MMD研究所は2月25日、スマートフォンを使った後払いサービスの利用状況についての調査結果を発表した。メルペイやPaidyなどのいわゆるBNPL(Buy Now Pay Later)のほか、携帯キャリアが古くから提供する電話料金合算払い(キャリア決済)も含む。
2月4日から8日にかけて、スマートフォンを持つ20~69歳の男女8,847人にWeb上で予備調査を実施。後払いサービスの利用経験があると回答した人のうち、555人を抽出して本調査を行った。
「PayPay」「メルペイ」などの後払い機能は認知度高め
予備調査ではまず、後払いサービスの認知率を調査。何らかの後払いサービスを知っているという人は50.4%(4,461人)だった。キャリア決済という特殊な例を除き、クレジットカードやショッピングローンとは異なる与信形態を取る新しい買い方としてのBNPLの純粋な認知度はもう少し低いと考えられる。
知っている後払いサービスの内訳としてはキャリア決済が最も多く、2位以下には有名決済アプリの一機能として提供されている「PayPayあと払い」「メルペイスマート払い」「ファミペイ翌月払い」が続いた。
後払いを主軸とするサービスでは、アップルストアにも採用された「Paidy」が4位、有名芸人を起用したCMなどでの露出が多い「バンドルカード」が5位にランクインした。
利用経験者2,789人に使ったことがあるサービスを聞くと、キャリア決済が61.0%、メルペイスマート払いが19,0%、PayPayあと払いが13.1%。順位の入れ替わりはあるものの、キャリア決済を除くとやはりメルペイやPayPayが強い結果となった。
後払いサービスを使うメリットや不安点は?
利用経験者555人に、スマートフォンを使った後払いサービスを使うメリットを質問したところ、「ポイントがたまる」が44.3%で最多だった。後払いをメイン機能とするサービスの場合は、ポイント還元は少なく手数料がかかるものも多いため、ポイントや節約目的での利用は考えにくい。メルペイスマート払いやPayPayあと払いで開催された大型キャンペーンをきっかけとした利用経験者が多いと見られる。
その他の上位理由としては、「まとめて後日支払うことができる」(32,6%)、「すぐに支払えなくても購入できる」(31.9%)が挙げられた。一方で、不安点としては「使いすぎてしまう」(42.5%)が最多。従来型のローンのような審査の手間、クレジットカードのような番号入力の手間がなく欲しい時にすぐ買えることはBNPLの大きなメリットだが、手軽さゆえのおそろしさも実感されているようだ。
使っていない人はほぼ興味なし?
調査対象者8,847人のうち、後払いサービスを利用したことがない6,058人に今後の利用意向を聞くと、「利用してみたい」または「やや利用してみたい」と答えた人は計13.1%に留まった。
利用しない理由は「クレジットカードで十分だから」(32.1%)が最多で、クレジットカードを持つのに不安がある人や持ちたくない人に向けたサービスが多いことからも、メインターゲット層以外からはあまり縁のないものと認識されている傾向が見られる。