みなさんは、伝統ナポリピッツァのニューウェーブと言われている「ピッツァ・コンテンポラネア」をご存じだろうか? 高く膨らんだ縁「コルニチョーネ」が特徴で、近年イタリアを中心に若い世代のピザ職人の間で流行している"現代風ピザ"を意味するそうだ。
日本ではまだまだ聞き慣れない"現代風ピザ"、いったいどのような味わいなのか。東京・代々木上原のオールデイダイニング「GOOD TOWN BAKEHOUSE」で3月から提供が始まるのに合わせて、試食させていただいた。
新食感! 空気をたっぷりふくんだ"デカい縁"はもっちり・ふわふわ!!
同店で提供が始まるのは、ナポリピッツァの定番であるマリナーラやマルゲリータ、チチニエッリをはじめとする12種類の「ピッツァ・コンテンポラネア」。北海道産の小麦と全粒粉を配合した生地を、天然酵母で24時間かけて低温熟成発酵させ、高温・短時間(520度・90秒)で焼き上げている。
お店の方によると「ピッツァ・コンテンポラネア」の大きな特徴である大きな縁"コルニチョーネ"を作るために、何度も試行錯誤を重ねたとのこと。生地をのばす過程で、空気を外側に送り込むようにして縁をつくっていくのだが、バランスよく空気を入れるのがとても難しいのだそうだ。
私は定番「マルゲリータ」(1,870円)を試食させていただいたが、ピザの断面を見ると確かに空気がたっぷり入っている! 一見ボリューミーな見た目だが、外側はパリッと薄く、中は空気をたっぷり含んだ生地のおかげで、ふわっと軽いくちどけが印象的。そして、水もたっぷり含んでいるのでもっちりふわふわな食感が楽しめる。
マルゲリータには『渋谷CHEESE STAND』の「出来たてモッツァレラ」が使われていて、フレッシュでぷりぷりな弾力あるチーズと、もちふわなピザ生地の多幸感あふれるダブル食感もたまらなかった。
"小麦粉の発注ミス"がきっかけで生まれた新メニュー
お店の方にお話を伺うと、「ピッツァ・コンテンポラネア」誕生のきっかけは"小麦粉の発注ミス"だったのだとか。
「発注ミスで届いたいつもとは違う小麦粉でどうにかピザが作れないだろうか考え、思いついたのが『コンテンポラネア』でした」。
これまで作っていたナポリの伝統的なピザに使うには生地がふくらみすぎてしまうけれど、せっかく生地がふくらむのならば縁をふくらませる『コンテンポラネア』を作ればいいのでは? そんな発想の展開で生まれた新メニューなのだ。
同店によれば、ナポリの老舗製粉メーカーが専用の小麦を発売したり、イタリア政府公認の「真のナポリピッツァ協会」がメニューの一つとしてコンテンポラネアを加えることを認めるなど、一過性のブームではなく、一つのジャンルとして定着してきているとも言われている「ピッツァ・コンテンポラネア」。
コロナ禍で世界中を自由に飛び回ることが難しい今、イタリアの最新トレンドをぜひ都内で感じてみてはいかがだろうか。