち家を現金化できる方法を示したところ、約12人に1人が「老後の不安が軽減した」と答えた。老後の不安の程度は「変わらない」という回答が多くを占めたが、持ち家を現金化することで不安が和らぐと考えている人も一定数いることがわかった。
持ち家を活用した資金調達法としては、「リースバック」や「リバースモーゲージ」などが挙げられる。認知度について聞いてみると、は「リースバック」が27.5%、「リバースモーゲージ」が31.0%だった。認知度はそれぞれ3割と決して高いとは言えないが、アンケートでは16.0%が「知らなかったが利用してみたい」と回答しており、ライフスタイルや持ち家に対する考え方によっては、有効な資金調達法となる可能性もある。