同性カップルの不安と葛藤に密着したカンテレのドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント カノジョと私の家族のカタチ』が、25日(25:25~ ※関西ローカル)に放送される。
京都市に“ふうふ”として暮らす麻智さんとテレサさんはアメリカでは婚姻関係だが、日本では結婚ができていない。2人は同性カップルの関係を法的に保障する制度をつくるための第一歩として、大阪地裁で国を相手に訴えを起こした。同様の裁判は、全国5カ所で行われている。
麻智さんは、大学生の頃に恋人が同性だったと母に打ち明けたが「まだ若いんだから、病気みたいなものじゃないの?」と言われ、ショックを受けたと話す。
ゆいさんとゆりさんは海外の精子バンクの同じドナーから精子提供を受け、それぞれが妊娠、出産をした。堂々と生きる姿を子どもたちに見せるため、ゆいさんは取材の中でカミングアウトを決めた。しかし、取材を受けることで子どもたちが誹謗中傷の対象になってしまうのではないかと考えると、今も心は落ち着かない。
子育てを希望し、実際に子育てをするLGBTQカップルが増えている一方で、ネット上では「親のエゴ」「子供がかわいそう」といったコメントは少なくない。理解があるとは言いがたい社会で、世の中に発信することへの不安と葛藤に向き合いながら、取材を受けている。
ナレーションを担当する大東駿介は「愛に対する価値観を法律で定めているということが、時代がどんどん変わっていっているのに、前に進んでいないとすごく感じました」とコメント。
カミングアウトについて「すごい勇気だと思いました。自分の人生は自分で生きる、自分でデザインするということを放棄しない。とても健康的だし、今をよりよく生き抜く方法なのかなと思います。彼女たちが傷つきながらも可能性を広げようとしている様がすごく共感できたし、背中を押されました」と話している。