「東京23区に住む」と一口で言っても、23区は結構広いもの。勤務先や通学先など、自分が良く行くエリアにアクセスしやすいことは住む場所を選ぶ際の条件に入れる方は多いでしょう。
そんな「繁華街へのアクセス時間」を一覧にした地図が話題になりました。投稿者は、地図情報などを活用してさまざまなデータを可視化しているにゃんこそばさん(@ShinagawaJP)です。
東京都心&副都心まで「だいたい45分」で行ける範囲を地図にしてみた。
春の住まい探し、城南・城西(山手線の南~西側)の人気の理由が分かる気がする。他の地方もリプライにぶら下げていきます。【出典】RESAS「近距離移動時間分析」※鉄道・バス利用。徒歩や待ち時間を含む平均時間です。(@ShinagawaJPより引用)
まずは「東京駅周辺まで『だいたい45分』で行ける範囲は?」という地図。目的地は丸ノ内線東京駅付近を設定しています。赤は「0~20分」、オレンジは「20~30分」、黄色は「30~45分」、カーキは「45~60分」と、東京駅周辺にかかるまでのおおよその時間が視覚化されています。
赤く塗られた東京駅まで20分圏内のエリアを見ると、北は上野、南は新橋と思いきや、JR浜松町駅、JR田町駅周辺は飛び地になっています。また左下を見ると、45分圏内の黄色いエリアにぽつんと「新横浜」が。東海道新幹線の利用を想定しているようです。
目的地から距離が離れていても、通る路線や急行が止まるか駅かどうかでこんなにも左右されるんですね。
池袋駅周辺までは、東武東上線、西武池袋線、埼京線沿線からのアクセスが便利そう。
こちらは新宿駅西口まで「だいたい45分」の地図。東京や池袋に比べると、JR中央線や京王線方面などアクセスが良い地域はより西側に向かって広がっています。
4枚目は渋谷駅周辺までの地図。東急東横線の武蔵小杉や日吉、東急田園都市線沿線の武蔵溝ノ口、鷺沼、たまプラーザ、あざみ野、小田急小田原線の登戸も45分圏内です。
にゃんこそばさんは、東京以外にも近畿地方版(四条烏丸駅、大阪駅、なんば駅、神戸の大丸前)や、日本の主要都市である名古屋・福岡、札幌、仙台、広島、北九州(小倉)、多摩地方の商業都市版(八王子駅、立川駅、町田駅、吉祥寺駅)といったデータも投稿されています。今自分が住んでいる場所や沿線を見るのはもちろん、意外とここに住んだら便利かもなど、じっくり見たくなりそうな地図ばかり。
こちらは近畿地方。
— にゃんこそば🌕データ可視化 (@ShinagawaJP) February 8, 2022
御堂筋線・北大阪急行なら大阪市街まで一本。
特に北側(吹田市・豊中市)は新幹線にもアクセスしやすく、転勤族が集まるのも頷けます。
4枚目、神戸の都市圏はなかなか珍しい形に。JRと私鉄の激しい競争は地形によるところも大きそう。 pic.twitter.com/fDIuV4eANx
そしてこの地図に、「これすごい。初めてきた土地のどこが地価たけーとか家賃たけーとかの目安にもなる」「こういうなんとなくの肌感で理解している事をデータで可視化するって面白い。郊外に行けば行くほどJRの万能感ある。賃貸物件を選ぶ上でもだし、不動産投資する上でも大事」など、面白いという声多数。
「武蔵小杉も有能ですね、人気なのもわかる」「こうしてみると両国~門仲あたりの便利さよ」「私が高円寺からあまり離れたくない理由だなあ」「わあ! 板橋区ってやっぱりローカル! 都会も田舎もどちらも楽しめる、とも言える」といった、新しい発見があったり納得したというコメントも。
ずっと見ていられそうなこの地図、投稿者のにゃんこそばさんに、制作の経緯を伺いました。
「だいたい45分」の地図、投稿者に聞いてみた!
――見慣れた地図でも、データを乗せると見え方が変わってきますね。「だいたい45分」で行ける範囲の地図、制作のきっかけは?
春の引っ越しシーズンに合わせて作成しました。この季節、土地勘がない街で家を探す方も多いと思います。「新宿から何分だろう?」「職場に通いやすいのはどこだろう?」みたいな疑問に答えるにはどうしたら……? と考えていたところ、以前作成した「徒歩15分圏マップ」を思い出し、その電車バージョンを作ってみました。
5分・10分・15分で行ける範囲が分かる地図『15cities』を公開しました。https://t.co/GmaNGuFV7t
— にゃんこそば🌖データ可視化 (@ShinagawaJP) March 2, 2021
◆使い方
①地図をある程度ズームする
②スタート地点をタップする
③移動手段を選ぶ
⇒「等時間線」が表示されます。
以下、便利機能や注意点を紹介します🧐 pic.twitter.com/PhnlBKX3WY
――このデータは、どのようなデータを元に作られたのでしょうか?
データを探していたところ、内閣府 地方創生推進室 ビッグデータチームが「RESAS(地域経済分析システム)」というサイトで鉄道・バスによる移動時間を公開していることを知りました。こちらをそのまま紹介してもよかったのですが、あまり見やすいものではなかったため、引用・加工してTwitter向けの地図にしました。
――この地図を作られる中で、興味深かったことや気づいたことがあれば教えていただけますか?
どの図でも、東京23区の西側に「45分圏」が広がっていることが分かります。渋谷や新宿などを発着する鉄道が東京の都市圏を広げてきたんだなぁ……と、あらためて実感しました。また、武蔵小杉や川口など、人口が増えている地域では45分で行ける街が沢山あるようです。交通利便性が人気の秘訣、といったところでしょうか。
なお、番外編として「45分で行ける街の数」を比較した地図も投稿されています。「池袋と新宿だけ行きやすい場所に住みたい」「東京・渋谷・新宿全部に45分以内に行ける場所がいい」など、こちらも住む場所を探す参考になりそうです。
【番外編】なるほど!と思って描きました。山手線沿いの6つの街のうち「45分で行ける街の数」を示した地図。(💡接続が良ければ30分ぐらい)
— にゃんこそば🌖データ可視化 (@ShinagawaJP) February 9, 2022
個人的には2~3個(西側1、東側1~2)カバーできれば満足かな。上野が行動圏に入ってくると土日の楽しみが増えそう。https://t.co/9ouvUTQ2S5 pic.twitter.com/22NbaUhMpx
もうすぐ春の引っ越しシーズン。住む場所の条件は人によって様々ですが、ちょっと視点を変えてみると意外と穴場が見つかるかもしれませんね。
東京都心&副都心まで「だいたい45分」で行ける範囲を地図にしてみた。
— にゃんこそば🌕データ可視化 (@ShinagawaJP) February 8, 2022
春の住まい探し、城南・城西(山手線の南~西側)の人気の理由が分かる気がする。他の地方もリプライにぶら下げていきます。
【出典】RESAS「近距離移動時間分析」※鉄道・バス利用。徒歩や待ち時間を含む平均時間です。 pic.twitter.com/xLFeN76lJi