インターネットでのリード獲得が必須となり、昔ながらの中小・中堅企業の大きな課題になっている。そんな時代にNTTタウンページのデジタルマーケティングサービス「デジタルリード」を使って業績を伸ばしているのが、京都で3代続く骨董品店「安尾京栄堂」だ。
3代続く京都の老舗骨董品店「安尾京栄堂」
歴史ある寺社とともにオシャレなカフェや雑貨店が立ち並ぶ、京都の寺町通り。豊臣秀吉によって寺院が集められたことから名付けられたこの通りには、千年の都の貴重な品を取り扱う骨董品店も多い。
そのひとつが3代続く「安尾京栄堂」。昭和18年に創業し、香道具や煎茶道具、中国切手、家具などの骨董品・古美術品を80年近く取り扱っている。店名の由来は「京都で栄える」であり、現代表である安尾栄介氏の名前もそこから名付けられたという。
「もともとは、戦争中に祖母が『家族を食べさせなければ』という思いで始めたお店でした。最初は漆器と美術の店だったんですが、戦争から戻ってきた祖父が古美術や茶器を扱うようになって、本格的に骨董品店として認知されていきました。そして、僕の父が二代目としてお店を引き継ぎます。解体業をしていた僕もその頃から店を継ぐ意識が芽生えていたのですが、23歳のころ父が他界しまして、僕が突然、3代目の代表になりました」
安尾京栄堂を残していくにはどうしたら良いのか……。一念発起した安尾氏は、祖母の介護をしつつ、裏千家の先生の元で茶道を学び始め、そこで骨董品の世界の本当の楽しさに気づいたそうだ。
「京都は空襲の被害もそれほど多くなかったため、まだまだすごい品が眠っています。もともと解体業だった僕は、貴重な文化品がどんどんゴミとして捨てられていく惨状を見て、それをどこかで止めたいとも思っていました」
iタウンページでインターネット展開をスタート
こうして安尾京栄堂の3代目としてお店を切り盛りし、現在では長岡京市で買取専門の支店「京都美術骨董鑑定館」も立ち上げている安尾氏。だが、骨董品店の敷居は高く、日ごろ足を運ばない人がお店を見つけるのは大変だ。潜在的な顧客をつかむためには、広告は欠かせない。
安尾京栄堂も、もともとはタウンページに広告を出稿していた。しかし、電車内に足を踏み入れれば、乗客が見ているのは広告ではなくスマートフォン。安尾氏は、従来からあるメディアに広告を出稿する意味について、疑問を感じていたという。
そこで安尾氏は、NTTタウンページが提供するインターネット電話帳「iタウンページ」へ移行。上位枠表示が行われる「スーパープラン」(検索サイト対策の「Google広告」)を契約する。
「当時は検索エンジン最適化(SEO)などは行っておらず、ただ一番良いプランを選んだだけです。それだけで結構な効果がありまして、"京都"、"買取"みたいな言葉で検索すると、上位にうちが出てくるんですよ。実際、問い合わせも増加しました。骨董品を扱う業者さんの中で知ってる方、上位プランにしている方が少なかったのでしょうね。インターネット広告ってすごく意味があるなと思いました」
デジタルリードでホームページを刷新
そんな折、NTTタウンページに紹介されたのが、2019年9月にリリースされた「デジタルリード」だ。
「iタウンページは良い結果を出しましたし、担当の方にも親身に対応いただいていたので、NTTタウンページさんには信頼を置いていました。『移行するなら早い方が良い』と伺いましたので、『なら、デジタルリードにしてみます』と二つ返事で移行しましたね」
デジタルリードは、中堅・中小企業向けに提供されるデジタルマーケティングサービス。ホームページを起点にしつつも、集客から成約までをワンストップでサポートするのが特徴だ。世界に2億人以上のユーザーを持つWixがプラットフォームを提供し、NTTタウンページが日本市場に合わせたテンプレートやコンテンツを提供している。SEO対策やブログ・SNS連携、スマートフォンへの最適化なども行え、中堅・中小企業の大きな課題である見込み顧客(リード)獲得に大きな力を発揮してくれる。
こうして完成したのが、現在の安尾京栄堂ホームページだ。トップページには、京都の古い町並みや過去の安尾京栄堂の写真を表示。そして、骨董品・古美術品および不用品の買取・リサイクルに特化した情報が掲載されている。
「私の業務は、皆さんのお宅を伺って、商品を裁定して値段を付けることです。ですが、最近は金・プラチナやブランド品の買取を中心に、中古市場がすごく大きくなっていますよね。それらの広告に負けない、人の心に響くホームページはどういうものかな、とずっと考えていました。で、パっと見てうちが京都に根付いた老舗であることを伝えようと思ったんです。それで、『京都寺町に3代続く骨董屋』というフレーズと、押し入れに眠っていた写真を活かしたトップページにしました。お店に行ってだれが出てくるかわからないと不安でしょうから、私の顔写真も掲載しています」
だが、iタウンページからデジタルリードへの移行当初は、逆に業績が下がってしまった時期もあったという。
「これは僕の判断ミスなのですが、移行したのがちょうど支店を立ち上げた時期と重なりまして、広告予算をそれぞれのお店に半分ずつ割り当ててしまったんです。この反省からその後は一点集中することにしたんですが、NTTタウンページの担当さんがすごくこまめに連絡をくれました。『ちょっと伸びてますよ』、『検索ワードはこうしましょう』とか、『ブログ機能使ってみませんか』みたいにね。僕はそういう裏側のことはあまり詳しくないので、非常に助かりました。やると褒めてくれますしね(笑)」
アナログとデジタルの相乗効果に期待
「最近は原点復帰で、紙面も面白いなと思っており電話帳の広告を復活させました。タウンページの在り方も変わってきていて、昔はNTTの電話回線を引いているお家にしか届きませんでした。でも、いまは幅広い世帯に届きます。お年寄りはあまりデジタル端末をうまく使えません。取り残されている人がたくさんいますから、あえてアナログに回帰することで見てくれる人もいるのではないかと。紙面を読むと逆に競合他社は減っていますからね」
長岡京市のお店では、看板広告も出しているそうだ。これはちょっとした会話のきっかけになったり、看板を見てインターネット検索をする人がいるからだという。アナログとデジタルの両方による相乗効果に、安尾氏は期待を込める。さらに、4月1日には埼玉県にも新店舗をオープン予定だと同氏は明かし、地元のタウンページにも掲載予定と話した。
「僕はアナログな人間で、自分でホームページを作れと言われたら絶対にできません。そんな僕が『どこに頼んだらいいかな?』と聞かれたら、やっぱりNTTタウンページさんを紹介すると思います。担当の方は本当に親身に対応してくれますし、良かったと思っています。一番初めに『じゃあホームページを作ってみよう』という点でいうと、本当に安くできるサービスだと感じています」