JR九州は22日、香椎線西戸崎~香椎間で2020年12月24日から実施しているATS-DKをベースとした自動列車運転装置の実証運転に関して、実証運転状況は良好と判断し、実証運転区間と対象列車を3月12日から拡大すると発表した。
JR九州では、運転士以外の係員が乗務する自動運転(GoA2.5)の実現をめざし、2020年12月24日から香椎線西戸崎~香椎間にて、運転士が乗務した状態の営業列車でATS-DKをベースとした自動列車運転装置の実証運転を実施してきた。実証運転を通じて在来線における自動運転列車の運行に関する知見を蓄積しており、2022年1月末までの実証運転は総走行距離8万1,278km、総停車回数3万1,505回になるとのこと。
今回、実証運転状況を良好と判断し、自動列車運転装置を用いた営業運転区間を香椎~宇美間にも拡大し、3月12日から香椎線全線を実証運転区間にする。対象列車は現行の上り12本・下り12本から上り38本・下り39本に拡大する。
安全・安定輸送の確保、利便性向上、環境負荷への軽減もめざし、区間拡大までに自動列車運転装置の新たな機能追加・改良を実施。おもに編成両数に応じた停止位置に停車する機能、降雪等を考慮した走行モードの追加、走行時消費電力を抑制する走行制御への改良を挙げている。
今後の目標として、「鉄道における自動運転技術検討会(国土交通省鉄道局)」での議論を踏まえつつ、2024年度末までに運転士以外の係員が乗務する自動運転(GoA2.5)の実現をめざすとしている。