データ上では先手番の渡辺が圧倒
渡辺明棋王へ永瀬拓矢王座が挑戦する第47期棋王戦五番勝負(主催、共同通信社)第2局が2月19日(土)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。手番は決まっており、渡辺棋王の先手番です。
■第1局は激戦制し渡辺棋王が先勝
第1局は先手永瀬王座で矢倉対雁木の構えになりました。中盤戦で渡辺棋王がリードを奪ったものの、永瀬王座は手順に上部に厚みを作って空中要塞を築き上げます。永瀬王座が逆転した局面もありましたが、最後は入玉した永瀬玉が捕まって後手の渡辺棋王が先勝しました。
両者のスケジュールを見ると、第1局の後は渡辺棋王が王将戦第4局を挟んでいるのに対し、永瀬王座はこの間に対局がありませんでした。挑戦者が入念な準備を行えるとみるか、棋王の実戦感覚が鈍っていないとみるか。第1局は矢倉となりましたが、手番を入れ替えた本局の戦型は相掛かりか角換わりが有力そうです。
■対戦成績で大きくリードする渡辺棋王
これまで両者の対戦は22局ありますが、渡辺棋王が17勝5敗と大きく勝ち越しています。また特に渡辺棋王の先手番では12勝2敗とまさに圧倒。渡辺棋王はこの数字も味方につけて連勝し、防衛及び棋王10連覇に向けて弾みをつけたいところでしょう。
対する永瀬王座、データ上は厳しいですが、それを跳ね返してタイに持ち込んでこそ、棋王奪取への道が開けます。棋王戦第2局と第3局の間には、自身の初優勝が懸かる朝日杯将棋オープン戦の準決勝・決勝も予定されています。色々な意味でいい流れを作りたいところです。
お互いに負けられない勝負である、明日からの将棋に注目しましょう。
相崎修司(将棋情報局)