俳優の平方元基が舞台『THE 39 STEPS ザ・サーティーナイン・ステップス』の主演を務めることが25日、明らかになった。
同作はイギリス冒険小説の先駆者ジョン・バカンによる小説『三十九階段』(1915年)と、サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督による映画『三十九夜』(1935年)を基に舞台化された。ロンドンで退屈な日々を持て余していたリチャード・ハネイ(平方)は、ある日出かけたミュージックホールでスパイだという謎の美女アナベラ(ソニン)に出会う。しかしアナベラは殺され、容疑者として指名手配されたリチャードは、容疑を晴らすためにアナベラの任務の謎を解き、逃亡劇を繰り広げることとなる。
2006年にはローレンス・オリヴィエ賞の最優秀コメディー賞を受賞、その後はブロードウェイにも進出し、トニー賞にもノミネートされた同作。主演の平方はミュージカルデビュー10周年の節目を迎え、この舞台が“単独初主演”となる。さらにソニンが謎の女スパイのアナベラほか、マーガレット、パメラの3役のヒロインに扮する。本作の見どころの一つである“クラウン(道化)”を務める2人は後日発表予定で、135役を瞬時に演じ分けながら舞台上のセット転換や小道具のセットもこなすという、ハードかつ劇の進行における重要なポジションも担う。
上演台本・演出を手掛けるのは、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』(演出・脚本)、シアタークリエ『SHOW BOY』(原案・演出)など多彩な演劇を作り続けながら、東京2020パラリンピック開会式の演出などマルチに活躍するウォーリー木下。アコーディオン、チェロ、ギターのトリオ編成で現在注目のインストゥルメントバンド“ザッハトルテ”が全編にわたって生演奏を届けていき、劇の幕が下りた後も歌と音楽を楽しめる趣向を用意するという。
平方は「このたびイギリス発のハイパーコメディー作品に出演いたします、平方元基です。ハイパーコメディーとは何ぞや?! と思われた方もいらっしゃると思います。大丈夫です。僕もなんだかわかっていません」とコメント。「しかも4人とも舞台から一度もはけないそうです。恐ろしいですね!!」と苦笑しつつ、「ただ、先日、演出のウォーリー木下さんとお話しした時のワクワクしたこの気持ち、まだ稽古もしてませんが早く皆様と共有したくてたまりません。名前もないようなこの気持ちを共有できるのが舞台の素晴らしさだと思います」と期待を煽る。「シアタークリエで暴れ回ります。どうぞご期待ください」とメッセージを寄せた。
ヒロイン役のソニンは「気心しれた、平方元基くんとの初めてがっつり絡む芝居の化学反応がどうなるのか、東京2020パラリンピック開会式で感動したウォーリー木下さんの演出マジックがどうこの作品を調理してくださるのか、とても楽しみであり、このご縁に運命を感じる事になる予感がしています」と語る。「洒落たコメディでありパロディのこの演劇作品を、この歳で演じる事が出来ることもまた私の一つSTEPになることでしょう」と期待した。
公演は日比谷シアタークリエにて5月1日〜17日。