いぶし銀・桐山九段の千勝はなるか!?
藤井聡太竜王への挑戦権を争う第35期竜王戦(主催:読売新聞社)のランキング戦5組昇級者決定戦、桐山清澄九段―伊奈祐介七段戦が2月22日に関西将棋会館で行われています。
■桐山九段は負ければ引退が確定
74歳の桐山九段は現役最年長。タイトル4期獲得や第1期竜王戦での1組優勝などの実績があります。現役棋士としては棋士番号が唯一の2桁(93)で、現役生活は50年以上にわたりますが、規定により今期の竜王戦で4組に昇級しないと引退が決まります。今期の竜王戦5組では昇級者決定戦に回ったため、現役続行にはここから6連勝が必要となります。そして現在の桐山九段は通算996勝で、特別将棋栄誉賞(1,000勝)まであと4勝に迫っています。今期の竜王戦で現役続行を確定させれば、同時に通算1,000勝を達成することになります。
そして対戦相手の伊奈七段にとっても負けるわけにはいかない勝負です。本局で敗れると残留決定戦に回ることになり、そこでも敗れると6組降級が決まってしまいます。両者の対戦は過去に4度あり、2勝2敗。直近の対戦は3年前の竜王戦、同じく5組昇級者決定戦でした。この時は198手の大熱戦を桐山九段が制しています。
筆者は2年ほど前に桐山九段へ取材をする機会がありました。その時に桐山九段は「新しい将棋を吸収できたらという思いと同時に、桐山将棋とはこういう将棋だと表現したい気持ちで指しています」と語っています。あるいは自身の現役最後となるかもしれない一局で「桐山将棋」を存分に表現できるでしょうか。
対局は22日の10時に始まりました。先手番となった桐山九段が四間飛車に構え、4筋と6筋の位を次々と取る意欲的な指し回しを見せています。本局の持ち時間は5時間。決着が付くのは本日夜となる見込みです。