JR東海は、東海道新幹線の車両N700S・N700Aの全般検査と台車検査の周期を4月から順次延長すると発表した。
同社は検査周期延長に向けた取組みをこれまで段階的に進めており、まず2013~2015年度の検査・修繕実績を検証し、部品の経年劣化による車両故障が発生していないことを確認。これによって十分な信頼性と耐久性が確認できたとして、2017年7月から2021年4月にかけて現行の周期を延長した走行試験を実施し、台車部品など約130項目にわたる詳細な分析を行った。この結果、一部の検査を強化すれば検査周期を延長しても安全性に問題がないことが確認できたとして、車両を対象とした全般検査と台車を対象とした台車検査の周期延長に踏み切ることを決めた。
これにより、全般検査は現行の「120万kmまたは36カ月以内」から「160万kmまたは40カ月以内」に、台車検査は現行の「60万kmまたは18カ月以内」から「80万kmまたは20カ月以内」に変更される。検査周期延長後も、6万kmまたは45日以内に車両の状態と機能を検査する交番検査と、おおむね2日に1回実施する仕業検査は従来通り行う。当面は4月以降に投入するN700Sに適用する予定。2026年度末までにN700S・N700Aの全車両に適用する見込みとしている。