モデルとして華々しく活躍し、注目されるKoki,(※oの正式表記はマクロン付き)が、映画『牛首村』で女優として初挑戦・初主演を務めることで話題を呼んでいる。同作は清水崇監督による『犬鳴村』『樹海村』に続く「恐怖の村」シリーズの第3弾で、北陸に実在する最凶の心霊スポット坪野鉱泉を舞台としたホラー映画となる。
心霊動画を見たことから恐怖体験に巻き込まれていく女子高生・雨宮奏音と、心霊動画で失踪した妹・詩音の一人二役という難役に初主演ながら挑んだKoki,。さらに奏音に恋する同級生・香月蓮役には萩原利久、詩音の恋人・倉木将太役には高橋文哉と、注目の若手俳優が集まった。今回は撮影を通して仲を深めていったという3人にインタビュー。お互いの印象から、演じた計4人の人物から誰派!? といった話も聞いた。
■完成した作品には「ウルウル」
——実際に完成した作品を観て、出演されている皆さんはどのような感想を持ちましたか?
Koki,:1カ月半、皆さんと一緒にチームで作ったものがひとつの映画になったのだなということに感動しました。撮影の裏側を思い出してウルウルしてしまいました。
萩原:撮影している時はCGを想定していて完成が見えない部分が多かったので、完成した作品を観るのがすごく楽しかったですし、自分の想像していた以上のものがスクリーンあったので、心がワクワクするような感覚でした。
高橋:僕はホラー映画を最初から最後までちゃんと見たことが、人生で1度もなかったんです。清水監督が手がけられた『犬鳴村』『樹海村』のDVDもいただいて見ようと試みたんですけど、最初の5〜10分で目をつぶりすぎて断念しました。それぐらい本当に僕自身苦手だったんですけど、こうして参加させていただいて『牛首村』が初めてちゃんと見たホラー映画になり、魅力やハラハラドキドキを感じられて、すごく新しい発見でした。
——Koki,さんは今回一人二役、さらに姉妹役ということだったと思うんですが、なんか普段の姉妹の感じがちょっと出たなとか、実際にお姉さんがいることが役作りに役立ったってことはありますか?
Koki,:「もし自分が奏音だったら」と考え、詩音を守りたいという気持ちや、奏音が詩音のことを大切に思っている気持ちに共感することができたので、役作りにも反映することができました。自然と、相手を大切に思う気持ちが出てきました。
——一人二役を演じるKoki,さんの姿を見て、お二人はどう感じましたか? 奏音と詩音が一緒にいるシーンもけっこうあって、苦労があったのかなと作品を見ていて思いました。
萩原:僕は一人二役を経験したことがないので、Koki,ちゃんがどう演じられるのか想像つきませんでした。奏音と詩音を同じシーンで演じ、すぐに切り替えなければいけないという日もあったんですけど、本当に変わるんですよね。衣装なども変わりますけど、それ以上に人が変わる。だからこちらも一緒に現場にいて戸惑うこともないし、肌で感じ取れるのはすごいです。
高橋:本当にKoki,ちゃんは大変だろうなと思いながら演じていました。奏音で1度お芝居をやって、そのあとに自分がやった奏音が前にいるのを想像して詩音を演じなければいけないということも何回かあって、そこに立ち会っていたので、初出演の作品でこれを演じるなんてプレッシャーなんじゃないかな、と思って。でも僕が演じる将太から見ても、本当に詩音と奏音にしか見えなかったです。
——今回が初共演となり、お互いの印象はいかがでしたか?
Koki,:利久くんはとても明るい印象で、文哉くんは優しい雰囲気のある方だなと思いました。 撮影を通じて、利久くんがさらにお茶目でキュートでフランクな人でしたし、文哉くんはとても優しくて明るくて、こちらを笑顔にさせてくれる人でした。
萩原:嬉しいです。僕は最初勝手に構えていて、一応最年長だし先輩らしくいようと考えていたんですけど、2人に会ってみたらその考えが吹き飛ぶくらい明るくてまっすぐで素直で、同級生のような感覚で話してくれたんです。Koki,ちゃんは3人の中で1番明るいんじゃないかなと思うくらい、太陽のようなエネルギーを持っていました。文哉は、実は僕よりもさらにお茶目なんじゃないかな。少年のようなところがあって撮影中に何度も救われました。
高橋:僕もKoki,ちゃんにお会いするまで勝手にクールなイメージを持っていたんですけど、いざお会いすると明るくて太陽のような存在だったので、ギャップにすごく驚きました。利久くんは初対面の時に2人だけになる瞬間があって、僕は人見知りなところがあるのでどうしようと戸惑っていたんですけど、たくさん質問をして沈黙の時間を作らないように気を使ってくださって、優しい先輩でした。現場にもすごく明るい雰囲気があって、僕がその馴染みやすい空気をKoki,ちゃんも利久くんも作ってくださって、感謝しかないです。
■蓮or将太、奏音or詩音
——Koki,さんは奏音として蓮と、詩音として将太と接することが多かったと思いますが、実際はどっち派なのかということも気になりました。
Koki,:“どっち派”ですか!? どうしよう……。
萩原:おお〜。
Koki,:蓮は、奏音がいくら冷たくしてもずっと寄り添ってくれるところがあって。将太は詩音を守ってくれるし、一緒にいられる時間が空いてしまってもずっと思い続けてくれる。両方素敵だなと思います。
萩原:いやもう、光栄でございます。
Koki,:(笑)
萩原:どう答えるんだろうとドキドキしてたんです。ありがとうございます!(笑) 蓮としては、奏音がよくやり取りに付き合ってくれてるなあ、と。日常のシーンを撮り終わるたびに「蓮、馬鹿だよなあ」みたいな会話をしてました。でも、めげないメンタルの強さにはリスペクトがあります。
Koki,:本当に。
高橋:将太も、すごいですよ。だって、高校生であんな戦えないもん。
萩原:たしかに。でも大前提として、蓮が将太を助けているってことは忘れないでいただきたい! 命の恩人と言っても過言ではないので!(笑)
高橋:まあ、たしかに蓮に助けてもらったことは大きい(笑)
Koki,&萩原:(笑)
高橋:僕は将太を演じて、すごく蓮に惹かれました。
萩原:本当!? 将太と2人で寝るときに会話しているシーンも、面白かったね。ずっと緊張感のあるホラーシーンを撮っていた中で、久々に来た日常的なシーンだったので、急にスタッフさんのテンションが上がっていて。
高橋:「撮るぜ撮るぜ〜!」みたいな感じだった(笑)
——どちらもKoki,さんが演じていますが、逆に男性お二人は奏音派か詩音派かと言われたらいかがですか?
高橋:高橋文哉として考えると、ちょっと難しいな……。
萩原:僕は奏音かな。周りの方から「子供っぽい」言われることが多いので、お姉さん的な人のが引っ張ってくれてくれそう。
高橋:僕はやっぱり、詩音ですね。髪を結んでいるのが好きなので……。
Koki,:そこなの!?(笑)
高橋:(笑) あとはやっぱり、僕が将太として見た詩音の顔がすごくかわいらしくて、助けたいと思えるような表情をたくさん見てしまった分、影響を受けています。僕も末っ子なので、利久くんと同じように普段は支えられた方が良いから奏音派のはずなんですけど、将太を演じている効果で、今回は詩音派になりました。
——最後に、Koki,さんが注目して欲しいシーンもぜひ教えて下さい。
Koki,:本当にたくさんあって決めるのが難しいんですけど、台本をいただいてはじめて読んだ時からずっと自分の中で好きなシーンとして、クライマックスの崖のシーンをぜひ見ていただきたいです。奏音がどうやって感じているんだろうとすごく考えたシーンなので、自分としても特に印象に残っていて、注目していただけたら嬉しいです。
■Koki,
2003年2月5日生まれ、東京都出身。2018年5月『エル・ジャポン』のカバーで、モデルデビュー。その後、国内外のファッション誌のカバーやラグジュアリーブランドのアンバサダー、CM出演や、2019年5月にはパリでランウェイデビューを果たすなど異例の早さでキャリアを積み上げる。また、音楽分野でも、中島美嘉や三浦大知、工藤静香に楽曲提供するなど、作曲の才能を発揮している。女優としては、本作が初出演となる。
■萩原利久
1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。2008年デビュー。2016年に『イノセント15』で映画初主演を果たす。ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)、『美しい彼』(21年)などで注目を浴び、若手の実力派俳優として活躍中。近年の映画出演作に『アイネクライネナハトムジーク』『十二人の死にたい子どもたち』『恐怖人形』(19年)、『花束みたいな恋をした』『Bittersand』(21年)など。
■高橋文哉
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年に令和初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン』の主演に抜擢され、降多数の話題作に出演。2021年の出演作に『夢中さ、きみに。』『着飾る恋には理由があって』『うきわ-友達以上、不倫未満』『僕らが殺した、最愛のキミ』『最愛』、映画『DIVOC-12「死霊軍団 怒りのDIY」』『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』など。