MMD研究所は、NTTドコモの「エコノミーMVNO」についての調査を行い、その結果を発表した。調査によれば、エコノミーMVNOについて認知ししているという人は全体の24.4%。内容まで理解しているという人は12.0%にとどまった。
2021年10月に発表されたNTTドコモの「エコノミーMVNO」は、NTTドコモがMVNO事業者と連携して低廉な料金プランを展開していく施策。MVNO事業者がサービスを提供し、料金支払いにdポイントを利用したり、マイページの認証にdアカウントを利用したりといった連携が行われるほか、全国のどこもショップでエコノミーMVNOの新規契約等が行える。これまでにOCNモバイルONE/トーンモバイルがこのエコノミーMVNOの対象となっている。
この調査では、予備調査として20~79歳の男女30,000人を対象としてエコノミーMVNOの認知度・理解度を調査し、そのうえで内容を理解している人/サービスの利用を検討している人を抽出して詳細の調査を行っている。
エコノミーMVNOの利用状況を尋ねた予備調査の結果と、それに体してファネル分析を行った結果が次のグラフ。エコノミーMVNOを認知しているという人は全体の24.4%、内容を理解しているという人は12.0。利用経験があるという人が全体の2.0%おり、現在利用しているという人は1.3%だった。認知度は決して高くはないが、内容を理解しているという人の6人に1人に利用経験があるというのは比較的高い割合といえる。
前述のとおり、エコノミーMVNOの対象となるMVNOサービスにはOCNモバイルONEとトーンモバイルの2つがある。エコノミーMVNOの内容を理解しているという3,586人にそれぞれMVNO事業者の認知度を聞くと、OCNモバイルONEの認知は82.8%、トーンモバイルは59.9%という結果。年齢別にみると、OCNモバイルONEの認知度は世代ごとでさほど変化がないのに比べ、トーンモバイルは20代ではOCNモバイルと大きな差がないものの、年齢が上がるにつれて認知が顕著に下がっている。トーンモバイルは2月にシニアをメインターゲットとするオリジナルスマートフォン「TONE e21 rev.2」を発表しており、この製品でシニア層の開拓を図りたいところだろう。
「エコノミーMVNOの利用を検討している」という618人に現在契約している通信会社を聞いた結果が次のグラフ。NTTドコモの施策だから当然というべきか、ドコモ/ahamoを合わせたドコモ利用者が36.7%と多い。他キャリアでは楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)利用者が10.4%とシェアに比して高い数字で、価格メリットに敏感なユーザーが多いことを反映しているようだ。
エコノミーMVNO以外に検討している通信会社としては、「ahamo」「楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI」「povo」が上位。
予備調査の際にエコノミーMVNOに興味・関心があり、エコノミーMVNOの利用を検討しているという264人に魅力に感じている点を聞いたのが次のグラフ。トップは「低価格・低容量」で、2~4位がドコモとの連携によるメリットが挙げられている。総じていえば、ドコモ回線のサービスを自分のスタイルにあった低料金・低容量プランで利用したいというユーザーが多いようだ。
調査概要
- 調査名:ドコモのエコノミーMVNOに関する調査
- 調査期間:2022年2月3日~2月7日
- 有効回答:予備調査30,000人、本調査958人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象 予備調査:20歳~79歳の男女、本調査:ドコモのエコノミーMVNOに興味・関心がある人