ペルシャ猫と言えば、ふわふわとした毛で優雅なイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。その見た目から猫の王様と呼ばれることもあります。根強いファンも多く、古くから愛されている猫種です。
この記事ではペルシャ猫の特徴やお手入れ方法について紹介します。また、気になるチンチラとの違いについても解説しているので、気になる人はぜひご一読ください。
ペルシャ猫とは
ペルシャ猫は、豊かな被毛に覆われた長毛種の猫です。おっとりした性格とゴージャスさを感じさせる風貌から、長毛種のキング・クイーンとも言われています。
長毛種の一種
ペルシャ猫は、ふわふわとしたボリュームのある毛が印象的。柔らかく触り心地のよい質感が特徴です。
被毛の構造にも種類があり、ペルシャ猫はダブルコートと呼ばれる種類。被毛が1層であるシングルコートと異なり、オーバーコートとアンダーコートの2層の被毛を持っています。そのため、シングルコートの猫種にくらべてペルシャ猫は体が大きく見えるのです。
なお、オーバーコートは紫外線から皮膚を守り、アンダーコートは保温の役割を果たしています。
ペルシャ猫の起源
ペルシャ猫と言うだけに、現在のイランであるペルシャが発祥だと考える人が多いでしょう。しかし、ペルシャ猫の起源には諸説あり、正確な起源はわかっていないと言います。ただ、古くからいる猫種であることはわかっていて、18世紀ごろにはすでにヨーロッパでペットとして人気を集めていたそうです。
ペルシャ猫の身体的特徴
ペルシャ猫は豊かな被毛だけでなく、ほかにも特徴を持っています。ここでは、ペルシャ猫の身体的特徴について見ていきましょう。
丸顔
ペルシャ猫は大きな丸い目と低くて上向きな鼻を持ち、丸顔なのが特徴的。両目の間にある深いくぼみはノーズブレイクと呼ばれており、愛嬌のある顔立ちを際立てるチャームポイントの一つです。
短足で骨太
ペルシャ猫は胴が短く、かつ短足で骨太な体格。長い被毛とは対照的に首やしっぽも短く、全体的に丸みを帯びた身体です。標準的な体重は3.0kg~5.5kgとされ、中型から大型の部類に入ります。
毛色の種類
毛色の種類は、単色からバイカラーや三毛、しま模様などさまざま。根元がホワイトで毛先に色がついているタイプはシェーデッドと呼ばれる種類です。
単色ではホワイトやクリームが多く見られますが、ブルーやレッド、ブラックなどの毛色もいます。バイカラーの場合は、白をベースにいずれかの有色が入るかたちです。
ペルシャ猫の性格
個体や毛色によって性格の差はありますが、一般的に言われているペルシャ猫の性格について紹介していきます。
穏やかで落ち着いている
ペルシャ猫は優しく穏やかで控えめ、落ち着いた性格が特徴です。猫の中には活発で動き回るタイプもいますが、ペルシャ猫はゆったりとくつろいで過ごすのが好きなタイプだとされています。
大人しいため子どものいる家庭でも迎え入れやすいと言われていますが、臆病な一面があるので、小さなお子さんがいる場合は注意しましょう。
気分屋
いわゆる「甘えん坊」と言われるタイプではありませんが、気分屋なので甘えてくることもあります。ただし、ベタベタと触るような過剰にかまう行為は基本的に好みません。
ペルシャ猫とチンチラの違い
「ペルシャとチンチラの見分けがつかない」という声がよく聞かれます。同じような特徴的な丸顔と豊かな被毛を持っていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
チンチラはペルシャ猫の一種
実は、チンチラはペルシャ猫の毛色の一種で、猫種としては同じです。毛色がゴールドかシルバーの単色、またはどちらかのシェーデッドタイプのペルシャ猫をチンチラと呼びます。
ほかの毛色と同じく丸顔で丸みを帯びた体型で、性格にも特に違いはありませんが、毛色が明るいのが特徴。また、目の色は緑か青のどちらかです。
独立した品種ではない
チンチラをペルシャ猫の一種ではなく、独立した種類として扱うよう求める愛好家もいるようで、実際に海外の一部の団体では独立品種として認めているケースもあります。ただし、その数は少なく、基本的にはペルシャ猫の一種というのが一般的です。
ペルシャ猫のお手入れ方法
ペルシャ猫の美しい被毛を保つためには、こまめなお手入れが必要です。ここでは、ペルシャ猫のお手入れ方法について解説します。
ブラッシング
ペルシャ猫にはブラッシングによる入念なケアが欠かせません。ペルシャ猫はダブルコートの長毛種に分類されるため、抜け毛が多いのが特徴です。夏毛と冬毛があり、換毛期には特に大量の毛が抜けます。
ブラッシングを怠ると病気のリスクも出てくるので、健康を保つためにもブラッシングはこまめに行いましょう。
抜け毛対策
ペルシャ猫は元々抜け毛が多い種類であり、毛が抜けることを防ぐことはできません。また、落ちた抜け毛を放置しておくと猫が食べてしまう可能性があるので、部屋の掃除もこまめに行いましょう。
ペルシャ猫の気をつけたい病気
猫を飼うなら、あらかじめ知識を付けておいて病気の予防に努めたいもの。ペルシャ猫には、いくつかかかりやすいと言われる病気があります。
ここからは、ペルシャ猫の気をつけたい病気について紹介していきます。日頃の病気対策に役立ててください。
毛球症
毛球症とは飲み込んだ毛が胃や腸の中で塊になってしまい、嘔吐や食欲不振などの体調不良を引き起こす病気です。
ペルシャ猫は毛量が多いため、ケアを怠ると毛づくろいをする際に毛をたくさん飲み込んでしまいます。このような事態を避けるためにもブラッシングを欠かさず、飲み込む毛を極力減らしてあげましょう。
眼瞼内反症
眼瞼内反症とは、まぶたが内側に入り込んでしまい、眼球にまつげや皮膚が接触することで炎症を引き起こす病気です。涙の量やまばたきが増えたり、目をよくこすったりするような症状が見られ、ペルシャのほかヒマラヤンなどの猫種でかかりやすい病気と言われています。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に嚢胞と呼ばれる液体の入った袋がいくつもできることで、腎機能が低下していく病気。
遺伝性の病気であり、日頃のケアでは防ぎにくいのが実情です。かかった場合は投薬や食事療法での治療を行います。早期発見するためにも、日頃から体調管理と観察に努めておきましょう。
ペルシャ猫はブラッシングが大事!
ペルシャ猫は、ふわふわとした毛並みと全体的に丸みを帯びた体型が特徴的な長毛種の猫です。気品のある見た目と穏やかな性格から、長毛猫のキング・クイーンとも呼ばれています。
毛色はホワイトやブルーなどの単色から、バイカラーや三毛などさまざま。その中の一種にチンチラも含まれます。チンチラをペルシャ猫とは別の種類だと思っている人も多いようですが、独立した品種ではなく、ペルシャ猫の一部となります。
また、ペルシャ猫は長毛種であるため、ブラッシングをこまめに行う必要があります。ブラッシングを怠ることによってかかりやすくなる病気もあるので、飼う際はブラッシングを欠かさず行いましょう。