せっかく手に入れたマイホーム。少しでも長く住みたいというのは誰もが願うことだろう。しかしその一方で、高温多湿で自然災害が多い日本にあっては家の寿命、特に戸建ての寿命はいったいどのくらいなのかという点も、大いに気になるところだ。
そこで今回は、新築・戸建て物件に30年以上住んでいるマイナビニュース男女会員175人を対象にアンケート調査を実施。「一戸建ての寿命は何年くらいだと思うか」などを聞いた。
Q.あなたの住宅は木造ですか? 鉄筋・鉄骨造ですか?
「木造」(84.0%)
「鉄筋・鉄骨造」(16.0%)
Q.一戸建ての寿命は何年くらいだと思いますか?
「30〜39年」(6.3%)
「40〜49年」(19.4%)
「50〜59年」(34.3%)
「60〜69年」(14.9%)
「70〜79年」(5.7%)
「80〜89年」(4.6%)
「90〜99年」(1.1%)
「100年以上」(13.7%)
Q.なぜそう思うのか理由を教えてください(自由回答)
■「30〜39年」
・「古くて不便だから」(59歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「常に修繕を繰り返していたら何年でも使えると思うが、大きな修繕をするとなると、主人の収入面のピークが過ぎた40年ぐらいが限度だと思う。それ以上住むとなると、売却して小さい家に移るなどすると思う」(53歳男性/専門コンサルタント/専門職関連)
・「住み始めてから20年ほどで地下に埋めてある水道管が破裂して、気が付くまで水道代が大幅にかかってしまいました。思った以上に住居の傷みは早く、水周りのほかに壁のクロスも剥がれてきて張替えが必要でした。他にも屋根の瓦が破損して、雨漏りが発生することもありました。自然災害でカーポートの屋根が飛ばされて治すのに大幅な出費が発生して、修繕費用を捻出するのが大変でした」(54歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
■「40〜49年」
・「修繕をしっかりしていれば問題ないと考えている」(66歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「すでに35年ほど住んでいるが、定期的な補修のおかげか、まだ十分に住める」(77歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「現在の基準と比べたら耐震性等不安要素が多い」(53歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「既に40年程度住んでいるが、そろそろ建て替えを必要かなと」(52歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「25年を過ぎた頃から水廻りに支障が出て、それからあちこち問題が発生した。修繕していけば、このくらいは持つだろうと思っている。基礎の部分は限界があると思うので、このくらいが妥当かと」(62歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「実際、自分の家ももうすぐ50年になるが、結構傷んでいる。昔は2×4みたいな工法は無く木造在来の建て方だったので、木部が腐り始めているので50年が限界かなと思っている」(60歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「木造なので、ところどころ傷んできてる。特に大地震がきたら、もうダメだと思うことがあります」(58歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
■「50〜59年」
・「既に30年住んでいるので、40から50年は頑張って欲しいと言う願望です」(66歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「既に40年住んでいるが、もう少し大丈夫そう」(53歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「最近の住宅は、修繕しながら住んでもこれくらいで建て替えると思う」(59歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「今住んでいる家が40年近いので、そろそろ不具合が出てるみたいだからです」(60歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「現在50年住んでいるが、全てについて問題が出ている」(59歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「地盤の優劣にもよるが、大規模な修繕がかかる頃合いが50年くらいかと思う」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「あちこちが傷んできて修繕費用が高くなって、新築のローンを払っている方が良いと思うからです」(52歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「建売だと安く作ってあるので、40年も持たない。注文住宅で基礎工事にお金をかけてあれば、多少の補修をしながら50年以上は持つ」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「在来住宅なので、手入れしていればもっと持つとは思うけど、あまり気を遣っていないから」(52歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「約50年住んでいて、傷んでいる箇所が多くなってきた。そろそろ建て替えかな?、と実感している」(57歳男性/繊維・アパレル/販売・サービス関連)
・「これくらい持てば人生が終わるから」(61歳男性/官公庁/公共サービス関連)
■「60〜69年」
・「木造30年、鉄筋60年が固定資産の基準」(75歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「今、新築の家は耐震も含め、長持ちするような作りになっていると思うから」(50歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「今現在で38年目であるが、まだ全然大丈夫です。水回りでいうとリフォームはあとキッチン周りくらいかな」(68歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「現在の住まいが55年を経過しました。補修を行ったことにより、あと10数年は住むことが出来ると考えます」(81歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ぼろくはなってきたけど、なんとかもってる。これでいいと納得してる。見栄さえはらなけりゃ住めるから、これでいい」(51歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「30年ほど住んでいるが、寿命というよりは台風などの自然災害の方か被害が大きい場合があるので、一概には言えない」(79歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「いたる所に問題が起きて、修繕工事にお金が多くかかってくるから」(52歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
■「70〜79年」
・「現在で45年ぐらい住んでますが、まだまだ持ちそうなんで」(52歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「最初にしっかり作って、しっかり維持(修繕)していればこれくらいは大丈夫かと」(56歳男性/非鉄金属/IT関連技術職)
・「新築後60年以上経過しても、シッカリしている家が周囲に多い」(60歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
■「80〜89年」
・「家は築45年ほどだが、いつまでもつのかわからないが死ぬまで住むつもり」(60歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「実家を築70年ほどで取り壊したが、大工さんからまだまだ使えると言われた」(81歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「現在40年経過。メインテナンス・リフォームはしっかり実施しており、状態も新築時からほとんど変わっていないことから、今後同じ年数以上は十分耐用出来ると思う」(71歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
■「90〜99年」
・「使っている木材、土壁によると思う。見えないところに金を使うかどうか。あとは家の位置、風通しが良いか悪いか」(59歳男性/その他/その他・専業主婦等)
■「100年以上」
・「40年以上住んでいるが、なんともないから」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「100年住宅が売りの工務店で建ててもらった」(67歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「CMで『100年住宅住めます』とやっていたので……今住んでいる家も台風、地震に負けずに何とか住んでいる」(63歳男性/食品/その他技術職)
・「きちんとした、信用のおける方に家の状況を見ていただき、修繕していただく。実際、何百年も経っている建物がいくつもあります」(71歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「修復しだいでは半永久だと思っています! が、実際は大変な山が定期的にくるので……50〜60年住めば木造住宅としては頑張った方かな!?、と思います」(56歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「もう建て替える資金がないから、そう思うようにしている」(56歳男性/その他/その他・専業主婦等)
■総評
新築・戸建て物件に30年以上住んでいる人に、一戸建ての寿命は何年くらいだと思うかを聞いたところ、最多は34.3%を集めた「50〜59年」となった。以下、2位「40〜49年」(19.4%)、3位「60〜69年」(14.9%)、4位「100年以上」(13.7%)と続いている。「50年以上」とする人が全体の74.3%を占めており、約4分の3は一戸建ては半世紀以上持つと考えていることがわかった。
次に、なぜそう思うのか理由を訊ねた。各年数で共通して「実際に住んでいる実感」をもとに建物の寿命を判断しているというケースが多い。「木造と鉄筋では違うでしょうが、あちこちガタが来ているのを実感するからです」(「40〜49年」)、「40年過ぎから、くたびれて来た」(「50〜59年」)、「いま40年くらい住んでいるが、修繕などをしていればあと20年くらいは住めそうに感じる」(「60〜69年」)。
「実家がそのくらい経過しているから」(「70〜79年」)、「自分の住んでいる家が現在、修繕とか増築しながら築70年近くで、あと20年ぐらいはそんな風にできると思う」(「80〜89年」)など、「今がこのくらいだから、まだいける」や「現状がこうだから、もう限界」といった声が目立っている。
また、「定期的なメンテナンスで長く住める」「修繕次第で家の寿命は延びる」という意見も多い。こまめなメンテナンスや修繕、節目でのリフォームなどを丁寧に施すことで長く快適に住める、というのは多くの人に共通の認識のようだ、
そのほか、在来工法やツーバイフォー工法、建売と注文住宅、木造と鉄筋などで寿命が異なってくるといった意見や、素材や基礎がしっかりしている家は長持ちする、といったコメントもあった。
中には、「これくらい持てば人生が終わるから」(「50〜59年」)や「もう建て替える資金がないから、そう思うようにしている」(「100年以上」)など、思わず身につまされるような声も寄せられている。
今回のアンケートでは、一戸建ての寿命は「50年以上」と認識している人が大多数を占めた。また、こまめな修繕や丁寧なリフォームによって家の寿命は延ばせると考える人も多い。これからマイホームの購入を考えている人や、いま現在持ち家に住んでいる人にとっても示唆に富んだ調査結果となったのではないだろうか。
調査時期: 2022年2月1日
調査対象: 新築・戸建て物件に30年以上住んでいるマイナビニュース男女会員
調査数: 175人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません