ワーク・ライフバランスは2月17日、「企業の働き方改革に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は2021年12月13日、20歳~70歳の男女330人を対象に、インターネットで実施した。
2022年春に、男性の育児休業に関する法改正が実施される。企業規模にかかわらず育休取得対象の従業員への周知と意向の確認が義務化され、2022年10月からは出生時育休制度(通称 男性産休)が創設。子どもの誕生直後8週間以内に父親が最大4週間を取得することができるようになる。さらに、2023年4月からは、1,000人以上の企業の取得率公表が義務化される。
こうした男性の育児休業取得に関する法律の改正について知っているか尋ねたところ、57%が「知っている」と回答した。「知らない」は38%、「わからない」は5%だった。
会社に男性の育児休業取得者がいるか尋ねると、42%が「いる」と答え、「自社で男性の育児休業者がいない」(41%)を上回った。男性の同僚が、2~4週間の育児休業を取得することに、賛成か反対か尋ねたところ、「賛成する」が71%と圧倒的に多くなっている。自分もしくは、パートナーの男性の育児休業取得についても「希望する」と答えた割合は62%と高い結果となった。
男性が育児休業を取得しやすい環境にするために、まだ取組みが進んでいないものを聞くと、「育児休業を取得しやすい職場の雰囲気」(50%)、「仕事を任せられる仕組み」(47%)、「上司/管理職の理解」(38%)が上位を占めた。
自社に男性の育児休業者がいないと答えた人に、育児休業を取得しやすい環境にするためにまだ取組みが進んでいないものを尋ねたところ、「仕事を任せられる仕組み」「育児休業を取得しやすい職場の雰囲気」(各49%)が多かった。
働き方改革の成果として該当するものについて聞くと、「従業員満足度が向上した」(30%)が最も高く、次に「離職率が低下した」(16%)、「業績が向上した」(15%) が続いた。
施策別でみると「業務報告のための日報/週報の導入」(68%)が従業員満足度の向上に最も寄与していることがわかった。「配置転換」(65%)、「コミュニケーションのための時間を増やした」(62%)と答えた割合も多い。
働き方改革が思うように進まない原因について尋ねたところ、「働き方改革=残業削減と認識し、残業削減以外の施策をしていないから」(31%)が、昨年度調査と同様に最も割合が高い結果となった。「とりあえず思いついた施策をやってみたにとどまっているから」(27%)、「経営者が働き方改革に興味がないから」(26%)と続いている。昨年度割合の低かった「オフィスを改装したにとどまっているから」が、今年度調査では倍以上に増加した。
COVID19発生後に気づいた前向きな変化について聞くと、「WEB会議が自社でもできることがわかった」(41%)が最も多く、「時間の 使い方が大きく変わった」(23%)、「働く場所はオフィスでなくてもよい」(22%)など、場所や時間の柔軟性に関する項目が上位に並んだ。
昨年度調査と比較し割合が向上したのは 「対面でのコミュニケーション等が苦手だった人でも活躍できる場があることに気づいた」 「WEB 会議が自社でもできることがわかった」「自分にあった働く環境を作ることができ、生産性が上がった」で、特に「対面でのコミュニケーション等が苦手だった人でも活躍できる場があることに気づいた」は、昨年調査時より1.8倍に増えている。
2022年以降に取り組む働き方改革に関する施策について尋ねると、「残業削減」(25%)が最も多く、「オフィスで働くことの価値向上」「場所のフレキシビリティ」「評価制度の改訂」が続いた。前年と比べて増加率が高かったのは「経営者からの発信」(140%)、「勤務間インターバル制度の導入」(135%)だった。