mineoを展開するオプテージは2月25日、新サービスを3つ発表しました。なかでも「マイそく」は、下り最大1.5Mbpsでデータが使い放題になる月額990円~の新料金プラン。スマホ業界の新たなトレンドとして注目を集めそうです。
ファンとともにサービスを作ってきた
説明会に登壇したオプテージの福留康和氏はその冒頭、2021年のモバイル事業を振りました。まず、料金プランの不満には「マイピタ」(2021年2月提供開始)で応えられたと説明。音声通話付きで5GBなら月額1,518円~、20GBでも月額2,178円~とコスパが良いプランのため、利用者にも好評だそうです。パケット容量の不安には、最大1.5Mbpsでデータ使い放題となる月額385円のオプションサービス「パケット放題Plus」(2021年6月提供開始)で対応。契約に不安を感じる人にはネット、電話、店舗といった複数のチャネルで充実したサポートを提供してきたと話します。
「私たちはファン(利用者)とのコミュニケーションを通じて、mineoにしか実現できないサービスを作ってきました」と福留氏。そして、これから発表する新サービスも「パケットって有効期限なしで繰り越せないの?」「料金を気にせず電話できないの?」「いきなり使うのは不安なんだけどお試しできないの?」といった不満の声をもとに開発した、と明かします。それでは、順を追って紹介しましょう。
パスケットと、専用通話アプリ不要のかけ放題
「パスケット」はパケットの繰り越しサービスで、有効期限なしでパケットを繰り越せるのが特徴です。最大1,000万ギガバイトものパケット容量に対応しており、「事実上、無制限に貯められる」と福留氏。月額110円で4月1日より開始します。
現在も、翌月までなら無料でパケットを繰り越せる仕様ですが、有効期限なく無制限で貯め続けられるのであれば「月によって使うギガにムラがある」なんて人もお得に利用できるでしょう。福留氏は「貯める、増える楽しさもあると思います。貯めた容量でランキングを発表して、特典を付与しても面白そうです」などのアイデアを出していました。
続いては、誰でも安心して電話できる「かけ放題」。専用通話アプリを使う必要はありません。10分かけ放題は月額550円、時間無制限かけ放題は月額1,210円で提供。オプテージでは「業界最安水準」とアピールします。トリプルキャリアに対応。3月1日から提供開始します。
これにともない、既存の専用通話アプリ「mineoでんわ」(10分かけ放題、月額935円)、および「通話定額30」(月額924円)、「通話定額60」(月額1,848円)はいずれも新規受付を停止。既存ユーザーは引き続き利用を継続できるとしています。
そして、契約前に試してみたいという利用者のために、お試し割引キャンペーンを用意。マイピタ基本料金なら3カ月間1,188円が割引に。端末価格は最大16,500円を割引、かけ放題では利用開始月が無料+1年間の月額料金が10分なら110円、時間無制限なら220円も割引になります。福留氏は「この期間に通信品質、アプリの使い勝手などを試してもらえれば」と呼びかけていました。
ユニークな「マイそく」のコンセプト
そして最後に、新しいコンセプトの料金プラン「マイそく」が発表されました。混雑が見込まれる月曜日~金曜日(祝日含む)の昼間12時~13時の通信速度が32kbpsに落ちる代わりに、それ以外の時間帯はパケットが使い放題になります。通信速度の違う2つのコースが用意されており、月額990円の「スタンダード」は下り最大1.5Mbps、月額2,200円の「プレミアム」は下り最大3Mbpsで利用できます(いずれも速度はベストエフォート)。3月7日より提供開始します。
ちなみに、速度のバリエーションについては社内でも検討を重ねたと福留氏。「下り最大1.5Mbpsあれば、ほぼすべてのアプリを問題なくお使いいただけます。そして、より高画質な動画を視聴したい、安心して利用したいというお客様に向けて、3Mbpsのプレミアムをご用意しました」と経緯を説明しました。
なお、もしもの時のため、速度制限を解除して24時間データ使い放題になるオプションも330円で用意します。
福留氏は「マイそくは、マイピタに並ぶ新たな料金プランです。今後もmineoにしか思いつかない独自のサービスを提供し、驚きやワクワクのあるオンリーワンの事業を目指していきます」と話しました。
32kbpsでは遅すぎるが...
このあとメディアの質問に、引き続き福留氏が回答しました。
ターゲット層については「特に限定していません」。
マイそくはMNO(大手通信キャリア)が提供するデータ使い放題プランの対抗策か、という質問には「5G時代になれば、業界各社は『容量無制限プラン』にシフトしていくと想定しています。その一方で、必要なものを必要な分だけ、お手頃な料金で利用したい節約志向のお客様も一定数は残るはず。その両方のニーズに応える必要があると考えて、試金石として今回の新サービスを導入しました」と回答します。
目標とする契約者数について聞かれると「自社調査では、パスケットへの加入意向はユーザーの半数程度でした。そこで初期の目標として、1年後に利用者全体の10%である10万契約を目指します。かけ放題(10分)については、現行の専用アプリが必要な10分かけ放題が10万契約あります。そこで既存サービスを上回る12万契約が目標。かけ放題(時間無制限)については、2万契約が目標です。マイそくについては、お昼休みの通信利用を譲り合う「ゆずるね。」の利用者が毎日5万ユーザーいることを考えて、1年後に4万契約の獲得を目標にやっていきます」と回答しました。
最後の質問は、マイそくの昼間12時~13時の通信速度について。32kbpsでは遅い、500kbpsくらいでは厳しいのか、と聞かれると「いまの料金ではご提供するのが難しいと考えています」と話しました。